鉋刃。。3段研ぎで仕上げてある。
父の仕事をアルバイトで、19歳の時、kazは、既に鉋刃をとりあえずきちんと研げた。
それは、小学生の頃から 愛用していたナイフをいたずらに刃物を研いだり包丁を研いで 料理を手伝ったり…そんなことが楽しかったから…
研ぐ事は、繊細な性格や大胆な性格やナーバスな性格にピッタリマッチする。。
例えば、使用したら毎日研いでいると、刃角 がのろくなる(鋭角になる)。
それをまた29度未満に刃を立てて新たに刃を付ける。
更に、限りなく直線 かつ 左右直角、左右対象 となるように 研ぎながら刃物を押す指先の力を変えて また、砥石と刃物が研ぎ付く 音色 と指先からの微細な振動から、 鋼 の硬さ 粘り、地金 の硬さと粘り… 次いで 砥石の硬さ と…
刃先 何ミリ辺りが、正に今、この瞬間研がれているのか… 音色で見える。
上記した全ての情報が、研ぎながら 感じられては、
また、指先で 補正しながら 研いで行く。
目隠ししたり 目を閉じて 自己トレした事もある。
いつしか、傍で 他人が研いでいる 音色だけで、
砥石の番手、また、刃物の硬さ などが、方言のイントネーションでネイティヴが解るようになってしまっている…
わたしは、刃物を研いだら 刃先には触れない。
次に研ぐまでは。
刃先に触れたら 直ぐに研ぎ直す。
邪気が入るような気がするから。
この 「気がする」 は、最大の武器だなぁ~といつも思う。
今では、親方である父の刃物も、kazが丁寧に調整し直して研ぐ。
二十歳頃は、気持ち悪いからやめてくれ!と言われていたが、今では手が空かない時は必ず任される。
お手伝いに来てくださっていた宮大工さんの鑿、鉋も、よく研いで差し上げていた…
「大丈夫、自分の道具だから、自分でやる」
そんな事も言われない というのは、なんと言うか、嬉しいような寂しいような…
そんな時代に 今を生きている。。
刃物は、テーブルなどに 直に置かない。
硬い材質に 刃物は置かない。
工作中は、表を下にひっくり返して、飽くまで
刃先が、工作される材料以外には、次に研ぐまでは当てない。
「気持ち悪いから」
気持ち悪いから は、大切な感情。
なぜなら、「とても気持ち良い」を知っているのだから。。
針先で引いた線を鑿で切れるように。。
鉋は、もっと深い。
昨年、宮大工師匠からアドバイスを受け、更に 今まで培った研ぎ に、 応用 発展させて 三段研ぎにいたしました。
冒頭の写真の刃先には、段差が見えないでしょう。
が、刃先の 鋼(ハガネ)が、鈍く黒光りしながらクッキリと浮かび上がっています。
実は仕上げの段階で1~2/1000ミリ程、立ち上げて研ぎ上げています。
研ぎながら ハガネにのみ 仕上げ砥石が掛かる様に 音色 を聴きながら、また 感触を頼りに。。
すると、肉眼では段差は全く見えず、かつ、ハガネにたっぷりと刃先を付ける訳です。
さらに、まだあります。
更に、刃先先端を特別な角度に します。
これは、光を当て、肉眼で一瞬見えるか見えないか、同じく2/1000くらい。。
これで、三段研ぎです。
先程の写真の鉋刃で、
指で摘んだティッシュペーパーをそのまま、ふわり と宙ぶらりんのまま、そこに 鉋刃で かすらせる。
かすっただけで、乱れなく、スーっ と、音を立てて一瞬で切れる。
これを、新しいカッターナイフでお試しください。
まず、間違いなく カッターナイフでは切れない。
医療用メスでもここまでは無理でした。。
さてさて、余談はさておき、
昨夜、お付き合いいただいています演奏家の方からメッセージをいただきました。
わたしは、その深いメッセージ内容に感動したのです。
わかるひとは 居るんですね。。
で、是非、わたくしkazからリードメイキング用に道具を購入された方々、研ぎをレクチャーしますので、連絡ください。
実に、リードメイキングに関しては、また別の研ぎ方があります。
リードナイフ を購入してお持ちの方々、何もpipe楽器だけでなく、オーボエのメイキングをされている方も、お問い合わせください。
1/1000ミリ削ると、数Hz 動きます。
海外のリードメーカーのVTRなどでは、カッターナイフです。
ティッシュペーパー如き、鉋屑よりずっと厚みがある。
日本の刃物 や 我々 「気」を使ってるモノづくりの人のあり様は、根底から異なる為、必ずや その違いが歴然とした音色に顕われると わたしは考えています。
つらい時も、悲しい時も、どんな時も 刃物を大切にしてきました。
バカです。 通称 キチガイ と言われます。
来月は、かの賛否両論ある 名刀鍛冶の鉋
25万円の鉋がkazの手にやってきます。
楽器に使えてしまう金額ですが、楽器を買ってしまったら終わってしまう…
かの、心理学者ユング の様に 内的な曼荼羅を ゆっくりゆっくり確かな力に導かれて 広大に やっていくのが いい。。
25万円の鉋で楽器をこしらえる。
買ったら、調整。
調整したら、刃を付ける。
刃を付けたら 鉋の台を調整する。
鉋を使えば、台を調整する。
すると今度は 刃を 直し直し使う。
使ってる内に どんどん切れる様になる。
それを繰り返して居る内に…
何かを成し遂げて わたしも 土に還る。。
縁 というのは、不思議なものです。
その鉋や、日頃愛用している鑿は、父が15歳の頃に出会ったと。。
ですから、父は50年以上使用してきた。
わたしが、今度は その道具屋さんと付き合う。
そのお店は、ネット上には公開していない。
素晴らしい‼️
しかも、不思議な縁 なんです。
その金物店主、2代目となり、ヴァイオリンなどの製作関係の道具を 得意とし、
我が工房で長年使用している鑿が、 やはり、楽器製作者に使用されているという。。
ちなみに、この鑿は、1人の演奏家さんの手元にだけ 私が差し上げました。
楽器製作鑿 としても素晴らしいようですね(^^)
今では、何でもネットだAma○○○の流行り…
にも関わらず、その金物店には、欲しければ 見に行かなくてはならない。
見に行けば、触れる。
触れながら買う。
わたしは 洋服好きなのですが、ネット上で買ったもので 惚れ込んだものは ありません。
ですから、好きな洋服は ショップに足を運び、風合いを感じ しっくり と また感じる。
色味…色味は、尚更 。。
店長と長話をしながら。。
これと一緒です。
かつて、父が、うっかり他人の金槌(カナヅチ)を掴んだ瞬間、反射的に パッと、放り投げてしまう、
という話が、今ではよくわかります。
わたしも そうなってしまいました(≧∇≦)
「気持ち悪いから」。
「気持ち良い」それは、
快 不快 という感情が 特別な感情であり、より原初的脳の活動部類に在る事もまた 関係しているのかも知れません。。
さぁ、幾つもの発見と応用を ココロに 楽器製作にも 鋭いメスを入れていきましょうかね。。