gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

■これまでとまったく違うヤバい円安が起きている~デフレマインドに支配されているのは日銀だけ~ 東洋経済 2022/04/02  小幡績 : 慶應義塾大学大学院准教授

2022-04-29 04:51:38 | 日記


■これまでとまったく違うヤバい円安が起きている~デフレマインドに支配されているのは日銀だけ~

東洋経済 2022/04/02  小幡績 : 慶應義塾大学大学院准教授 

https://toyokeizai.net/articles/-/578849

 

~~~


円安はヤバい。

このままでは、日本経済は破綻への道をまっしぐらだ。


・これまでとまったく違う円安が起きたワケ


3月28日、為替は一時1ドル=125円を突破した。

これは、10年物国債利回りが0.25%に上昇したため、日銀は複数日にまたがって国債を決まった利回りで無制限に買い入れる連続指し値オペを初めて実施すると発表したことによる。

つまり、日銀は、長期金利を抑え込む姿勢を鮮明にし、為替トレーダーは、アメリカ中央銀行であるFEDとの方向性の違いが改めて鮮明になったことを嫌ったのだ。


29日、岸田文雄首相は原油価格・物価高騰への総合緊急対策を4月末までに取りまとめるよう関係閣僚に指示した。

そして、30日には、官邸に黒田東彦総裁が呼ばれ、岸田首相と1時間会談した。

これを受けて、円は1ドル=121円台まで戻した。


わざわざ誰もが知っているこの数日の円の大幅下落と乱高下を改めて描写したのは、今回の円の大幅下落は、これまでの円安局面とまったく違うことを改めて示すためである。


それは、ほぼすべての日本の人々が、円安を悪いことだと思っているということだ。

政治家たちまでもが、円安を止めるために躍起になっているのだ。

これは画期的だ。


そして、さらに驚くべきことは、その中で、日銀だけが円安を指向しているということだ。

これは、日本の戦後において初めての状況であり、まさに歴史的転換点なのである。


さらに、さらに、最悪なのは、これはあるべき姿の正反対であることである。


つまり、本来あるべき姿=通貨の番人たる一国の中央銀行にとってもっと重要なことは、自国通貨価値を維持すること、守ることであり、通貨価値を安易に毀損しようとする政治的勢力と戦い、通貨を「ポピュリストたち、経済を理解していない人々」から守り、価値を死守することが、唯一最大の役割なのである。


そのために、中央銀行の政治的独立性が重要なのであり、日本銀行も独立性を獲得するために、悲願だった日銀法の改正を21世紀に入る寸前、1997年になってようやく達成したのである。

 

・「通貨の番人」が自ら通貨価値を下落させようとした


それにもかかわらず、皮肉なことに、日銀自らが通貨価値を下落させることに躍起になり、政治家たちがそれを止めようとしているのである。

これがこの世の終わり、日本経済の終わりでなくて何であろうか。

これがヤバいことは、経済の素人にも一目瞭然である。

具体例も目の前にある。ロシアのウクライナ侵攻が起こる前の世界のリスクといえば、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の「ご乱心」によって「トルコリラの暴落を止めるため」などと称して、中央銀行に金利を下げさせて、暴落が大暴落を呼んでいたことだった。


つまり、トルコの破綻が新興国の通貨市場、金融市場に波及することを恐れていたのであった。

通貨価値が下落するとどれだけ悲惨になるかということは、トルコ経済を見ればわかる。

さらに、ロシアもルーブルが暴落し、この防止が最優先で、ウラジーミル・プーチン大統領は、原油や天然ガスの支払いにルーブルを強制しようとしたが、これもルーブルの価値を回復するためであった。


そもそも、自国通貨は強いほうが良い。

これは、経済学においては、はっきりと成立している。

そして、実際の経済においても、明白だ。

短期的な雇用維持、あるいは目先の需要喚起として、一時的には自国通貨が弱いことのメリットがある場合があるが、それを続けていれば、国富が目減りし、経済は衰退する。

これは、「日銀は庶民が苦しむ円安政策をすぐ変更すべきだ」でも書いた通りだ。


しかし、事態はより深刻である。本当にヤバいのである。

その理由は、冒頭で述べたように、日銀が、あえて円安が進むような金融政策をとったからである。


無制限指値オペの連日の実行だけでなく、それ以外の通常の国債買い入れを倍増させ、さらに、イールドカーブコントロール政策で明示的に約束している10年物の国債だけでなく、それ以上の満期、20年物などの超長期債までも、買い入れの予定になかったにもかかわらず、急遽買い入れを行ったのである。

 

・日銀だけがあえて円安を指向した


これは、大事件だ。

これを行えば、円が急落することは当然予想されたはずである。


しかし、それでもあえて行ったのである。

しかも、明示的にコミットしている10年国債金利0.25%を死守するだけでなく、それ以上の期間の金利をも低下させようと、積極的にサプライズを起こした買い入れを行ったのである。


これは、大事件どころか、「大大大事件」である。

なぜ、こんなことを日銀が行ったのか。


日銀は、これまでも金融政策に失敗したことは何度かある。

もっとも大きなものは、1985年のプラザ合意後の急激な円高に対して、金融緩和を継続したことである。

この結果、国内不動産市場、株式市場、そして実体経済にも、日本の歴史上最大のバブルに拍車をかけることになった。

これは、円高不況と言われ、政治的に「何がなんでも円高を止めろ」、という政治の圧力に抵抗できなかったからである。


これは失敗だが、当時としてみれば仕方がない面もあり、理解できる。

しかし、今回は、政治的な圧力は逆方向なのである。


輸入価格の高騰による物価高を抑える、

そのために円安はなんとしても抑える、という政治的圧力なのである。


しかし、それに抵抗して、円安を指向したのである。

しかも孤軍奮闘して、日本銀行だけが円安をあえて指向したのである。

 

 

~~~
これまでとまったく違うヤバい円安が起きている~デフレマインドに支配されているのは日銀だけ~
東洋経済 2022/04/02  小幡績 : 慶應義塾大学大学院准教授 
https://toyokeizai.net/articles/-/578849


■金利上昇なら債務超過も 袋小路の日銀がいまだに金融緩和を唱える隠された理由 論座 2022年04月28日 木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

2022-04-29 04:51:18 | 日記

 

■金利上昇なら債務超過も 袋小路の日銀がいまだに金融緩和を唱える隠された理由

論座 2022年04月28日 木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

https://webronza.asahi.com/business/articles/2022042600007.html


~~~


・「インフレ下の低賃金」が定着した日本


3月の消費者物価指数が前年比0.8%上昇したのに対し、企業物価指数は9.5%も上昇した。

今は企業が物価上昇の痛みを負担している形だが、いずれ限界がきて消費者物価に転嫁される。


日本銀行の黒田東彦総裁は「この物価上昇は持続しない」(4月22日の米国講演)と語るが、コロナ禍もウクライナ侵攻も長期化が予想され、物価のすう勢は変わらないだろう。


一方、今年の春闘は賃上げ率が例年並みの2%強にとどまり、「インフレ下の低賃金」の構図が定着。

生活はじりじり苦しくなっている。


円安の直接的な理由は、米国が長年の金融緩和・低金利政策に終止符を打ち、正常化とインフレ抑制に向けて強力に動き出したことにある。


米国はゼロ近辺だった政策金利を3月に0.25%上げた。

5月には0.5%上げ、年内に3%程度にする見通しだ。

金融緩和で膨らんだ保有資産を圧縮する「量的引締め」にも進む。

 

・日銀は「指し値オペ」で低金利を市場に徹底


一方、日本は9年前にアベノミクスが始まって以来、低金利と金融緩和を今も続けている。

このため日米の金利差が拡がり、投資家は低金利の円を売って金利が高いドル資産(米国債など)を買っている。

これで円安(ドル高)が進む。


ところが日銀は円安に歯止めをかけるのではなく、逆に拍車をかけるような対応をしている。


4月下旬に行った「指し値オペ」がそれである。

10年国債を利回り0.25%で無制限に買い入れるという市場操作で、「金利は0.25%以上には上昇させない」と宣言したのに等しい。

投資家は安心して一層の円売りに走った。


黒田総裁や鈴木財務相は「急速な円安は好ましくない」「悪い円安だ」と、円安を口先でけん制しているが、市場では誰も本気にしていない。

 

・発行国債の半分を保有、金利上昇なら巨額の評価損


日銀や政府が、円安・物価高の原因である金融緩和の是正に動こうとしない理由はなにか――背景にあるのは、日銀の財務内容の異常な悪化である。

日銀はこの9年間、金融緩和策に沿って国債を買い続け、資金を政府と市場に供給してきた。

その結果、保有する国債残高は長期・短期合わせて528兆円に膨らみ(上のグラフ)、発行国債の約半分を占めている。


このうち長期国債(503兆円)の平均利回りは0.226%(21年度上期決算)である。

現在の市場の長期金利もこれに近い水準にある。


ところが、仮に金融正常化に移行して1%でも長期金利が上昇する(価格が下がる)と、日銀には「逆ザヤ」が発生する。

発行国債の半分を保有するので膨大な額(兆円単位)の評価損が生じる。


9年間の金融緩和で、日銀の財務は金利上昇に対して極めて脆弱になった。

この裏事情が知れ渡れば、国債も円も日銀自身も信認を失うだろう。


日銀が4月に「指し値オペ」で長期金利を抑え込んだのは、5月末の決算公表を前に評価損発生を防ぐのが目的だったという見方が出ている。

さらに7月に参院選を控えているという政治判断があったのかもしれない。

 

・当座預金でも巨額の損失、債務超過の恐れ


また日銀の当座預金口座には、銀行などから、緩和されても使い道のない余剰資金が預けられている。

9年間で残高はどんどん膨らみ、541兆円に達している。


日銀が金利を上げる場合は、この当座預金に支払う金利を引き上げる手法をとる。

仮に正常化して金利を1%引き上げると、日銀の支払い金利は5.4兆円増える。

日銀の年間純利益は約1.2兆円なので、損失の垂れ流しが始まり、簡単に債務超過に陥ってしまう。


これでは永遠に金融正常化に移行できない。

これほどの金利上昇リスクを抱えた中央銀行は先進国に例をみない。


同じ問題は政府の財政にもある。

金融緩和によって国債の発行残高は1000兆円を超えた。

財務省の試算では、1%の金利上昇でも国家予算の利払い費は6、7年後に約10兆円増える。

この費用をどのように捻出するのか、こちらも深刻な問題だ。

 

・進むも退くもできない袋小路に


円安の進行を放置すれば物価は上がる。

かといって円安・物価高を抑えるために正常化(金利上昇)に向かえば、日銀の巨額の評価損や債務超過が現実になる。

政府財政もひっ迫する。


つまり今、日銀は現状放置も正常化もできない袋小路に入ってしまった。

ひたすら物価上昇が一時的で終わるのを願っている。

投機筋から足元を見られている。


日銀が毎年出す「金融政策の点検」は、エコノミストらの再三の指摘にもかかわらず、自らの財務悪化に一切触れようとしない。

国民の目からそらしているとしか思えない。


円安の元をたどれば、日本の経済停滞、国力低下という構造的な要因に行き当たる。

「日本売り」という表現が流行っている。

人口減少、貿易収支の赤字、財政規律の緩み、日銀の財務悪化等々……。


~~~
金利上昇なら債務超過も 袋小路の日銀がいまだに金融緩和を唱える隠された理由

論座 2022年04月28日 木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

https://webronza.asahi.com/business/articles/2022042600007.html


■黒田日銀総裁が最大のリスク要因…「悪いインフレ」放置の呆れた“思考停止”ぶり 週刊現代:2022/01/19

2022-04-29 04:50:53 | 日記

 

■黒田日銀総裁が最大のリスク要因…「悪いインフレ」放置の呆れた“思考停止”ぶり

週刊現代:2022/01/19

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/300142


~~~


日銀は17日と18日行った金融政策決定会合で、現状の大規模な金融緩和を維持することを決めた。

その後の黒田総裁の記者会見。賃金が上がらないのに、値上げラッシュで物価高騰が現実化し、スタグフレーション(不況下の物価上昇)すら懸念される中、何を語るのかと思いきや、これまで通りの無策でア然だった。

 

・「壊れたレコード」変わらず


日銀は、18日公表した「展望リポート」で2022年度の物価上昇率見通しを前年度比1.1%と前回(昨年10月)の0.9%から上方修正した。

しかし、今後の物価上昇について黒田氏は、「資源高などによるもので一時的」「まだ1%程度。(目標の)2%に近づく状況にはない」という認識。

「利上げとか、金融政策の変更は全く考えていない」として、「緩和を粘り強く続けていくことで、好循環の物価上昇を目指していく」と、壊れたレコードのように毎度のセリフを繰り返した。


日銀の「生活意識に関するアンケート調査」(昨年12月時点)では77%が1年前と比べ物価が上がったと答えている。

米国が近く金融引き締めに舵を切るのは確実で、日米の金利差から「悪い円安」が進み、「悪いインフレ」が加速しかねないのに、それについても黒田氏は「悪い円安ではない」と断言した。


金融ジャーナリストの森岡英樹氏が言う。

「物価上昇が一時的とは思えません。日米の金利差が開けば、資金は当然、金利の高い方へ流れる。円安が定着する可能性があり、そうなれば悪い輸入物価上昇が続きます。黒田氏は、自分を総裁に選んだ安倍元首相が退陣した時に『辞めたい』と言ったそうですが、慰留された経緯がある。壊れたレコード状態なのは、反動が怖くて出口戦略に行けないこともありますが、気力を失っているからでしょう。黒田氏の残り任期は来春までの1年3カ月。鈴を付ける人がいない限り、今のままです。『法王』と呼ばれた一万田元総裁を超え、歴代最長となった黒田氏が、この物価上昇局面で最大のリスク要因となってきました」


岸田首相は18日、「ダボス会議」のオンライン講演で「アベノミクスからの転換」を表明した。

だったら、アベノミクスで思考停止の日銀総裁のままでいいのか?


~~~
黒田日銀総裁が最大のリスク要因…「悪いインフレ」放置の呆れた“思考停止”ぶり
週刊現代:2022/01/19
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/300142