ねこに ねこじゃらし

ねこのそらの話を中心に、ぽつぽつゆっくり更新しています。

猫返し神社  お参りしたらmomoが帰ってきました

2013年09月16日 | 日記



  2008年もあと数日と押し迫った寒い時期、momoがいなくなりました。

   家の外に出たことがなかったコが、どこでどうしているかと、

     いてもたってもいられない日々でした。




    ちょうど仕事が休みに入ったので、年賀状作りからチラシ作りに変更して、
    近所中のあちこちに貼りつけ、近隣のペットクリニック数軒にも掲示してもらい、
    好物の乾しカマと大きな袋を持って、毎日毎晩探し回りました。
    



        


    猫を探しているからなんでしょうけど、こんなにと思うほど、たくさんの猫と会いました。
    「momo見なかった?」ときくと、何か伝えたそうな顔をしたり、
    ついておいでと言われてるようでついていってみたり。


    大掃除の時期で、多くの方が家の外にいたので、声をかけると
    「あの家の人なら知ってるかもよ」「見つかるといいですね」と
    猫好きな方が多いことに、嬉しくなったりもしました。


    息子の友人からも何度か、momoらしき猫を見かけたとメールが来るので、
    家からそう遠くないところにいそうなのに、momoは帰って来ません。 
    その代わり、昨日紹介した猫たちは、しょっちゅう姿を見せるのです。


    休日が終わってしまい、momoにはわたしの仕事初めなんて関係ないか、
    と思いながら職場に戻り、昼休みに話すと、
    「猫返し神社って知ってる? お参りに行ってみれば」と言ってくれた人がいました。


     そのすぐ近所に元彼がいた偶然もあるようですが、、
     ジャズピアニストの山下洋輔さんの猫が、お参りしたら帰ってきたという話は、結構有名だよと言うのです。


     仕事から帰ると夜のmomo探しは続けましたが見つからず、週末にその阿豆佐味天神社に行くことにしました。
     家からは電車とバスを乗り継いで、1時間ほどで行ける場所にあったのです。


     そこは予想以上に大きな神社で、いくつかの神社と水天宮も境内にあり、
     ちょうど戌の日に当たっていたので、遅い初詣の方と大勢の妊婦さんで賑わっていました。

 
     奥へいくと静かな陽だまりに、マフラーを巻いた猫の像が見えて
     その横の絵馬に目をやると、たくさんの人の、いなくなった猫への願いが胸ってきました。
     もう一度会いたいという一心で、ずいぶん遠くから来た方もいました。


    

     
     蚕影神社というのが猫返し神社の本当の名前です。
     養蚕が盛んだった頃、蚕の天敵であるネズミを捕まえることから、猫を守り神にしたそうです。


     どうかmomoが帰って来ますように。
     もし、帰って来なくても、どこかで元気に生きていますように。


     お参りし、絵馬にmomoの写真を貼り、
     「おかげさまで帰ってきました」という報告の絵馬にあやかれるように、
     もう一度手を合わせました。
     


  
    

   

     「ただいま猫」を、他に人がいないのをいいことに、何度も撫でてから帰りました。



     それから2週間後の週末。
     近所で買い物をしていたわたしの携帯に娘から電話が入りました。


     「momoがいたって!  今、電話もらったから、わたし迎えに行ってくるね!!」


     なんて返事したんだったか、もう覚えていません。
     家に帰ると、ガリガリにやせ細ったmomoが、怒ったように泣いて擦り寄ってきました。


     こらこら~、怒るなよ。出てったのはmomoでしょ。
     抱き上げると、細さと軽さに、涙がでました。
     その日、momoはずっと夜まで、膝の上で眠り続けました。



     momoは、やはり直線で数十メートルしか離れていないところにいました。
     知らせてくださった方は、よくその方の庭の、植木棚で寝ているmomoを見かけたそうです。
     そのときは、すぐ近くの野菜の無人販売所の空っぽのかごの中で寝ていたそうで
     わたしが貼ったチラシを見直し、「アナタmomoちゃんていうの?」と声をかけたら
     momoが返事したそうで、お電話くださったと言うのです。


     momoが帰ってきたのは、家出してからちょうど1ヶ月。
     真冬の時期なのに、体調も崩さず、
     幹線道路を何度も渡る姿を目撃されましたが、幸い無事でした。


     探してる最中に、外に出さないからと言って、首輪を付けなかったり、避妊手術もしていなかったことを
     咎めてくださった方がいました。

     「本当に猫を大事にしたいと思うなら」
      その言葉は、何匹も飼ってこられた経験からのアドバイスでした。
     

             


     帰って来たmomoの報告をしにクリニックに行き、体調を診てもらい、手術を申込みました。
     首輪もあれからは、必ず付けています。



     猫返し神社にももちろん、お礼に行きました。
     初詣や、そちら方面に出かけるときは立ち寄ってお参りしています。

   


     いつもたくさんの絵馬に、momoがいなかった日々の辛さを思い出しますが、
     でも、大丈夫ですよ、きっと帰ってきますよ、と心の中で応援しています。




    今日は台風18号が吹き荒れています。
    今も、あの時のmomoのように家に帰れなくなっているコがいるかもしれないと思うと
    こんな神社がありますよ、とお知らせしたくて、書くことにしました。
     
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