夜になると聴こえてくる「ヒューン!ヒューン!」という音。
鳥でも鳴いているのかと思ってた。友人曰く、「そりゃ鹿の鳴き声」なのだという。恋の季節のようだ。ここ、毎晩のようにしばらく鳴いている。
この前、昼間に道路に飛び出してきた小鹿に急ブレーキ。鹿の方は驚いた様子も見せずにゆっくり歩き去った。この程度はまだほほえましいのだが、農家の鳥獣被害は深刻だ。
かつては、人の暮らしと獣たちの暮らしの境界線に里山がなっていた。過疎で崩壊した里山の農地は耕作放棄地として荒れ果てている。集落そのものの持続も危うい。失われた里山のバランスのせいで獣たちも境界を認識できなくなってしまった。
日本の食料自給率は先進国でも低い。なのに荒れ果てていく先祖伝来の農地。わずか数十キロを隔てて過疎と過密があるように、矛盾した「もったいない」ことが同時進行する。
先日、地域に根差して先進的な取り組みにずっとチャレンジし続けている達人と、そんな話題でしばし話し込んだ。ほんと、もったいない。
国のSDGsの本気度が問われている。