三省堂の広告

各新聞に大きな広告が出された。三省堂の「新明解国語辞典」の第七版出版に関連した広告である。例えば「恋愛」とか「凡人」とかの解説が非常にユニークであることを強調している。「凡人」については「自らを高める努力を怠ったり功名心を持ち合わせなかったりして、他に対する影響力が皆無のまま一生を終える人」など(これは私がもっている第四版でも同じ)。
ちなみに広辞苑では「特にすぐれた所のない、普通の人」とある。特別面白くない「普通」の説明だ。だから「凡人」は「新明解」の方が面白い。

では、いつも使っている語、たとえば「右」はどう説明しているか。新明解第四版では「アナログ式時計の文字盤に向かった時に、一時から五時までの表示の有る側」(「明」という漢字の「月」が書かれている側と一致)とある。ちなみに広辞苑では「南に向いた時、西にあたる方」とある。

小言をいうなら「アナログ時計」って何だ、いまこういう時計をもっていない人もいるし、「一時」でなく「1」だったり「Ⅰ」だったりすることもあるだろう。広辞苑でいえば、「南」は「日の出る方に向かって右の方向」とある。右は結局何だろう。

続いて「東」は、「新明解」では「春分の日の朝、太陽の出る方角の称」とある。「春分」とは3月21日ころとあるから、何となく分かる。しかし「称」という語が分からないことだってあるだろう。
 広辞苑では「四方の一つ。日の出る方」とある。

地球の南半球にいた日本人はどういう理解ができるのだろう。

辞書というのはこういう笑うべき説明をもっているからアラ探しも面白いかも知れない。もしヒマであれば。

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