パーントゥとは本来、化け物、怪物を意味する方言だが、
厄祓いの神に転化している。
この秘祭は、平良島尻と上野野原で行われる。
島尻集落では、仮面をつけた青年が扮する3体の神が、
かってのンマリガー(産水を汲んだ井戸)の泥を身にまとった
キャーン(シイノキカズラ)の上から全身に塗り
集落内を巡り歩き、新築した家の厄祓いや幼児の額に
泥をつけたりする。
野原集落では、少年が仮面をつけ一体の神に扮し、
その後に頭と腰にクロツグとセンニングサを巻く。
両の手にヤブニッケイと小枝を持った大勢の婦人が従い、
新築した家の厄祓いを行う。
少年男子は小太鼓とホラ貝ではやす。
両者は来訪神の一種であらゆる災厄を集落から祓う
という共通点がある。
古くから続く秘祭であるが、泥をつけられた観光客から
クレームが入った。
泥をつけられた!どうしてくれる?
過去になかった思いもよらない事になった。
今ではパーントゥが行われる日は公示しないようになっている。
パーントゥの日が近くなると「いつ行われるのか?」の
問い合わせもあるが一般には知らせないことになっている。
が… 島尻のパーントゥは旧暦の9月はじめの里願い祭
お翌日から2晩行われる。
野原のパーントゥは旧暦12月最後の丑の日と決まっている。
泥は鼻がまがりそうなほど臭いので覚悟してください。