超空洞からの贈り物

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高速撮影に適した焦点調節技術開発

2009年02月27日 19時54分11秒 | Weblog
スポーツ選手などの非常に素早く動く被写体にピントを合わせることが難しく、シャッターチャンスを逃した経験はないだろうか。東京大学情報理工学系研究科の奥寛雅・助教らは、液体の界面を利用することで焦点距離を2ミリ秒(0.002秒)という短時間で調節可能なダイナモルフレンズを開発した。実用化されれば、素早く動く被写体でもシャッターチャンスを逃すことなく撮影できるようになるかもしれない。

現在、カメラなどで使われているオートフォーカスは、複数枚を組み合わせたレンズ群を機械的に動かすことで焦点距離を合わせている。そのため、焦点を合わせるのに早くてもコンマ数秒程度の時間がどうしても必要で、それ以上の高速化には限界があった。

そこで、液体界面を屈折面とした可変焦点レンズ技術が注目を集めている。液体界面は、変形が容易で、理想的には形状が球面となるため可変焦点レンズの屈折面に適している。また、表面形状のわずかな変化のみで焦点距離を大きく変えることが可能で、高速化が可能だからだ。

奥助教らは、ピエゾ圧電効果を応用しナノメートルからマイクロメータで位置決めができる積層型ピエゾアクチュエータを利用した高速焦点調節を実現する駆動原理と、実用的な収差量の可変屈折面である液・液界面とを組み合わせることで、高速かつ高解像力の可変焦点レンズ(ダイナモルフレンズ)を開発した。ダイナモルフレンズは、堅い容器の内部に2種類の互いに混ざらない液体を入れてあり、その液体同士の界面がレンズになる。積層型ピエゾアクチュエータが伸縮することで界面(レンズ)が変化し焦点を合わせることができる。

この研究は新エネルギー・産業技術総合開発機構の研究助成事業として行われた。

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