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■新型コロナで解雇、倒産……蒸発する仕事 雇用の「氷河期」が迫る リストラ、雇い止め、内定取り消し 日経ビジネス 2020年4月24日

2022-08-30 05:44:26 | 日記


■新型コロナで解雇、倒産……蒸発する仕事 雇用の「氷河期」が迫る
リストラ、雇い止め、内定取り消し

日経ビジネス 2020年4月24日

https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/00415/


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「不安? なくはないですよ。でもどうにもならないから、先のことは考えないようにしている」


トヨタ自動車九州の宮田工場(福岡県宮若市)で働く派遣社員の20代の男性は、スマートフォンの画面を見ながら淡々と話す。

新型コロナウイルスの感染拡大が雇用に落とす暗い影から目をそらすかのように。


同県宗像市のJR教育大前駅。徒歩数分のコンビニエンスストア付近に、午後3時前になると近くのマンションから男性が集まり、次々と到着する小型バスに足早に乗り込んでいく。

行き先はトヨタ宮田工場。彼らはそこで働く派遣社員らだ。


福岡は最初に緊急事態宣言の対象となった7都府県の一つだが、工場は自粛の対象外。

だが、世界に目を転じれば、雇用クライシスが着実に忍び寄る。

 

・世界恐慌以来最悪の状況


国際通貨基金(IMF)はロックダウン(都市封鎖)など世界的な移動制限の影響により、2020年の世界の経済成長率をマイナス3%と予測。

「世界恐慌以来最悪」と表現した。


国際労働機関(ILO)は世界の労働人口の約38%が解雇や賃金カットなど雇用リスクに直面していると推定。

米セントルイス連銀のエコノミストは“単純計算”と前置きしながらも、米国では4700万人がレイオフ(一時解雇)され、失業率は32%に達する可能性があると試算した。


自動車メーカーは需要の急減に対応を迫られている。

米ゼネラル・モーターズは北米の工場を休止し、世界の正社員約6万9000人の給与の2割の支払いを延期。


工場休止はトヨタなどの日本メーカーにも広がり、米国ではホンダが1万人規模の一時帰休を始め、日産自動車は約1万人を一時解雇した。

こうした動きに国内も無傷ではいられない。


トヨタは4月3日から輸出向け車種を製造する国内5工場7ラインを一時休止した。

宮田工場は北米向けの「レクサス」を多く生産するため、稼働停止が9日間と5工場で最長となった。


トヨタは4月15日、グループ会社を含め国内の完成車全18工場での減産を追加で発表。影響は長期化してきた。

宮田工場は08年のリーマン・ショック時には工場内にあった派遣事務所は閉鎖され、派遣社員が一斉に工場を去ったことがある。


「コロナ・ショック」でトヨタは既に全ての工場で直接雇用の期間工の募集を停止。派遣社員の追加発注もほぼ止まっているとみられる。

 

・失業率は約4%になる可能性も


4月16日、緊急事態宣言の対象が全国に広がり、経済へのさらなる打撃は確実だ。


IMFは日本の20年の経済成長率をマイナス5.2%と予測。

リーマン・ショック翌年の09年がマイナス5.4%だからインパクトはほぼ匹敵する。


第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストは、「失業率はワーストケースで21年第1四半期までに4%程度まで上昇する可能性がある」と試算する。


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新型コロナで解雇、倒産……蒸発する仕事 雇用の「氷河期」が迫る
リストラ、雇い止め、内定取り消し
日経ビジネス 2020年4月24日
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/00415/

 


■コロナ禍の今こそ、国民全員に毎月10万・年間120万円の現金給付を行え! ハーバー・ビジネス・オンライン 2021.01.18

2022-08-29 05:59:20 | 日記


■コロナ禍の今こそ、国民全員に毎月10万・年間120万円の現金給付を行え!

ハーバー・ビジネス・オンライン 2021.01.18

https://hbol.jp/pc/236695/


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・一律現金給付の効果で、GDP押し上げ・失業率低下


新型コロナウイルス感染拡大で、リーマンショック時をはるかに超える大きな打撃を受けている日本経済。


厚労省によれば、2020年1月から2021年1月6日までの失業者数は8万人を超えたとのこと。

さらに、1月8日に発令された2度目の緊急事態宣言で経済の落ち込みは深刻化し、失業数が増えることが危惧されている。


こうした中、2020年2月から何度も政府に対して国民全員への現金給付を求めてきたのが、「日本経済復活の会」会長で、日本ベーシックインカム学会理事の小野盛司氏だ。

同氏は国内で最も歴史が長く信頼性の高い経済シミュレーションツール「日経NEEDS 日本経済モデル」を用い、政府が国民への現金給付を行った場合の経済予測を行っている。


小野氏は「少なくとも日本経済が完全に復活するまで、政府支出で毎月10万円、国民全員に現金給付を行うべきです」と強調する。

「給付が行われなければ、落ち込んだ日本経済は復活しません。もし給付が行われたら、GDPが押し上げられて失業率も低下します」と訴えている。


現金給付の額が多ければ多いほど、日本経済の回復は早くなる

日経NEEDSを用いた経済予測・分析による政策提言を2002年より行い続けてきた小野氏。


コロナ禍を受けて、同氏は「現金給付こそが日本経済の復活のカギである」と、その主張を著書『毎年120万円を配れば日本が幸せになる』(扶桑社)にまとめた。


「政府からの1人あたりの年間給付額を、40万円(月3.3万円)、80万円(月6.6万円)、120万円(10万円)と、パターンごとにシミュレーションを行いました。その結果は劇的なものでした。2020年の10~12月から給付したと仮定した場合、年40万円のケースでも約1年後の2022年の1~3月には、日本の名目GDPはコロナ以前の日本の名目GDP(約550兆円)まで回復します。年80万円のケースならさらに早く、2021年の4月~6月か7月~9月頃には、コロナ以前の水準まで戻ります。つまり、給付額が多ければ多いほど日本経済の回復は早くなるのです」(小野氏)

 

・給付が行われなかった場合、経済の落ち込みは長期間にわたる


一方、給付が行われなかった場合、コロナ禍による経済の落ち込みは長期間にわたるという。

「コロナ以前の水準には、今後2年経っても、つまり2023年の1~3月になっても戻らず、日本経済は低迷し続けます」(小野氏)。


失業対策としても、給付金は効果的だ。

個人消費が伸び経済が活性化することによって求人が増えるからである。


「シミュレーションによれば、2021年の1~3月の失業率は3.8%。給付なしの場合では、2年後の2023年1~3月でも失業率は3.4%と深刻です。これに対し、1人あたり年間80万円給付の場合には、2023年の1~3月には、失業率は2.52%まで低下するとの結果を得ています。


 年間120万円の場合は、2022年10~12月以降は日経NEEDSでも計算不能ですが、少なくとも給付1年で失業率が大幅に低下することは確実です」(小野氏)

 

・企業にお金をばらまくよりも、個人に直接ばらまいたほうが効果的


「政府が広く給付金を各個人に配るべき」という小野氏の提案に対して「財源はどうするのか」という指摘は当然あるだろう。


日本政府として財政健全化を目指す中で、特に財務官僚やその影響を受けた政治家やメディアは「ばらまき」に対して批判的だ。

だが、前掲の書籍『毎年120万円を配れば日本が幸せになる』の共著者である井上智洋・駒澤大学経済学部准教授は「実は、企業に対する『ばらまき』はこれまでも行われ続けてきたのですよね」と指摘する。


「日銀やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、ETF(上場投資信託)を大量に買い入れ、株価をつり上げるということがこの間、ずっと行われているのです」(井上氏)

つまり、政府と日銀は公的資金を用いて日本株を「爆買い」して、支え続けてきたということなのである。


特に日銀の年間ETFの買い入れ限度額は拡大され続け、12兆円にも達している。

企業や株主にばらまくのがOKなら、国民全体に直接ばらまいて生活を支えてもいいのでは?


「日銀などのETF買いを全面否定はしませんが、『生活を守る』という点においては、政府が人々へ給付を行ったほうが有効なのではないかと思います。財源は国債を発行すれば良いでしょう。大量に発行された国債を、いったん民間銀行を介しつつ最終的には日銀が引き受けるということも、この間行われ続けていますから」(井上氏)


コロナ禍は「100年に1度の経済危機」と言われたリーマンショックの倍以上の経済的な損失を日本経済にもたらしていると言われる。

それならば政府としての対策も、それに相応する思い切ったものであるべきだろう。


小野氏や井上氏が求めている国民への継続的な定額給付を、緊急に検討することが必要なのではないか。

 

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コロナ禍の今こそ、国民全員に毎月10万・年間120万円の現金給付を行え!
ハーバー・ビジネス・オンライン 2021.01.18
https://hbol.jp/pc/236695/


■コロナと格差社会 等しく命守る共感の力を 毎日新聞 2020年5月8日

2022-08-29 05:59:02 | 日記

 

■コロナと格差社会 等しく命守る共感の力を

毎日新聞 2020年5月8日

https://mainichi.jp/articles/20200508/ddm/005/070/054000c


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・弱い立場へのしわ寄せ


2008年の大みそかの光景がよみがえる。

リーマン・ショックの影響で仕事を奪われた派遣労働者らに、寝泊まりする場所や食事を提供するため、労働組合や支援団体が東京の日比谷公園に「年越し派遣村」を設けた。


路頭に迷った大勢の人が押し寄せ、「派遣切り」は深刻な社会問題になる。

だが、景気の回復後、低賃金で不安定な非正規雇用に頼る企業の姿勢が抜本的に見直されることはなかった。


非正規雇用はさらに増え続け、19年時点で約2165万人に達した。

08年当時より400万人以上も多く、労働者全体の4割近くを占める。


リーマン不況時に失業者があふれた池袋では、NPO法人「TENOHASI(てのはし)」が今も路上生活者らのアパートへの入居支援や炊き出しをしている。

感染予防に注意を払いながら、200人を超える人に食事を配る。


支援が必要な人の中には、インターネットカフェや深夜営業のファミリーレストランを行き来して日々をしのいできた日雇いやアルバイトの労働者もいる。

感染拡大で仕事が激減した。


ネットカフェなども営業を自粛している。

行き場がなくなる人は一層増えるとみられている。


こうした厳しい生活で健康を害し、免疫力が下がっている人も多い。

だが、感染から身を守る手立ては乏しい。


東京や大阪のNPOが手持ちのマスクを配布しているが、十分ではない。

TENOHASI代表理事の清野賢司さん(58)は「炊き出しに来る人は確実に増え続けている。情報がなく、どこへ相談に行けばいいか知らない人も多い」と指摘する。


政府や自治体はNPOと協力し、情報提供を含めた支援を尽くすべきだ。

 

・市民の支えが不可欠だ


非正規雇用の人の中には子育て世代もいる。

失業したり収入が大幅に減ったりすれば、子どもの貧困に拍車がかかるのは明白だ。


子ども7人のうち1人が貧困状態にある。

ひとり親家庭は半数が貧困といわれる。


貯蓄も少なく、休校で給食がなくなって食費がかさむ。

生活は追い詰められ、子どもの健康も損なわれかねない。


子どもの貧困問題についても、国は本格的な対策を講じてこなかった。

早急に十分な児童手当を給付することが必要ではないか。


一方で感染予防のため閉鎖せざるを得ない子ども食堂で、代わりに手作り弁当を提供する所が増えている。

人は感染から自身を守ろうと他者を排斥しがちだが、そうした中でも弱い立場の人を支える動きが広がるのは心強い。


失業者への炊き出しを続けるNPOをはじめ、民間の地道な活動が、ぎりぎりのセーフティーネットになっている。

近年、グローバル化によって世界各国で格差が広がった。


日本でも、8年目に入った安倍政権下で富裕層は増えたが、中間層が痩せ細った。

社会のひずみが大きくなる中でのコロナ禍は国民生活に重くのしかかり、感染拡大防止に取り組む一体感を維持するのも難しくなっている。


格差社会を根本から見直すべき時期だ。

貧富の格差を健康や命の格差につなげてはならない。


誰もが同じ社会の一員であるという共感を広げることが必要だ。

それこそが、コロナ収束後の社会像を描くことにつながる。


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コロナと格差社会 等しく命守る共感の力を
毎日新聞 2020年5月8日
https://mainichi.jp/articles/20200508/ddm/005/070/054000c


■コロナ失業で「所持金1000円」…生活保護の申請、各地で急増 読売新聞 2020/05/31

2022-08-29 05:58:39 | 日記


■コロナ失業で「所持金1000円」…生活保護の申請、各地で急増

読売新聞 2020/05/31

https://www.yomiuri.co.jp/national/20200531-OYT1T50085/


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政府による緊急事態宣言が発令された4月、生活保護を申請する人が各地で急増していたことが明らかになった。


外出自粛や休業で経済活動が停滞し、生活苦に陥る人が相次いでいる現状が浮かび上がった。

宣言は解除されたが、経済の復調には時間がかかるとみられ、今後さらに申請者が増える可能性もある。 (田中文香、戸田貴也)


「仕事も住む場所もなく、不安だった。生活保護を受けられて安心した」。

東京都内の警備会社で働いていたもののイベントの中止が相次ぎ、困窮していた男性(49)は、胸をなで下ろした。


男性は、新型コロナウイルスの影響で警備の仕事が激減。

別の仕事を探そうと3月末に会社を辞めた。


ネットカフェやカプセルホテルを渡り歩きながら職探しをしていたが、4月に緊急事態宣言が発令され、転職先として期待していた企業の面接も中止に。

所持金も徐々に底をつき始めた。


東京都豊島区内の公園で行われた民間団体の相談会に参加したのを機に、区の福祉窓口に生活保護を申請した。

現在は都の支援事業に頼ってビジネスホテルで暮らし、来月にはアパートに移る予定だが、仕事のめどは立っていない。


男性は「他にも多くの失業者がいる今、仕事の奪い合いになるかもしれない」と不安を口にする。

生活困窮の相談を受け付けるNPO法人「POSSE(ポッセ)」(東京)など18団体が5月に行った電話相談では、相談者99人の2割が「所持金は1000円以下」と答えた。


20~30歳代の若い世代からの相談が目立つという。

職業訓練校をやめて4月から働こうと考えていた都内の男性(28)は、緊急事態宣言の影響もあって仕事が見つけられず、ネットカフェで寝泊まりを続けた。


今月、生活保護の受給が決まったが、「こんなに求人がなくなるとは思わなかった」と肩を落とす。

 

・京都、外国人客89%減…解雇や収入減に悲鳴

 

京都市では、4月の申請件数が388件と、前年比で1・4倍に増加。市観光協会が市内のホテル59施設を対象に行った調査では、3月の外国人宿泊客数が前年比で89%減少したといい、タクシー運転手や宿泊施設の清掃員、飲食店経営者らの申請が相次ぐ。


「解雇された」「月収が半減した」と、窮状を訴える声が後を絶たないという。

仙台市でも、4月の申請は前年比1・4倍の193件に増えた。


相談は826件で、前年の2倍以上となっている。

市によると、2011年の東日本大震災後も、収入減などで生活保護の相談に来る人はいたが、当時は全国から多くの義援金が寄せられた。


同市宮城野区保護課の担当者は「今回は収入の補填ほてんが少なく、申請や相談はさらに増えそうだ」と語る。

 

・夏に申請の「第2波」か


厚生労働省によると、収入減で家賃を支払えなくなった人に一定期間、家賃相当額を支給する「住居確保給付金」の申請は、4月に8700件に上った。


こうした公的支援に頼って生活を維持する「生活保護予備軍」は多いとみられる。


貧困問題に詳しい明治大の岡部卓専任教授は「生活保護申請の4月の急増は『第1波』で、今後貯金を取り崩して生活する人が仕事を得られず、夏に申請の『第2波』が来る可能性がある。生活保護や給付金の相談を1か所で受け付けるワンストップ窓口を市区町村に設け、国や都道府県が財政支援や職員派遣をする仕組みが必要だ」と提言している。


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■コロナ失業で「所持金1000円」…生活保護の申請、各地で急増
読売新聞 2020/05/31
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200531-OYT1T50085/

 


■17歳少女を襲った“悲劇”言葉を失う子宮頸がんワクチンの副作用 「娘を助けて」母親の悲痛な叫びに… 産経ニュース(2015.7.2)

2022-08-28 06:44:04 | 日記

 

■17歳少女を襲った“悲劇”言葉を失う子宮頸がんワクチンの副作用

「娘を助けて」母親の悲痛な叫びに…

産経ニュース(2015.7.2)

https://www.sankei.com/west/news/150702/wst1507020007-n1.html


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けいれんや嘔吐(おうと)、全身の痛みなど、さまざまな副作用の報告が確認されている子宮頸(けい)がんワクチン。

特に重篤な副作用に苦しんでいる奈良県三郷町の高校2年の少女(17)と会って言葉を失った。

4年前に予防接種を受けたが、手足のしびれや記憶障害、さらには知的障害の症状も…。

国はワクチンとの因果関係について「調査中」と説明するばかり。

そんななか、地元の町は6月から独自の支援に乗り出した。

「理解者がほしかった」と母親(47)は安堵の表情を浮かべたが、少女には治療の糸口すらつかめない。(浜川太一)

 

・計3回接種…会話できない状態に


6月11日夜に少女の自宅を訪ねると、少女は母親に両肩を支えられ、足を引きずりながら姿を見せた。

脚の関節がうまく動かせない様子で、目には真っ黒なサングラスをかけている。

「目が痛むらしく、光を嫌うんです」と母親が教えてくれた。

「こんばんは」と声をかけると、少し表情が和らいだように見えたが、返事はない。

「あいさつは?」と母親が促したが、少女は無言のまま腰を下ろした。

母親は「今はあまり会話ができない状態です」と説明する。

少女が町内の個人病院で最初のワクチン接種を受けたのは、中学1年だった平成23年10月。

学校からワクチン接種を勧める案内が届いたのがきっかけだった。

ワクチンは、がんを引き起こすヒトパピローマウイルス(HPV)感染を防ぐ効果があるとして、平成22年度に国が「ワクチン接種緊急促進事業」として助成を開始。
HPVは性交渉による感染リスクが高いため、10代の少女への予防接種が効果的とされてきた。

だが、少女は接種からわずか2日後に体調を崩し、1カ月間も学校を休んだ。

これまで大きな病気にかかったこともなかった少女は会話も減り、部屋で横になっていることが多くなった。

母親が製薬会社や町に問い合わせても、「副作用ではない」との回答が返ってきた。
しばらくして少女の症状が少し収まったため、あまり気にも留めなかったという。

少女はその後、案内に従って同年12月と翌24年3月の計3回接種。

だが、そのたびに腹痛や腰痛など原因不明の症状に苦しんだ。

 

・卒業式も受験も欠席、ついにはけいれん


急激に悪化したのは中学3年の9月。

腰痛がひどくなり、脚を引きずって歩くようになった。

痛みは長引き、中学校の卒業式も出席できなかったほど。

人生の分岐点となるはずの高校受験の日も、身体を全く動かすことができなかった。

当時は副作用による症状とは分からなかった母親は、何をやっても起き上がらない少女に「何考えてるの。もう知らん」と言い残して仕事に出た。

「今思えば、あのときも相当しんどかったのかも…」。

母親は手に持つハンカチで目を押さえながら、自身の言葉を悔やんだ。

少女は自宅近くの高校に何とか合格したが、症状は悪化するばかりだった。

「頭が熱い」

昨年7月の夜、少女が突然、苦しみだした。

「顔に扇風機を当ててほしい」と訴えたが、その後、少女は激しくけいれんを起こした。

ついには失神し、記憶障害にも襲われた。

母親は必死で県内の病院を回ったが、医師から告げられたのはあまりにも辛い言葉だった。

「これは精神的なもの」「お母さんがしっかりしてあげないと」

ようやく入院することができたが、ベッドに横たわった少女の身体には無数の点滴の管がつながれた。

人工呼吸器をつけられて話せない少女は、「早く家に帰りたい。家族に会いたい」とノートに書きつづり、足が動くことを何度もアピールしていたという。

入院後初めての外泊が認められたのは、約2カ月後の昨年9月。

久々に訪ねた高校で、担任の教師は「やせたね」と言って涙を流した。

だが、少女は自分の教室の場所や友達の顔、自宅への帰り道も忘れていた。

2度目の外泊で8日ぶりに帰宅した際には、玄関で靴を脱ぐことを忘れ、土足のまま部屋に上がった。

翌日の朝食に母親がバナナを渡すと、少女は皮ごと口に頬張った。

 

・「特に重篤」町が独自支援を始めたが…


慕っていた祖母の勧めで、将来は介護職に就く夢を持っていた少女。

だが、日々の生活や家族、友達との思い出…たくさんの記憶が少女の頭から少しずつ消えていく。

発症前は買い物の荷物を進んで持ち、母親の背中を力強く押して隣を歩いていたのが「夢のような出来事だった」と母親は振り返り、言葉を詰まらせた。

少女が暮らす三郷町では、少女の深刻な状況を受けて、今年6月から医療費などを支払う独自の助成制度を始めた。

同町が任意でワクチン接種を始めた平成22年10月までさかのぼり、医療費の自己負担分を全額支給。

加えて、通院・入院した月に限って医療手当月額3万4千円を支払う。

町は、国が進める積極的なワクチン接種の働きかけに沿った形で無償で実施してきた。

昨年6月に横浜市が因果関係が不明でも自己負担分などを支給する全国初の救済措置に乗りだし、現在では全国11市区町と神奈川県が独自支援を行っている。

町担当者は「全国的に独自支援を開始する自治体の動きや少女の重い状態など、さまざまな状況から支援を決定した」と説明する。

日本で年間約2700人が死亡する子宮頸がんに予防効果があるとして国が積極的に推奨してきたものの、現在は積極推奨は行っていないワクチン接種。

厚生労働省によると、昨年3月末までに約338万人が接種を受けており、うち2475件の副作用報告があり、うち617件が重篤という。

患者の家族らでつくる「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」の池田利恵事務局長(56)によると、「少女は連絡会に登録されている患者の中でも特に重症」という。

国はこれまで、有識者による検討部会などを開いて対策を進め、現在は47都道府県でワクチンの副作用についての相談や診療が受けられる計70の医療機関を選定、整備した。

同時に、これまでに報告された副作用症状に関する追跡調査を実施している。

心身ともに著しく成長する時期に、副作用に苦しんでいる17歳の少女の状態は深刻。

少女を含む4人の子供を女手一つで育てている母親は医療事務の仕事で生計を立てているが、「一刻も早く原因を究明し、娘を助けてほしい」と目に涙を浮かべながら悲痛な声をあげた。


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■17歳少女を襲った“悲劇”言葉を失う子宮頸がんワクチンの副作用
「娘を助けて」母親の悲痛な叫びに…
産経ニュース(2015.7.2)
https://www.sankei.com/west/news/150702/wst1507020007-n1.html