超空洞からの贈り物

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ガラパゴスに危機が…

2009年01月01日 10時19分13秒 | Weblog
200年前、今も科学や思想に大きな影響を与え続ける一人の学者が生まれた。進化論を提唱した英国のチャールズ・ダーウィン(1809~1882年)。50歳で著した「種の起源」は世に初めて進化論を問うた。当時の欧州では「神がすべての創造主」とするキリスト教の教義が絶対だった。進化論は逆風にもまれながら、「人間の存在や生命観をどうとらえるか」という視点の大転換を生み出した。分子レベルの探索に到達した現代生物学も、ダーウィンの着想が基礎にある。思索の足跡をたどった。

 この群島の生物は特色がいちじるしく、よく注意する価値がある。多くの生物はその土地固有のもので、他所にはどこにも見ないものである。

 南米エクアドルの西約1000キロ。ガラパゴス諸島は赤道直下の太平洋に浮かぶ。1835年9月、19の主な島と多数の岩礁からなるこの地に、26歳のダーウィンを乗せた測量船ビーグル号が到着した。眼前に現れたのは、他のどこでも見たことのない生き物だった。巨大なゾウガメ、海中を1時間も潜るイグアナ、高さ10メートル以上に成長するキクの仲間……。好奇心を刺激してやまない自然の中で、ダーウィンは「島ごとに異なる種類の生物が生きている」と気付く。カメの甲羅の形や小鳥のくちばしに表れた差異は、なぜ生じたのか。その疑問が「進化論」の萌芽となった。

 サボテンの足元に、黄色い物体があった。体長1メートル以上のガラパゴスリクイグアナだ。周囲に少し小さなメスもいる。物思いにふけるように、じっと動かない。青い足が特徴的なガラパゴスアオアシカツオドリも人が近づいても逃げずに平然とたたずんでいる。爬虫類や陸生の鳥の9割、海鳥の6割、原生植物の4割、魚類の2割が固有種か固有亜種という。

 特異な環境と生物相から、ガラパゴス諸島は78年、最初の世界自然遺産に登録された。類のない「進化の実験場」と呼ばれ、世界中から観光客が訪れた。だが、貴重な生態系は荒れ始めた。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は07年、緊急対策が必要な危機遺産とした。稀有な実験場は存亡の瀬戸際に立っている。

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