夢色

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<生誕140周年 熊谷守一展 わたしはわたし @ 伊丹市立美術館>

2020-06-25 | Art

以前の伊丹散歩で おぉ~!熊谷守一展やるんや!って情報ゲットしてたので、明けに行くしかない!と「伊丹市立美術館」にやってきました。
 結構ボリュームあったよ!

初期の頃の、いわゆる正統派な油絵ってイメージの絵もあって、最初はこんな感じの絵を描く人だったんだな、と意外な気がして驚きました。
目鼻立ちを描き込んだ写実的な肖像画とか。
段々シンプルに形を表して、キュビズムみたいになってきて、輪郭線をはっきりと描き込む画風になってきて。
花と虫、魚や猫などの動物。
どれもシンプルだけど、そのものの特徴が浮き出ていて、どこか くすって笑ってしまうような素朴で愛らしいデザイン。

10年前に描いた絵でも同じように再現できちゃうらしくて、2枚の柱に寝る猫の絵はぱっと見は全くコピーしたかのような絵で、驚愕した。
よく見たら少し丸いふんわりした感じが違うようで、新しい方が色合いも明るく鮮明な色を使ってて。
私は昔の絵のほうが好きだったけど。

他にも、花の塊がもう丸になってしまってるあじさいとか(笑)
むしろ現代美術の最先端のデザイナーみたいな、瑞々しい感性が凄いと思います。
 気に入った絵のポストカードをいくつか購入。

覚えてる限りの、気に入った絵の感想。
「ヤキバノカエリ」 子供を亡くした帰りだけど、何故か穏やかな気になる。
「鬼百合に揚羽蝶」 縦長の構図で、蝶が空を願う気持ち。
「雨滴」 雫が水面に跳ねて吸収される瞬間を捕まえているのに、逆に時間が逆戻りしているような、見ていると時の流れが止まって、その時間という概念が無い世界にぐるぐると取り込まったような気分になる。
「石亀」 2匹の亀も可愛いし、泡がぷくぷく・・・ってなってるのがひたすらカワイイ(笑)
「たまご」 黒いお盆の上に卵が4つ。微妙な重なりで2つを描いたのも素晴らしい配置だと思うし、平面に真ん丸の立体的な卵が浮き上がって見えるのが凄い。
「五色沼」 山の一つ一つ違う色合いの組み合わせも凄いけど、沼の微妙に深さによって違う薄い水の色が 全部で1枚の景色になってる。
「海(?タイトル忘れたけど多分・・・)」 ちっちゃな作品だったけど、海の色と波の白と、最初は海って良く分からなかったけど、説明を見てなるほど!って思った。最初見た時は青ベースの色の組み合わせだけに見えるけど、ちゃんと海だった。潮風が吹いた。
「夜の月」 はっきり丸い満月と、枝の組み合わせ。私まで空を見上げている気持ちになれる。
「稚魚群遊図」 言われないと気付かないくらいに小さく黒い魚の陰が、かろうじて池の中に見える。それが本当の景色だ!って思って、これに気付かな?って思ってるかもしれない熊谷おじいちゃんの悪戯心な気がして、気付いたときに笑ってしまった。
「蝉」「いんげんに熊蜂」「たんぽぽとみつ葉」 どれも写実的じゃないのに、それにしか見えない。子供でも描けそうな気がするけどいざ自分が描くか?と思うと、まったく筆が進まないと思うから、やっぱりすごいと思う。

そんな感じに、感想つれづれ。
「わたしは わたし」
タイトルも素敵。
私は私。
スッと気持ちが軽くなる

どの絵も、「熊谷さんち の」って言っちゃう感じ。
お庭に行ってみたかったな~。
きっとたくさんの生き物の命とその優しさと愛が感じられる、安心で包まれたお庭だったろうと思う
そんな感じに愛情いっぱいが感じられる絵でした。
でもきっと、虫が苦手だから私は悲鳴ばっかりだと思うけど

足がもう疲れてしまったので、この後は直帰します
美術館のお庭は、見る角度によって全然表情の変わる、素敵なお庭。
独り占めです      大人げなく、飛び石を渡って満喫(笑)
普段こういうのは子供しか行かないから(笑)
 柿の木。
近衛家の石灯篭。  
こんな素敵な美術館があるなんて知らなかったから、今日は収穫でした~

帰りに買ったポストカードを郵便局で出して、風景印を押してもらいました。
 平日の特権(笑)
昆陽寺と、ツツジのデザインです。



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