産業が少ないので仕事がない。
いよいよ製糖期が始まったが、製糖工場で
働ける人は限られている。臨時雇いに入り
こむのはコネがいるし、サトウキビの収穫は
安い賃金で働いてくれる本土出身者が最近は多い。
「どこか仕事はないか?」と地元の知り合いが
聞いてきた。本土出身者には、よく仕事を紹介
するけれど、家族を抱かえている地元の人に
仕事を紹介するあてがない。「このまま、仕事が
なければ季節に行かないとなぁ~」
「季節(キセツ)」とは出稼ぎのことで、半年間
ほど本土の工場などで働くことを言う。
新聞の求人広告も毎日出てはいるけれど、歳が
いくほど条件が厳しい。
「今日の求人広告に、パソコンが出来る人という
のがあったさぁ、でも30歳までと書いてあった
から、あきらめたよ」
とてもパソコンとは縁のないような人なのに・・・
「へぇ~パソコンが出来るの?」と思わず聞いて
しまった。「去年は名古屋のパソコン工場で
パソコンを作っていたさぁ」 ガクッ!
作るのと出来るのはちょっと違うよ・・・・
これからの時期に、仕事で困ることはあまり
なかった。製糖期であるし、工場や畑では猫の手も
借りたい忙しさ。それが終われば、葉タバコ栽培や
モズクの収穫の手伝いもある。移住してきた本土
出身者が、安い賃金で文句も言わずに働いてくれる
ので、どこか歯車が狂ってしまったようだ。良いこと
なのか、悪いことなのか、よくわからない。
ただ、この島の「生態系がみだれてきている」
そう言ったほうがわかりやすいかな。
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