今から30年以上前の話し…
朝の早くから「海上保安庁ですが、ちょっと聞きたいことが
あるので、保安所まで来てください。」と電話があった。
何かの協力を頼まれるのかなと思って、保安所に行くと。
「ヤドカリを居酒屋に卸しているんですか?」と聞かれた。
「居酒屋だけでなく、釣り道具屋にも卸しているけれど、
それが何か…?」
当時の保安庁の保安官たちは知り合いが多くてダイビングや
麻雀仲間でよく一緒に遊んでいた。
「実は通報があって…」とホント申し訳なさそうに言ってくる。
ヤドカリは釣り餌の定番で、桟橋に行けば、釣り餌に
普通に使っている。
最初は言っている意味がわからなかったが、ヤドカリは
天然記念物に指定されていて捕獲することは禁止されている
という。つまり天然記念物保護法違反というわけ。
ヤシガニはどうどうと取引されて、ヤシガニ料理の
看板まで出ているのに、浜に行けばいくらでもいる
ヤドカリが違反だなんて知らなかった。
沖縄出身の保安官も「子供の頃から食べたり、
釣り餌に使っていたさぁ」という。
いくらか忘れたが罰金を支払った記憶がある。
我が家の隣は原生林になっていて、そこを住処にしている
色々な生き物たちがいる。
ヤシガニやオカヤドカリも庭によく現れる。
台風前にオカヤドカリがやってきた。
サザエの殻を家にしているが殻が割れていてお尻が
丸出しの状態。そのままでは他の生き物にやられてしまうだろうと
思って、家で飾っていた貝殻を庭に置いて置いたら、
ボロボロの貝殻と交換されていた。
天然記念物は大切にしなくては。