娘は「あったことを書きなさい、思っていることを書きなさい」と言われるのが、大嫌いだそうである。
そんなふうに原稿用紙を渡されても、苦痛で何も浮かばないという。
読書感想文も、何をどうやって書いていいのかさっぱりわからないから苦手だという。
だからてっきり「作文」に興味がないものだと思っていた。
先日
「国語の授業で、先生がノートに何でもいいから『国語的なものを書きなさい』ってって言うの。何書いたらいい?」
と訊かれたので、適当に返事をしておいた。
「それって教科書に関係あること?」
「あってもなくてもいいんだよ」
「じゃあ、新しく出てきた漢字とか、知らなかった言葉とその意味とか、あとママなら、いい文章だなあと思うもの抜き出して、なんでいいかその理由を書くかな」
娘はつまらなそうな顔をした。そして
「私、小説書くわ」と言った。
「小説?フィクション?あなたフィクションなんか書けるの?」
娘は途端、不思議そうな顔をして、
「小説の方がずっと簡単じゃない。私いっぱい書いてるよ」
とパソコンのwordを開いてみせて、びっしりと書き込まれた「それ」を見せてくれた。
すぐに閉じられてしまって内容はよくわからなかったけど「…である調」の、それは見たことのない大人びた文章だった。
驚いた。
これならいくらでも書けると娘は笑った。
そして後日「これは私が作った小説です」とノートに一つ短編を載せたところ、初めて「Aマル」が貰えたと私に報告した。
なんで?
なんでノンフィクションが書けないのにフィクション書けるの?
フィクションが書けない私にはそれが不思議でならず、何度も「お願い!!どうか理由を教えてほしい」としつこく懇願したんだけれど、娘は頑なに答えようとしなかった。(訊いて、私はそれを言葉にして書きたくてたまらなかった(笑))
でもしまいに
「理由なんてないの!!ない!!それが答え」
とソッポを向かれてしまった。
彼女が「なぜ作文が嫌いなのに、フィクション小説だけ書くのが好きなのか?」その理由を言うこと…これは「ノンフィクション」だから言えないのだろうか?
今のところ、私にはそれしか思いつかず、これ以上言葉にできないのがとても悔しい。
そんなふうに原稿用紙を渡されても、苦痛で何も浮かばないという。
読書感想文も、何をどうやって書いていいのかさっぱりわからないから苦手だという。
だからてっきり「作文」に興味がないものだと思っていた。
先日
「国語の授業で、先生がノートに何でもいいから『国語的なものを書きなさい』ってって言うの。何書いたらいい?」
と訊かれたので、適当に返事をしておいた。
「それって教科書に関係あること?」
「あってもなくてもいいんだよ」
「じゃあ、新しく出てきた漢字とか、知らなかった言葉とその意味とか、あとママなら、いい文章だなあと思うもの抜き出して、なんでいいかその理由を書くかな」
娘はつまらなそうな顔をした。そして
「私、小説書くわ」と言った。
「小説?フィクション?あなたフィクションなんか書けるの?」
娘は途端、不思議そうな顔をして、
「小説の方がずっと簡単じゃない。私いっぱい書いてるよ」
とパソコンのwordを開いてみせて、びっしりと書き込まれた「それ」を見せてくれた。
すぐに閉じられてしまって内容はよくわからなかったけど「…である調」の、それは見たことのない大人びた文章だった。
驚いた。
これならいくらでも書けると娘は笑った。
そして後日「これは私が作った小説です」とノートに一つ短編を載せたところ、初めて「Aマル」が貰えたと私に報告した。
なんで?
なんでノンフィクションが書けないのにフィクション書けるの?
フィクションが書けない私にはそれが不思議でならず、何度も「お願い!!どうか理由を教えてほしい」としつこく懇願したんだけれど、娘は頑なに答えようとしなかった。(訊いて、私はそれを言葉にして書きたくてたまらなかった(笑))
でもしまいに
「理由なんてないの!!ない!!それが答え」
とソッポを向かれてしまった。
彼女が「なぜ作文が嫌いなのに、フィクション小説だけ書くのが好きなのか?」その理由を言うこと…これは「ノンフィクション」だから言えないのだろうか?
今のところ、私にはそれしか思いつかず、これ以上言葉にできないのがとても悔しい。