旧暦の8月15日は「十五夜」今年は9月10日だった。
台風前に夜空にはまんまるの大きなお月さんが出ていた。
十五夜の月は、別名を「中秋の名月」という。
古来から月を愛でる風習があった。
それは古く十五夜のお月見は平安時代から貴族のあいだで
月を眺めながらお酒を飲んだり、船の上で譜や管弦を楽しんでいた。
庶民のあいだにまで十五夜の風習が広まったのは
江戸時代に入ってからだという。
本土ではお月見の供えものにススキ、月見団子、
地域によっては芋類を並べる。
沖縄では餅にまんべんなく小豆をまぶした「フチャギ」を
神仏にお供えする。
このお菓子は、小豆が月の回りの星を表し、昼も夜も人を
照らす天体への感謝を表しているという。
宮古島では棒踊りや獅子舞が行われる。
子供達は手製の獅子舞を作り、市内の居酒屋に出て商売繁盛の
祈願をしてお小遣いをせしめるのだが、観光客が増えて
お小遣いの額を超えてしまい、それが問題となっている。
しかしコロナでこの数年は獅子舞も自粛しているようだ。
オバァから聞く十五夜ストーリーは子供達に聞かせられない。
大きな月の晩には、親が寝静まるのを待って、
コッソリと家を抜け出して浜へと出て行くそうだ。
浜には若者たちが集まり、サンシンを奏でて唄い、踊り、
夜が明けるまで楽しんだと話す。
当時のことを思い出すのか、時折、ニヤニヤとしながら、
「楽しかったさぁ」
ニヒヒッ…と不気味な笑顔をむける。
戦後米軍統治の時代は、この浜遊びは禁止されていた。
原因は病気の蔓延防止だそうだ。