平成26年11月18日にFMICSに書いたモノです。
赤で加筆しています。
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秋になると山や田んぼから煙が立ち上っている場所があります。煙は遠くに見えるのに、ほんわかと焼け焦げた匂いは建物の中にまで漂ってきます。つくづく人間の五感の違いに感動する瞬間です。目に見える煙と、遠く離れていても鼻孔に張り付くように焼け焦げた匂いのギャップはなんだか不思議な感じがします。
こんな不思議な感覚を身近な大学に置き換えてみました。目に見えるものは、校舎、建学の理念、カリキュラムなどといえるはずです。一方、見えないものはなんだろうと考えたとき、伝統や愛校心の他に学生の満足度とモチベーション、教職員の帰属意識などです。私が入試広報を担当している中で意識していることがあります。それがまさに「見えるものと見えないもの」と「変えられるものと変えられないもの」です。その中の組み合わせで、広報予算と鑑みながら次年度の対策を考えます。
たとえば、校舎や建学の理念は変えられないもの、カリキュラムは変えられるものという感じです。これを整理していくと、見えない物の方が変えられることの方が多いことに気づきます。大学改革のための問題発見のひとつの方法だとは思いますが、これがまた問題なのです。変えられるものには、問題を発見して改善策を立てなければなりません。ここにマンパワーというエネルギーが必要になるのです。その上でエネルギーの持続が求められますので、多くの人はエネルギー不足に悩むことになります。具体的には、学生の満足度を上げるために課外活動を重視したらどうかという案が出たとします。そこで学部を超えてバーベキュー大会をしたら、他学部との交流が良くなりコミュニケーション力アップに繋がるのではないか。という話があったとします。こんな時、一方で、「予算は」、「他大学の事例は」、「担当部署は」、「責任は」、という「常套句」がついてきます。大学というより組織の中で改革を試み、問題を発見して解決しようとするときに必ずといっていいほど起こる現象ではないでしょうか。多くの職員の方はこのパターンに一度は遭遇し、調整が上手くいかずにやる気を無くした方もいるはずです。
大学に勤めてから常に感じているのがこれですね。
石橋を一度たたくだけでなく
何度もたたいて渡らない!!
感じでしょうか。
私はこの「常套句」を打破できる人のみが、学校を変えられる人だと今まで思っていましたが、少し違うことに気づきました。まずは大学改革を考えるときに「見えないもの」を問題として発見し、それを可視化してなるべく大勢に問題の存在を理解していただいてから、解決に取り組むことを考えられるように努力すべきなのです。
大勢の人にこれはおかしい!
と気づいてもらって
変えなければな~
と思ってもらうことが重要です。
まず解答ありきなのではなく、多くの人を巻き込んで、誰が考えたのかわからないようにして、総意として解答を生み出し実施してしまうことが大学改革の早道のような気がしてなりません。
↑これ重要ポイントですよぉ
一人で頑張ってもいつかは、モチベーションが下がりエネルギー不足に悩まされる結果になるのです。大学改革だIRだと騒いでも、人は一人では生きていけない、仲間が大切です。
なかなか気づけなかったことですが
大学は飛び出てる奴が苦手なんです。
みんながいってる
という空気を作ることが大切なんです。
民間から大学へ移る方に教えたいですね~