古い沖縄観光のパンフレットを見ると、青い空、湧き上がるような白い雲、
エメラルドグリーンの海、そして昔ながらの赤瓦が多く使われていた。
宮古島は過去に最強の台風に何回か見まわれたことから、
スラブ家(スラブヤー)と呼ばれるコンクリート造りの家になったといわれている。
しかし、古くからの住宅地には、たくさんの赤瓦の家があった。
沖縄県で産する赤色の粘土瓦で「琉球赤瓦」地元では「シマガーラ」と呼ぶ。
生活がゆたかになり、新しく建てる家は台風に強い鉄筋コンクリート造りへと
変わっていった。沖縄では竹富島の赤瓦が有名であるが、
1964年頃は主屋の約4割が茅葺だったそうだ。
多くの観光客が訪れるようになって「竹富島憲章」で、景観保護の観点から、
屋根は赤瓦にすることが定められている。
沖縄では沖縄振興開発金融公庫から、赤瓦の助成金が出ることになっている。
それでも、やはり台風のこともあるので、赤瓦屋根にする人はほとんどいない。
昔、瓦屋根(赤瓦)は金持ちの象徴であったという話を聞いたことがある。
現在、赤瓦屋根にする人は時代めぐってお金持ちの人だろう。
何よりも瓦職人さんがいないと聞いたことがある。
リゾートの中の赤瓦は沖縄本島から職人さんを呼び寄せて作っている。
赤瓦は本土の屋根瓦と違って、何年かに一度、手入れをしなくては
ならないそうだ。
今も昔からの住宅地には、朽ちた赤瓦屋根の家がひっそりとたたずんでいる。