恒例のクイチャーフェスティバルが行われたと報道されていた。
「クイチャー・ブドゥイ」のクイは「声」
チャーは「合わす」ブドゥイは「踊り」の意。
性別年齢に関係なく誰でも踊れる宮古島を代表する民族芸能。
集団舞踊である。
通常は誰からともなく、手拍子を打ちながら歌い出し、次第に円陣を
作りつつ両手を上下に踏み大地を踏み締めて飛び、跳ねる。
初めは緩やかに、次第に激しく、リズミカルであると同時に、ダイナミックな
繰り返しの中で埃を舞あげ、雲を呼ぶというところからクイチャーは
雨乞い祈願に始まるとされクイ「声」を神に「乞う」という伝えたもある。
囃子は同じであるが各地域によって踊りや唄の歌詞が変わってくる。
この平良地区だけでも池間、西原、西里、荷川取、久松のクイチャーがあり、
上野、友利、城辺のうるか地区も特有の振り付け、歌い継がれる歌詞がある。
クイチャーは娯楽でもあり又、神に奉納する儀式でもある。
池間島、西原、佐良浜の伝統行事である「ミャークヅツ」では3日間に
わたって酒を酌み交わしそしてクイチャーを踊り続ける。
豊漁、豊作を祈願する。
昔、テレビやラジオなどない時代、若い男女が労働から解放されて、
通りや広場、砂浜に集まって踊り明かしたそうだ。
1600年頃から260年以上にわたって続いた過酷な人頭税。
15才〜50才までに課せられ、男は粟・胡麻・綿花などの農作物、
女は上布の織物を納めなければならなかった。
税を払うためだけに働くような生活の中で、クイチャーは数少ない若者たちの
楽しみであったとも伝えられている。