渡ってきた人達が西へ西へと開拓していき、現在のアメリカが
できたという。もし、海図も何もなく、
「大洋に船をどこまでも好きな方向に走らせろ！」と
使命を受けたなら、迷うことなく西へと船を走らせるだろう。
東へ向かうなら太陽が昇る時間はごくわずか、西へ走らす方が
方向を誤らない。人は昔から東を向いている時間より、西を
向いている時間の方が長かったはずだと思う。
沖縄も西という方角にこだわりを持つ。
西へ西へと行くとそこには「ニライカナイ」があると言う。
ニライカナイは先祖が住むところであり、また、ユートピアである
とも言われている。先祖を見送るとき、西に向かって祈りを
ささげる。本土では、人が亡くなると北に枕を置くので「北枕」
沖縄では、西に枕を置くので「西枕」墓を造るときも西の方角を
基準にして造ると言われている。
この西へのこだわりとはいったい何を意味するのか、よくわからない。
ナイトダイビングにいくとき、西へ西へと船を走らせる。
晴れた日は、心をうばわれそうなほど美しい夕日を見ることがある。
西へ西へ・・・・ずっと西へと船を走らせたい気持ちにかられてしまう。
