もう、15年ぐらい前になるでしょうか
母が初めて、携帯電話を買ったのは
使い方に四苦八苦、何度も電話で、説明をしました
ある日、私の携帯に、メールが届きました
きれいなコスモス畑の写真、懐かしいふるさとの景色
母が、私に見せたい一心で、撮ってくれたと感じました
「おかあちゃん、写メールを送れるなんて、すごいやん
きれいなコスモス畑やなぁ、また、送ってや」
そう言ったのを、覚えています
母の返事は、また、送れるかどうかわからないと、そんな答えでした
きっと、慣れないことをしたので、よほど、疲れたのでしょう
その言葉通り、写真を送ってもらったのは、その時だけ
もう、母から、メールも電話もくることはありません
でも、秋桜の花を見ると、あの時の光景が、目の前に現れるようで
コスモス畑を撮っている母と、出会えるような気がします
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小さな幸せ
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