昨日行なわれたY幼稚園の聖劇終了後のクリスマス会。
予想してた通り、そのサンタ役に2年ぶりに召し出され・・。
もう3回目となるサンタ役なので、あまり緊張することも
無かったのだけれど、それでもいつも心配なのが園児たちからの、
サンタさんへの質問コーナー。
なにせ、相手は純粋無垢な幼い子どもたち。
どんな質問が飛び出してくるやらと、こちらはハラハラ!
事前に、聞かれそうな質問をいくつか想定しておいて、
その答えをちゃんと用意しとくほどの念の入れようで挑む!
昨日一人目の園児の質問、
「トナカイさんは今どこにいますか?」には、
聞きながら内心『シメシメ!』
もろに、事前に想定していた質問の一つだったから。
なので余裕で答えてみせる。
「トナカイさんは今、幼稚園の上の白い雲の中に
隠れています!雲の中にすっぽりと隠れているので誰にも見えません!」
“うむ、我ながら子どもの夢を壊さぬ良い答えだ!”と満足していると、
園児たちからは予想外の「エ〜っ!?うっそだ〜〜!!」
「そんなの有りっこな〜い!!」と、みんなでギャハギャハ笑いながら
イキナリのブーイング・・。
「ま、まずい・・!」と内心あせっていると、先生がそれを察してくれたか、
「はい、じゃあ他に質問したいお友達は誰かな?」と、
ブーイングの嵐を断ち切ってくれた。
次に指名された園児の質問は、質問というよりも
「サンタさん、まずしい人たちに食べ物をいっぱいあげて下さい!」
といったようなお願い事だった。
「ハイ!わかりました。まずしい人たちにたくさんの食べ物を
プレゼントできるように頑張ります!そして、みんなも
サンタさんと一緒に頑張ってください!
サンタさんからのお願いです。」
3人目の園児の子の質問(?)も、前の子のお願い事を引き継いだ内容で、
「サンタさん、まずしい人たちに飲み物もいっぱいあげて下さい。」
というものだった。
“うん、確かにそれもそうだなよな!”と、その微笑ましいお願いにも
「ハイ!わかりました。まずしい人たちに食べ物だけじゃなく、たくさんの飲み物も
プレゼントできるように頑張ります!」と答えた。
これくらいで質問コーナーは終わってくれるといいのだけれどもなあ、
と思うも、無情にもこのコーナーは更にまだ続く・・。
過去の経験で僕は知っている・・。
どう答えればいいか困惑してしまう園児からの質問というのは、
たいがい後半戦にやって来るということを!
4人目の園児の質問・・
「サンタさんは、どうして困ってる人や貧しい人たちを助けるのですか?」
・・・・・・・・・・・・・・・
ほらね、
やっぱりそうなのだ・・。
答えに窮するこんな質問が、やっぱり出てくるのだ・・。
が、こんな事態も有るであろうことを予測していたこのサンタさんには、
実は秘かに考えておいた作戦が有ったのだ!
名付けて“サンタさんからの質問返し”!
「みんなはどう?、みんなは困っているお友達がいたらどうしますか?」と聞いてみた。
慰めてあげる、優しくするなどの答えが返って来るだろうことを期待してのこと。
が、これも返って来た言葉は意外なもの。
「どうもしな〜い!アハハ!」「困ってな〜い!ギャハハハ!」
・・恐るべし園児たち!サンタさんは完全におちょくられている・・。
でも誤解の無いように!
園児たちのために言っておくけれども、この子たちは本当にそう思っている訳ではなく、
この受け答えは、言わばその場のノリ、調子によるもの!
ここでは省略させてもらうけども、それはその後の先生と園児達とのやりとりで
良くわかったこと。
むしろ、「慰めてあげる、優しくする。」などの答えがストレートに
返って来ていたら・・
その事の方が、なんだか実は気持ち悪い。
そんな調子で、恐怖の(?)サンタさんへの質問コーナーも無事に終わり、
次は並んでやって来る園児一人ひとりへのプレゼントの手渡し!
胸を張って、ニコニコ笑いながら受け取りに来る子・・
もじもじ恥ずかしそうに、うつむきながら手を差し出す子・・
プレゼントを受け取っても、サンタさんの顔を
じ~っと見つめたまま帰ろうとしない子・・。
子供たちの表情は様々だけれども、どの子もしっかりハッキリと、
「ありがとうございます!」の言葉・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おしまいは・・
小さな天使たちがサンタへ贈る歌声の洗礼。
こんなふうに書くとお叱りを受けるかも知れないが、
これは僕にとっては最早拷問・・。
「今年こそは泣くまい!」と思っていたのだ・・。
けれども、前回と同様、澄んだ瞳のあの子らの眼差しと、
可愛らしい声で元気一杯に歌ってくれた、
「きみは 愛されるために 生まれた・・」で始まるあの歌に、
やっぱり泣けて泣けて仕方が無かった・・。
左目に流れた涙を、右手でぬぐい、
右目にこぼれた涙を、左手でぬぐい・・。
歌が終わり、園児のみんなが「サンタさん!ありがとうございました!」のご挨拶。
「・・サンタさんの方こそ、ありがとう!来年も必ず来ます!」
本当は・・
「みんなも一人ひとり、愛されるために生まれて来たんだ・・
たくさんの人に一杯いっぱい愛されて下さい!愛して下さい!」と
言いたかった・・。
でも、言葉にはできなかった・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
後で幼稚園の先生から聞いた話・・。
僕が園児たちの歌声に泣かされてた時、
一緒に何人かの父兄の方たちも
貰い泣きされていたのだとか・・。
「そうですか・・。もうこなりゃ次からは、みんなで一緒に
泣いちゃいましょう!」と笑ってそう言ったら、
その先生も、「うんうん!そうですね!!」と、
優しく笑ってそう言った。