少し前から、勢い良くネットを這い、いくつか実がぶら下がっていた
小さな教会の、ニガウリのグリーンカーテン。
今朝見てみると、人の手では、下からも上からも届かない場所の実が二つ、
もう、黄色く熟し始めていた・・。
脚立でも用意すれば、もっと早くにもぎとる事は難しく無かったろうに、
「ハハハ!こりゃ、困りましたね。まあ、もうこれはこれで、
このままにしときましょ!」と、神父様が苦笑いしながら、
そのまま、なるがままに任せておいたのかも知れない。
やがて、黄色に熟し切ったニガウリの種は、
地面に落ちて、また来る春にその芽をのばすだろう。
種のいくつかは、もしかすると教会のお隣の幼稚園、
ご近所の庭先にも風に舞い落ちて芽を出すかも知れない。
いや、もっと遠くにだって・・。
優しく微笑みながら、たくさんの人々を洗礼へと導き、
喜びの種を蒔き続けて来た神父様に、
この黄色いニガウリの実は・・
なんだかとてもよく似ているな!と、そう思う・・。
どこのニガウリの実も、少しずつ黄色く色づき始める来月9月には、
小さな教会の神父様も、司祭職50年目を迎えられる事となる。