2012年5月6日(日)、 初めてのフランス旅行。
千歳空港では「北海道大試食会」なる催事を発見。
ラーメンからスイーツからワイン、お味噌汁、ホタテにアスパラ、あらゆる物を試食サイズで食して周る。
幸先良いじゃん!と調子に乗り始める。
5/6、13:30 MU280(JLとの共同運航便)にて 札幌(千歳)~上海浦東(PU DONG)空港へ
現地時間15:50 上海到着。
中国人空港スタッフの傍若無人な接客に目が点になりっぱなし。
サービスとはなんだ? おい、なんだと思う? などと問いたくなる。
現地時間23:55 MU553(JLとの共同運航便)にて 上海~パリ(シャルル・ド・ゴール)へ
現地時間06:30 フランス到着
CDGの
ターミナル2に到着。
空港内を迷いに迷ってやっと
エールフランスのバスに乗りこみ、そして市内へ。
エトワール駅にて券売機の故障だのすったもんだトラブルに遭いながらもメトロ13番に乗りこみ、無事到着。
「ホテル・ド・パリ」を目指すがロータリーに苦戦してまたもや彷徨い、
新聞スタンドのおばあちゃんに尋ねたりしてやっと到着。
9:30 ホテル到着。
チェックイン後、
部屋で24時間以上ぶりに歯磨きをする。
シャワーにも歓声を上げる。
メイクを施し洋服を着、そうしているうちにルーブルへの期待がドンドン高まる。
何気に持ったバッグが若干軽い事に気づく。
・・・・・。
財布が無いと、気づく。 へっ?っとなる。
どこにも無いんだと理解するまでにかなりの時間を要する。
信じられない・・・。
頼みのクレジットカード3枚と300ユーロを失う。
手元には
200ユーロの現金のみ。
フロントに行き事情を話す。
英語が話せる
フロントのおっちゃんが警察へ電話をかけてくれた。
「とにかく先ず、カード会社に電話をするんだぜ」的な指示をもらう。
カード会社に連絡するも日本語対応は1社のみ。
フランス在住の友人に電話をし、手続きをお願いし、その他いろいろ助けてもらう。
通りには案外と公衆電話がある。
利用しようと入るがクレジットカードまたは
テレカしか使えないと「絵」が掲げられている。
テレカの自販機を探す。
が、そんな物は見つからない。 日本の感覚で居てはダメだと実感する。
近くのお兄さんに「テレカは何処で買える?」と尋ねる。
「タバコ屋だぜ」と教えてもらう。
タバコ屋を探す。 やっと見つける。 テレカを買う。
日本語対応のカード会社は何故かずっとお話し中。 カードを停められない。
残り2枚のカードのうち1枚は停められたが、もう1枚ができない。
それは「登録が無い」との理由。
持ってきたカードが何だったのか…。
その時点で全てにおいて自分が信用できなくなる。
こっちまで来てくれると言う友人を待つ為14:30からメトロの駅付近に立つ。
何故か視線が気になる。
若いイケメン外国人がニコニコと長女に近寄ってきた。
「○×△○・・・?」 なんじゃらかんじゃらと言っているがフランス語なので意味不明。
英語で頼む、と答えたら、「マッサージ?」と言ってきた。
わ! 違うからっ! って感じでダッシュでその場を去る。
15:00 友人にやっと会える。 ホッとして泣きそうになる。
そしてその後は処理に追われる。
18:00 警察で事情聴取を受ける。 被害届けにサインをして完了。 保険適用用の書類を3通受け取る。
友人にパリ市内を案内してもらう。
デニッシュと
コーヒーをご馳走してもらう。
さすがにあまりノドを通らない
セーヌ河をはさんで立ち並ぶ全ての景色について説明をしてくれる。
のんびりと、左岸から橋を渡りシテ島でノートルダム大聖堂を見上げ、
サン・ルイ島に渡る。
美味しくて評判だったタルトは人の肉だった、の中世の怪奇事件も教えてもらう。
夕食をごちそうしてもらう。
10時を過ぎても外は全然明るい。
ホテルまで送ってもらう。 水を買ってもらう。
こうしてフランス旅行初日が終わった。
5/8、6:10 「ロワールの古城一日観光」のオプショナルツアーに参加するためホテルを出発。
メトロ13番に乗り、途中の駅でメトロ1番に乗り換え。
の予定だったが。
メトロ1番のホーム入り口に黄色いテープが張られ閉鎖されている。
フランス語表示しか無いため訳が分からず、駅構内を右往左往する。
封鎖の理由は祝日の為だと後から知る。
駅員を見つけ目的地までどうすれば行けるかを問う。
乗り換えをいっぱい説明されたが時間が無いと訴えると「んじゃ、タクシーしか無いな」と言われたので従う。
地上に出てもタクシー乗り場は無く、時々流しているタクシーに乗りたいと思うが停め方が不明。
近くに朝礼中の石原軍団的ポリスマン集団を見つけたので走って聞きに行く。
優しそうなイケメンを選んで「タクシースタンドは?」と聞く。
無事、黒人で老眼ドライバーのタクシーを見つけ、「急いで!」と映画さながらに叫び、集合場所に到着。
「
シュノンソー城」「シュベルニー城」「
シャンボール城」を周る。
その素晴らしさに昨日の事件を忘れる。
20:00 解散後、ルーブル前のバス停から95番のバスに乗りホテルへ戻る。
途中、ちょっと怪しげな食品店に寄り、飲み物を買う。
その夜はぐっすり眠れた。
そして自分を取り巻いた初日の記憶が怒涛の如く蘇ってきた。
お財布を抜かれたのはエトワールの改札口だとハッキリ分かった。
スッキリした。
5/9、7:30 「ヴェルサイユ宮殿と朝市マルシェ」のオプショナルツアーに参加のためホテルを出発。
68番のバスでパレ・ロワイヤルへ向かう。
集合まで時間があるのでルーブルの外観をたっぷり楽しむ。
ヴェルサイユ宮殿では1時間程度しか見学時間が無く、せっかくの音声ガイドも最後まで聞けない状況。
ヴェルサイユ宮殿をちゃんと知るには最低でも2日間は必要だと痛感する。
続いてバスで20分程度移動して、どこやらのマルシェへ。
0.75ユーロのバゲットを買い、むしり取って食べながら見て周る。
フルーツも野菜も食べてみたい…。
だが貴重な現金をフルーツに使うわけにいかない。
13:00 リボリ通りにて解散。
歩いて「ボン・マルシェ」の
食品館へ向かう。
70ユーロしか使えないから脳みそフル稼働で計算しながらお土産を買う。 疲れる。
買った荷物を置きにホテルに戻る。
乗ったバス、途中で「全員降りろーっ!」的な事をフランス語で言われ、事情も分からぬままスゴスゴと降りる。
事件なのか事故なのか、この後はどうなるのか、「今度はなんだよ…」と嘆いていると次のバスが来て、とりあえず乗ってみる。
無事にホテル到着。
フロントのおっちゃんが帰りの空港までのタクシーを手配してくれる。
その場でチケットをくれる。
が、それをカウンターに置き忘れ、後で会った時に「No!No!」と呆れられる。
「そんなんだから財布もスラれちゃうんだぜ、気をつけな。」的ニュアンスが伝わってきた。
17:30 友人との待ち合わせ場所オペラ座へ向かう。
早く着いたので近くの
ラファイエットなる百貨店に入る。
日本語の話せるスタッフが普通に居てくれる。。。 嬉しい。
18:00 オペラ座の前で変な署名を迫られる。
が、そこは落ち着いてそして断固として「NO!」と言い張る。
再びパリ市内を案内してもらう。
昭和の香りのするパッサージュを通り抜けたり、carrefourなるスーパーでお買い物をしたりする。
その後、行列のできる有名レストランでまたまたディナーをご馳走になる。
エスカルゴを初めていただく。
デブなネギやビッグなエビをいただき、
鯛 が丸ごとド~ンのメインを堪能。
デザート、いろいろ迷って梨のソルべをチョイス。
そしてそれは素晴らしく美味しく感激。 忘れられない。 もう一度食べたい。 絶対に食べたい。
パレ・ロワイヤルの中庭をのんびりと歩き、その後の「イルミネーション」ツアーの集合場所へ。
とにかくとにかく助けてもらった友人とはココでお別れ。
財布を失った時「貸してあげる」と言ってくれたのを、そこまで甘えてはホントに申し訳ないと断ったけれど、
後々よく考えると借りれば良かった。
そうしたら、ディナーやらチケットやらデニッシュやらドリンクやら、そういうの全部自分たちで買えたのに。
借りなかったから全部を負担させてしまった。 ごめんなさい。
でもなによりありがとう。
22:00 「パリ・イルミネーション」ツアーバス出発。
まだ明るく、でもボチボチ暗くなりライトアップされるパリの市内をバスで周ってくれるツアー。
前日の終戦記念日の名残で国旗がまだ掲揚されている
凱旋門と、
1時間に1回5分間だけキラキラチカチカと光る
エッフェル塔の2箇所で下車。
その後は再び市内観光をしながらホテル(近く)までバスを走らせてくれる。
5/10、7:30 ホテルのレストランでの初めての朝食。
バゲットとクロワッサンとコーヒーだけ、でも石造りのその空間でいただくソレラはとってもとっても美味しく、
フランスの歴史と香りと日常を一度に味わえたのでした。
9:40 ホテル前からタクシーに乗り空港まで。
タクシードライバーはアラブ系のロン毛のおっちゃん。
運転中ずっと「っちぇっ! っちぇっ!」と舌打ちをしている。
パリ市内の渋滞にイライラしてるのかしら、と助手席に座りながら怖くてビビル。
高速に入ると、車もホントに高速。 さらなる恐怖にさらされる。
11:00
シャルル・ド・ゴール ターミナル2Eに到着。
エール・フランスの空港スタッフはとてもステキで優しい。
チェックインを滞りなく英語で済ませる。
セキュリティチェックエリアにて靴を脱がされ、ソックスのみで歩く。
テロリストの可能性はゼロじゃないしね。
空港見学を楽しむ。
2人合わせて手元にある60ユーロでお買い物をする。
計算しながらのハズだったがレジで72ユーロと言われて目が飛び出る、汗が吹き出す。
小銭をジャラジャラと出し、なんとかギリギリ支払えた。
結局残ったのは、1ユーロのコインと30セントだけ。 年度の予算を使い切った的な爽快感に見舞われる。
13:40 MU554にて上海浦東空港へ向かう。
現地時間07:00 上海到着。
フランス時間では完璧に真夜中なので眠らずにいられない。
出発ロビー内の3席を使って思いっきりノビノビと寝る。
持っていた日本円4000円を元に両替する。
230元になった。
ちょっとだけお買い物を楽しむ。
13:25 MU279にて上海~札幌(千歳)へ向かう。
17:30 千歳空港到着。
税関で荷物を開けようとすると税関スタッフさんに「ぁ、結構ですよ」と言われる。
ついでに「姉妹で行かれたんですね」などと思いっきり嬉しい事を言われる。
日本人のサービスは世界一だとつくづく感じる。笑
千歳に置いておいたマイカーで自宅まで。
無事自宅に着いて、日焼けして顔を真っ赤にした次女ちゃんを見て驚く。
そして日常へと戻っていく。
添乗員さんの姿はまったく無い、万事を自分たちの手で頭で勘で乗り切って行動したフランス旅行。
パリの本当の暮らしに触れられた気がする。
メトロの乗り方もバスの乗り方も市内の距離感も公衆電話のかけ方も、
テレカの買い方もパンや水の買い方も分かった。
警察にも行ったしスーパーにも行った。
ほかにもいっぱいいっぱい、ツアーでは体験できない事を見たり聞いたりした。
次回は独りでも行けるんじゃん!くらい思っている。
なんの心配も無く、あちらこちらを楽しむツアーももちろん良いけれど、でもコレはコレで楽しかった。
ま、それも結局は友人の助けがあったからなんだけど。
持つべきは良き友人。 結論はソコですな。