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金子みすゞ



思いがけず火曜日(11/29)
金子みすゞの故郷・山口県長門市仙崎を歩くことになりました。

長門市の“味な旅モニターツアー”に参加させていただいたことで
金子みすゞ記念館や、彼女のお墓や
その周囲の街をめぐることができました。

金子みすゞは26歳で夭折しますが
512編もの詩を綴った。

下は手帳に残された彼女の筆跡です。



素晴らしいですね。途方もなく奥が深い。
中国の荘子、インドのタゴールと比べても遜色がない。
驚くべきことだと思います。

多くの人は“土塀は町のなかに”という世界に生きていると思います。
“町は日本のなかに”というのは少し志の高い人だと思います。
“日本は世界のなかに”というのはもう少し視野のひろい人ですね。
でもここまではありうるでしょう。

でも“世界は神さまのなかに”となると
これは物の見方が変わってきます。
視野をひろげていくことによって
神という概念に行きつく。

そして・・・

“そうしてそうして神さまは 小ちゃな蜂のなかに”

視野を広げる方向へ“延長”していった詩は
ここでいきなり“蜂”という極小の原点に戻ります。

まるで西洋神秘主義哲学の“マクロコスモス=ミクロコスモス”を
謳った詩のようにも読めるし
インド哲学の“ブラーフマン=アートマン”を謳った詩のようにも
読むことができます。

が、金子みすゞはありふれた日常の奥にある深い哲学的直感を
誰でもわかる優しい言葉で、シンプルな美しい日本語で
表現したんですね。
難しくて不毛な専門用語でしか語れない哲学徒とは違っていた。

今回、仙崎を歩いてみて彼女に強く惹かれました。
512編すべてを読んでみたいと思いました。