働き方改革? (安倍首相の施政方針演説)

安倍首相は今年1月の施政方針演説で次のように言った。(これについてのコメントは1月24日のこのコーナーを参照していただきたい。「スバラシイ?安部演説」?)。

あらためて演説の主要部分を引用してみよう。

二 働き方改革
 「働き方改革」を断行いたします。
 子育て、介護など、様々な事情を抱える皆さんが、意欲を持って働くことができる。誰もがその能力を発揮できる、柔軟な労働制度へと抜本的に改革します。戦後の労働基準法制定以来、七十年ぶりの大改革であります。…
 所得税の基礎控除を拡大する一方、サラリーマンなど特定のライフスタイルに限定した控除制度を見直すことで、働き方に左右されない税制へと改革します。
 我が国に染みついた長時間労働の慣行を打ち破ります。史上初めて、労働界、経済界の合意の下に、三六協定でも超えてはならない、罰則付きの時間外労働の限度を設けます。専門性の高い仕事では、時間によらず成果で評価する制度を選択できるようにします。
…働き方改革は、社会政策にとどまるものではありません。成長戦略そのものであります。ワーク・ライフ・バランスを確保することで、誰もが生きがいを感じて、その能力を思う存分発揮すれば、少子高齢化も克服できるはずです。
 新しい時代を切り拓く「働き方改革」を、皆さん、共に、実現しようではありませんか。


戦後70数年間続いてきた「労働条件」の抜本的改正を図るというのだ。そしてこの線上で安部首相は、「裁量労働」の問題をとりあげた。それぞれの労働者の事情に応じた働き方を進める。これを行うための法改正を遂行するという。

しかし労働者側では(もちろん安部氏に賛同する人たちもいるだろうが)、安部裁量労働に反対する動きが高まっている。
政府の構想に経団連は賛同している。つまり資本家(使用者)側にとっては好都合になるわけだ。

安部首相の労働政策が進む中で、労働者の受ける困った問題が常に明らかになっている。所得格差の進行、過剰労働による疲弊、賃金の低さによって困窮の問題はいっそう深刻になっていく。
現実は安部首相がいうような進行展開ではないだろう。反対の方向ではないか。
安倍首相の発言は古典でいう「巧言令色」に属するのでは。
辞書には、「うまいことばと愛想のいい表情。上手にしゃべり、顔色を和らげて、人にこびへつらうことのたとえ」とある。
本当の意味の政治家は「巧言令色、鮮(すくな)し仁」と評価されるように実践することだろう。
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