kazさんの日々彩々2

どうして花は咲くのだろう?どうして小鳥はさえずるの?
やさしい想いや言葉にふれて、どうして人は泣くのかな?

君と同じところに僕もいる

2012年06月29日 | 想いの彩

少しばかり体調を崩してしまった園長先生(兼 神父様)にエールを贈るためのお絵描き教室。

開始時間が少し遅くなってしまったことも有り、画材はクレヨンに変更したけれど、

みんな、しっかりと園長先生らしさを捉え、楽しく描くことができたようだ。

 

  

 

この日のお絵描きの時間では、嬉しい出来事が二つ有った。

 

一つは、みんなの絵をグループごとにデジカメで撮影中、

あの、黒の色に自分の思いをぶつけるルオー君が、

カメラに向かって、笑ってピースをして見せてくれたこと!

そして、僕に話しかけて来てくれたことだ。

「ねえ、センセーは、どこから来てんの?・・ヒコーキで来るの?」

「ヒコーキか、いいなあ!・・でも、残念だけど、そんなに遠いところに住んでいないんだよ。

今日は車で来たし、歩いてだって来れるところにいるんだ。

だから・・

君と同じようなところに僕もいるんだよ。」

「ふ~ん、そっかあ!・・あのね、このあと給食の時間なんだ・・。」

「え、え??給食?あ、そうか、お絵描きのあとは、いつもお昼の時間だったね。

Y幼稚園では給食の日とお弁当の日が有るけれど、今日は給食の日なのか。

給食は好きかい?」

「うん、大好き!!」

そう言うルオー君の描いた園長先生の顔の絵は、

やはり、全体的に暗いトーンで描き表わされていたけれども、

この子なりの表現なのだから・・と、僕は何も言えなかった。

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 もう一つの嬉しい出来事は、そのお絵描きの時間の最中、

園長先生ご本人が、そっとドアから入って来られたこと。

療養中、膝の調子も良く無いらしいと聞いていたのに、

2階に有るこの教室までの階段をのぼって来られたのだ・・。

年中さんたちのお絵描きしてる姿を見つめながら、

優しい笑顔で「みんな楽しそうですねえ~!」と、そう言って下さった。

それは、園長先生からの 、僕と年中さんたちへ向けての

お返しのエールのように思え、なんだか嬉しかった・・。

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幼稚園の先生たちの手助けを頂きながら、その日のお絵描き教室も無事終了。

幼稚園の裏に有る駐車場にまわり、車に乗り込もうとしていると、

教室の窓から、桃太郎さんみたいな顔をした年中さんが僕を見つけ、

「○○センセー!さようなら~!」と、元気に手を振って見せてくれた。

“センセー”は・・なんだか自分には似合わないな・・と思いながらも、

でも、その元気な声と笑顔が嬉しくて、「おう!また今度ね!」と、僕も笑って手を振ってみせた。

一瞬、春の風が心地よく吹き、同時にフワリと何か懐かしい匂いを運んできた。

それは教室の窓から洩れて来た、あのルオー君が「大好き!」と言っていた

給食の匂いだった。

 

どういう訳だかその時、もしかしたらルオー君は給食の日が好きというよりも、

お弁当の日が嫌いなのかも知れないなと、そんな思いが浮かんだ。

・・でも、もし、そうだとしたら一体なぜ??・・・・・・・・・

 

少しの間、そんなことを考えてみたけれど、それはけれども何だか要らぬ詮索のように思え、

「みんな可愛い小さな天使たち!君と同じところにいる僕は幸せだな。」と、そう思いながら、

まだ給食の匂いが漂う駐車場で、僕はゆっくりと車に乗り込んだ。

 

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思いをぶつける!“年中ルオー君”

2012年06月07日 | 想いの彩

いろんな事でバタバタとしている間に、既に年中さんたちとのお絵かきバトルもその後2回行われ。

内、1回目は花をクレヨンと水彩絵の具を使ってのはじき絵。

 

初回のおしまいの方で、「今、いろんな所で綺麗なお花が咲いています!

次は、そのお花を描いてみましょう。そのために、たくさんのお花を見てお友達になって下さい。」と、

お願いをしていたのだけれど、ほとんどの年中さんたちが、どうやらそれが出来てた様子。

外の春模様に負けないほどの、きれいな可愛い花が教室の中にたくさん咲いた。

 

 (画像はクリックすると拡大します。)

 

けれども、中には暗い色、黒色などしか使わない子たちも有り・・。

思いが出る絵は、それだけに正直・・。

主任の先生のお話によると、どうやらその子たちなりの、暮らしの中での事情・理由が有るらしい・・。

「そうか、そうか。でも、いいぞ!そうやって自分の思いを白い画用紙に、思う存分ぶつけりゃいいさ!

それが出来てこその、お絵描きだぞ!」と、先生のお話を聞きながら、逆に僕は嬉しくなった。

あの孤高の画家ジョルジュ・ルオーも、思いを表すために黒を主体にしてキリストや弱者の姿を描いた人。

 

 

Y幼稚園に、小さきルオー君たちを見つけたり!だ。

 

その一週間後のお絵描きでは、反対に黒い大きな用紙(A0版)に、

パステルで夜空に打ち上がる花火を描いてもらうことに。

「ちょっと早いけど、今日はみんなで花火大会をしましょう!でも、ホントの花火はここではできないから、

この黒い紙が夜の空!それに、このパステルというもので、花火をどんどん打ち上げてね!」と、

持参した用紙とパステルを年中さんたちに見せながら使い方の説明。

そして、今日のお絵描きで一番大事なことは、パステルを取り合ったりしてケンカしないこと!

お互いに譲り合うこと!とお説教も。

「わ~!花火、大好き~!」

「それ、クレヨンじゃないの~?」などの声が聞こえて来て微笑ましかった。

画材が少ないので、三つのグループに分かれてもらっての共同作業。

面白いことに、描かれた絵はグループ事にそれぞれの特色有り。

 

 

三番目の白っぽい絵は、黒い用紙に向かい、困ったルオー君が白のパステルで

一生懸命対抗した足跡。

「さすがなり!」と、苦笑。

 

 三つの花火大会の絵が完成したあと描いてもらったのは、

普段の白画用紙に、水彩絵の具での肌色の堕円形。

「今描いてもらった画用紙は乾くのを待って、この次に使います。

次回は、ちょっと難しいかも知れないけど、園長先生のお顔を描いてみましょう!

みんな、園長先生は好きですか~?」

「ハ~イ!!大好き~!」

 

 

Y幼稚園の園長先生は、同時に教会の神父様。

ご高齢ということもさることながら、人の何倍もいろいろとムリをされる方なので、

今、少し体調を壊し、病気療養中。

年中さんたちも、そのことは知ってることだと解ったので、お絵かきでエールを贈ることに。

水彩画で人の顔を描くのは、大人でも難しいことだけど、

目・鼻・口など、パーツごとに描き方を説明していったら、なんとかなるだろう。

 

これと言って、理由は無いのだけれども・・

案外あの黒色を多様して描くルオー君たちが、

次はなんだか違う絵を見せてくれてたりするんじゃないか?

 そんなことを秘かに思いながら、次回を今から楽しみに待っている。

 

 

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