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長期の運動習慣は関節リウマチの発症を予防する?

2019-04-12 | 医学・医療・健康
女性における長期間の身体活動と、関節リウマチとの関連を見た前向き研究です。運動習慣はリウマチを予防するのか?ということで、抄録をかいつまんで紹介。 

Liu X et al.
Long-term physical activity and subsequent risk for rheumatoid arthritis among women: A prospective cohort study.
Arthritis Rheumatol. 2019 Mar 28. doi: 10.1002/art.40899. [Epub ahead of print]

アメリカの有名な女性のコホートであるNurses' Health Study II (1989-2015)を用い、身体活動について質問票で調査するとともに、関節リウマチの発症の有無について被験者の自己申告と病歴・臨床データから調査し、運動とリウマチとの関連を検討したというものです。

この関連を調べるにあたっては、初期のリウマチになってからでは運動量が落ちてしまって結果が偏る可能性があるため、リウマチの診断前2〜8年間(つまり、まだリウマチによる運動制限がない頃)において、どのくらい運動(recreational physical activity)していたかを検討しました。

検討の結果、

113,366人の女性の調査で、 2,428,573 人年(人数x年)の追跡期間の間に、506人がリウマチを発症していました。

そこでリウマチに関連しそうな、喫煙、食事の質、それに18歳時のBMI(body mass index)などの交絡因子を調整してみると、

運動した時間(cumulative average total hours of recreational physical activity)が多いほど関節リウマチのリスクが低かった(例えば1週間に7時間以上運動した人は、HR (CI): 0.67(0.47,0.98) ・・なので約3割のリスク減少)、ということが判明しました。

ううむ。

いやまだ原文を読んでいないんですが、どんな運動をしていたのか(どの筋肉や関節にどのような負荷をかけていたのかとか、結果、筋肉量や体組成はどうなっていたのかなど)興味深いです。(そのうちeスポーツもスポーツに含めないといけないか?)

ただ、別に運動不足だからリウマチになるとか、アスリートだから免疫疾患にならないとか、そういうことでもないのですよね。

さらなる検討は続きます。