平成24年6月21日にFMICSに書きました。
気付いた点を赤で加筆してあります。
私立大学の約4割が定員割れをしているという話がありますが、実際に定員割れを経験した大学でないと、その恐ろしさはわからないと思います。本学は数年前に高校・短大と定員割れを経験しました。その状態から脱却するために、定員割れから抜け出した高校に出向き、成功の秘訣を聞いてきました。数校の校長先生や進路指導の先生方と会い、定員割れが生じた当時の高校にはある一定の目に見えない空気の存在があると感じました。高校の事例から、大学が学ぶものがあるのではないかと思い、目には見えない空気の一部を紹介します。
定員割れが生じると、2種類の人間が表れます。一つは、「うちはもうダメだ」とあきらめるタイプ(以下、A型)と「いい学校なのにどうしてダメなんだ」と考えるタイプ(以下、B型)です。A型の人たちは声が大きく、学内でも多くの人を巻き込もうとする言動が多い人達です。B型は、なかなか言動には反映することができませんが、じっくりと戦況を読もうとします。最初の頃は、学内ではA型に流されがちになる傾向が強いと聞きます。
A型の人は何処にでもいるんですよね~
しかし、管理職とB型から、どうにかして定員を満たしたいと強く願う人たちが表れ、そして改革しようという熱い想いがヒートアップしてきた学校のみ、定員割れから脱却できるという仕組みになっているようです。と書くとなんだかA型が反対勢力のような気がして、その人たちがいなくなればいいのではないか、そうすれば改革が進み上手くゆくのではないかと思いがちですが、(以前はそう思っていました)どうやらそれは違うという気がしてます。
A型の人は、学校改革が嫌なのではなく、日本人特有の性格が反映しているだけなのです。
それは、齋藤孝さん著の「日本人は、なぜ世界一押しが弱いのか?」(詳伝社新書)を読んで、日本人の特性を理解できたから言えることです。「日本人は押しが弱く怖がりなので、どうしても異質なものを排除したり、時には数の力に頼っていじめてしまうのですが、それは裏を返せば「ビビッている」からなのです。大陸のものを持ち込まれるのが怖い、自分たちの作り上げたこのぬるま湯のような穏やかな社会に波風を立てないでほしい。そんな「大陸恐怖症」のような感覚を日本人はみな持っているのです。」
この「大陸恐怖症」を学校に当てはめてみると、わかるはずです。多くの教職員は、学校に外からの成功事例を持ち込まれるのが怖い。自分たちが作ってきた学校の風土(ぬるま湯のようなおだやかな学校)に波風を立てないでほしい。と考えてしまうのです。この学校の教職員を反対勢力と決めつけるのではなく、日本人的な志向が強い仲間だと理解することが、学校改革を進めるうえで必要になります。
これから、多くの大学が直面するであろう、定員割れから逃れるための心構えとしてこの本をお勧めします。
齋藤さんの本は本当に勉強になりました。お蔭でA型の人の言動を理解することが出来ました。
どこにでもいるA型さんの力をかりましょうよ!!
みんなで頑張ろう!!
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