一通の手紙と一緒に、カレー皿ほどのとても大きな、
ふっくらとした手作りの“ふくれ菓子”が送られて来た。
送り主は、一年ほど前に受洗されたご婦人。
その方と少々の御縁が有った僕ら家族は、
その洗礼式の際に駆け付け参加させてもらった。
手紙には、手作りの“大きなふくれ菓子”は、
その時のお礼にと、ずっと思い続けていたものだという事と、
その日の喜びと感謝の思いが、
今でも思い出されると書いてあった・・。
手紙を読みながら、とても感動的だった、
その日の洗礼式の様子を思い出した・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あまり広くはないが、整然とした御聖堂での
2、30人ほどが集まっての洗礼式。
皆が笑顔で彼女を見守り、そして我が事のように
喜びながら聖歌を歌い、彼女の祈りと誓いに頷いた・・。
事前に神父様から、
「式の最後に、聖書の中から貴方のお好きな箇所を朗読して下さい。」と、
そう言われていた彼女は、
その時、肩を震わせ、泣きながらそれを読んだ。
その涙は、喜びと感謝の涙で有ると同時に、
何か、この時まで必死になって耐えていた・・堪えていたある思いを、
今、腹の底から吐き出しているといったような涙にも見えた。
後で聞いた話だが、彼女はこの2年程前に起きたある出来事のために、
僕らが想像すらも出来ないほどの、深い悲しみの闇に心を覆われ、
そして身体をも悪くしていたのだ・・。
泣きながら・・、
でも一言一言噛み締めるように、
彼女は静かに自分が選んだその箇所を読み始めた・・。
求めなさい。そうすれば、与えられる。
探しなさい。そうすれば、見つかる。
門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。
だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、
門をたたく者には開かれる。
あなたがたのだれが、
パンを欲しがる自分の子供に、石を与えるだろうか。
魚を欲しがるのに、蛇を与えるだろうか。
このように、あなたがたは悪い者でありながらも、
自分の子供には良い物を与えることを知っている。
まして、あなたがたの天の父は、
求める者に良い物をくださるにちがいない。
マタイによる福音書 7章7〜12節
“御父は、イエスはいて下さるのですね。
何回救われたことでしょう。
祈りは通じる、叶う、ですね。”
頂いた手紙の、そんな文面を読みながら、
「あ〜、この人の想いというものも、きっとこの“ふくれ菓子”のように、
あの日から大きくふっくらと膨らんでいるのだなあ・・」と、
そう思った。
ふっくらとした手作りの“ふくれ菓子”が送られて来た。
送り主は、一年ほど前に受洗されたご婦人。
その方と少々の御縁が有った僕ら家族は、
その洗礼式の際に駆け付け参加させてもらった。
手紙には、手作りの“大きなふくれ菓子”は、
その時のお礼にと、ずっと思い続けていたものだという事と、
その日の喜びと感謝の思いが、
今でも思い出されると書いてあった・・。
手紙を読みながら、とても感動的だった、
その日の洗礼式の様子を思い出した・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あまり広くはないが、整然とした御聖堂での
2、30人ほどが集まっての洗礼式。
皆が笑顔で彼女を見守り、そして我が事のように
喜びながら聖歌を歌い、彼女の祈りと誓いに頷いた・・。
事前に神父様から、
「式の最後に、聖書の中から貴方のお好きな箇所を朗読して下さい。」と、
そう言われていた彼女は、
その時、肩を震わせ、泣きながらそれを読んだ。
その涙は、喜びと感謝の涙で有ると同時に、
何か、この時まで必死になって耐えていた・・堪えていたある思いを、
今、腹の底から吐き出しているといったような涙にも見えた。
後で聞いた話だが、彼女はこの2年程前に起きたある出来事のために、
僕らが想像すらも出来ないほどの、深い悲しみの闇に心を覆われ、
そして身体をも悪くしていたのだ・・。
泣きながら・・、
でも一言一言噛み締めるように、
彼女は静かに自分が選んだその箇所を読み始めた・・。
求めなさい。そうすれば、与えられる。
探しなさい。そうすれば、見つかる。
門をたたきなさい。そうすれば、開かれる。
だれでも、求める者は受け、探す者は見つけ、
門をたたく者には開かれる。
あなたがたのだれが、
パンを欲しがる自分の子供に、石を与えるだろうか。
魚を欲しがるのに、蛇を与えるだろうか。
このように、あなたがたは悪い者でありながらも、
自分の子供には良い物を与えることを知っている。
まして、あなたがたの天の父は、
求める者に良い物をくださるにちがいない。
マタイによる福音書 7章7〜12節
“御父は、イエスはいて下さるのですね。
何回救われたことでしょう。
祈りは通じる、叶う、ですね。”
頂いた手紙の、そんな文面を読みながら、
「あ〜、この人の想いというものも、きっとこの“ふくれ菓子”のように、
あの日から大きくふっくらと膨らんでいるのだなあ・・」と、
そう思った。