11月に入り、周りはすっかり秋模様・・と言いたいところだけれども、
コスモスの花は、「わたくし、いつになったら、はらはらとこの身を散らせたらいいのでしょう?」
と言いながら、所在無さ気にまだ咲いているし、
秋の枯れ葉となるはずの木の葉も同じで、
「なんだか今年の秋は、この先の身の振る舞い様がよく分かりませんで・・」
と言いたげな様子でブラブラと枝にぶら下がっている・・
日当たりの悪い畑の片隅には、昨年こぼれ落ちていたらしいゴーヤのタネが、
夏の終わりになって芽を出し、放っておいたら遂には今頃になって実を実らせた。
“深まりつつある秋”、“近づきつつある冬”なんて気配はあまり無く、
なんだかこのまま、また春がやって来るのでは?と言いたいくらいの、
ゆるりとした今年の秋・・
そんな秋の内にも、様々な出来事あり。
今年春先頃までは、かくしゃくとし、元気だった親父様(カミさんの父)は、
夏以降、急に体調不良を訴え、精神状態も不安定に・・。
今は落ち着いているとは言え、僕ら周囲の者以上に、
カミさんとその妹は今後のことが何かと心配。
けれども、姉妹でそんな不安を分かち合い、
そして力を寄せ合いながら、前向きに頑張っている。
また、そんな最中、その妹のお舅さんが天に召され・・
今年に入り体調を壊し、入院しているのは知っていたけれども、
その旅立ち様は、この、ゆるりとした秋とは反対に、
あまりにも早く急ぎ過ぎたように僕には思え・・
生前、ゆっくりと話す機会があまり無かったことを、秘かに悔んだ。
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そんな様々な想いを胸に抱えながら、
今月に入り、また今年も、「自らが力を得て行かねば!」の思いで、
“おはら祭り前夜祭”にカトリック鹿児島司教区から参加。
昨年より20名ほど参加者も増え、
「初めて参加したけれども、とても楽しかった!次もまた参加します!」という青年の声や、
「過去に一度参加させてもらったけれども、それが今も続いてるなんて知らなかった・・
今年それを知って参加でき、そして本当に楽しかった!」という、ご婦人の話などを聞きながら、
「あ~、そんな皆の喜びが、僕の力と変わってくれるのだな・・」と、思うことができた。
踊り終了後には、ザビエル教会で打ち上げ。
司教様のビールの差し入れと、T教会F兄弟さんたちの差し入れの、おでんとイカの燻製で舌鼓!
今やしっかりと恒例となった、おはら祭り前夜祭の参加。
この差し入れも、恒例のものとなったらいいのだけれども(笑)
いや、先輩たちのその思いを真似て、僕も次回は何かを用意せねば!だ。
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翌日3日、おはら祭り本番の日、娘が“英語弁論大会”に出場。
テーマは“家族への感謝状”
会場での発表前、娘が「じゃ、行ってくるね!」と握手を求めて来たので、
その手を握り返しながら、「うん、頑張らなくてもいいから、楽しんでおいで!」と激励。
そのあと「・・でも、お父さんは英語苦手だから、何を話しているのか、あまり分からないかも
知れないけれどね・・」と言うと、
「大丈夫!気持ちは絶対伝わるはずだから!」と、反対に激励され・・。
そして、娘の言ってくれた、その言葉は本当で、堂々と胸を張り間違えることも何も無く
自分の想いを発表している姿を見ている内に、しだいに胸が熱くなり涙がこぼれ、
横に座っているカミさんが差し出すハンカチで、何度もその涙をふいた・・。
発表終了後には、引率の先生と娘からのサプライズ有り。
「両親への感謝状を、ここにも用意させてもらいました!」との言葉と一緒に、
発表された内容が一部抜粋されてある、一枚のカラフルな感謝状を、
娘が読んで聞かせてくれたうえで、僕らに手渡してくれた。
学園で熱心に英語を指導して下さる、○○シスターの発案で、
「それは、いい!」と、先生と娘が用意してくれた物だったらしく、
この時は、涙が・・というよりは、どうにも僕はテレてしまって仕方なかった。
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“ゆるりとした秋”の中で、それでも時は確かに刻まれて、色んな出来事と
想いを僕らに残して行く・・。
立ち止まっている余裕も無く、酸いも甘いも、しっかりと噛みしめているうちに、
ふと気がつけば・・
もう足下に、冬の気配が来ているのかも知れない・・。