☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『恋の罪』(2011)

2013年10月05日 | 園子温監督☆映画
『恋の罪』(2011)

園子温監督



【STORY】
1997年に渋谷区で発生した東電OL殺人事件が元ネタになっている。
雨の夜、ラブホテル街の古びたアパートで、女性の変死体が発見される。その事件を追う刑事の和子は、捜査を進めるうちに、大学助教授美津子、ベストセラー小説家の妻いずみに行きあたる。(Wikipediaより抜粋)

【感想レビュー】
東電OL殺人事件…あったなぁ…。
ちょうどその頃は学生時代で、よく渋谷界隈を歩き回ったなぁ…、と思いながら観始めました。


肉としての“本当の自分”と、容れ物としての“身体”の間の溝に気付かず、日々暮らしている。

何か、満たされていない事だけは分かっている。。

そんな登場人物ばかりでした。

肉としての自分の意味を見出そうとすると、人は『城』の入口を探してしまうのでしょうか。。

映画の中では、『城』(カフカ)がモチーフにされ、『帰途』(田村隆一)が引用されます。
言葉なんか覚えるんじゃなかった
日本語とほんのすこしの外国語をおぼえたおかげで
僕はあなたの涙のなかにたちどまる
ぼくはきみの血のなかにたった一人で帰ってくる


本作は、こういった文学的要素に彩られ、マーラやマレの音楽に包まれ、性的描写は激しくも、なんだか人間の本質、そして自分という“肉”の観念的な探求を描いているのだと感じました。

マーラーも年の離れた妻との愛に苦悩したそうです…

それにしても。

“闇の濃い”あの界隈、よく行きます、だって映画館そこに在るのだから…

映画だけを観て帰る私は、、心が健康なんですね、きっと!

それか、こどもなのか…。

『冷たい熱帯魚』(2010)

2013年10月05日 | 園子温監督☆映画
『冷たい熱帯魚』(2010)

園子温監督、吹越満さん、でんでんさん、黒沢あすかさん出演。



【STORY】
海外で高い評価を受ける「愛のむきだし」の園子温監督が実際に起きたいくつかの猟奇殺人事件をモチーフにしたサスペンス・スリラー。
恐るべき裏の顔を持った男と知り合ってしまったがために、殺人の共犯者になってしまう男の悲劇を描く。

【感想レビュー】
観てから、何となく感想を書けなくて、悶々と考えていました。

最近観た『凶悪』にも共通する、実際の事件を元にした作品。

人間には誰でも、何処かしらに暴行や殺人を犯してしまう、そんなスイッチがあるのだろうか…。

そのスイッチを一度押してしまうと、もう後戻りが出来ないのだろうか…。

ましてや、それをしないと、自分の生命まで脅かされる状況にいたら尚の事、そうなってしまうのだろうか…。

でも、多くの人は、そんな世界と関係の無い日常を送っている。

日常の些細な自分自身の狂気を 、代弁してくれる何か他の媒体(小説やドラマ、映画、美術や音楽など)を読んだり観たり聴いたりして、満たしているように思える。

だからこそ、こういう映画を観て、高揚するのだろうか…。

『凶悪』のあるシーンで、そういう事を視聴者に突き付ける台詞があるのですが、この手の作品を観る度に、薄々感じていた居心地の悪さとほんの少しの高揚感に、私は何とも言えない気持ちになります。


吹越さんは、内に秘める底知れない狂気が何とも好きな俳優さんですが、この作品は圧巻でした!

ラスト手前まで、もうこれ以上の、どんなシーンを重ねれば、尻すぼみにならないのか??

半ばどう締めくくるの⁈っと余計なお世話ですが思いながら観ましたが、、
もう一段も二段も予想の上を行くテンションで駆け抜けた!!!…って感じでした。

これまた、俳優陣が素晴らしくて

また次々と園子温監督作品を観なければ!