舞踊家 木室陽一 きむろよういち おどるおどる

木室陽一の舞踊活動が、次第に明らかに。創作・舞台・即興。彼は何処に居て何処に向かうのか。現在、愛媛・中島にて島暮らし中!

ブカレスト:ブカレスト国立劇場アトリエホール

2009-12-02 17:28:01 | 小栗判官・照手姫


ご報告遅くなりました。
無事に帰ってまいりました!




8角形を楕円につぶしたような、黒い地下のスペース。


上の階にはオペレッタ劇場、
地下の奥にはバレエレッスンルーム、
地上には国立劇場大ホールや、それに伴うギャラリー、レストラン、売店etc。

そんな一大劇場迷宮の中の、地下アトリエスペースにて、ツアー最後の公演。



緞帳もそで幕もなしでの、横広がりの黒い空間にて。
同じ床の上に、お客さんも居る。
より素のままに近い距離。

ケイさんから、縦と横の話しがあり、
個としての自分が高まり集中していく点は伸びてきたが、横の共演者との呼吸
グループとしての表現への意識が欠けて来ていた事に気づく。

当然のことながら、
いまそこで我々は何をしようとしているのか。


幕間の拍手もなく
じっと眼差す客席。
後ろの方の席は見にくかったようで残念。
終演。
スタンディングオベーション!



現地で通訳として同行してくれたアナヒタさんが、
打ち上げの席で、一芸。
小栗のセリフ「弓か鞠か~」を披露してくれました!
共に見ていてくれたんだなっ、と、感激!
一同盛り上がり~っ。素敵な夜になりました。





旅の経験を咀嚼しなければ、とあせりつつ、
かたちになるのはまだ先かしら。

まずは貴重で豊かな出会いに感謝いたします。
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クルジュ・ナポカ:マジャール劇場

2009-11-25 00:47:19 | 小栗判官・照手姫


10mは言い過ぎました。

が、

劇場の入口の上にど~んと、カラーのポスターが!
巨大な照手姫(ケイさんっ!)と真ん中に小さく小栗(宇佐美くん)とが、なぜか麦畑の中に立っているっ!


国営テレビの取材が入りました。
(日本で言う、NHKね)
公演に先立ち、ロビーで、30分ほどの記者会見。
劇場の客席には、5台くらいTVカメラの三脚が林立してるっ!
邪魔だよな~


開演のアナウンスはテープ録音で。
それにも、銅鑼の音が3回入っていたので、ルーマニアはこういう伝統なんだろな。
ちなみに、テープは2回繰り返されたので、銅鑼は6回鳴りましたとさっ。

やはりドーム型の天井は、今までの劇場に比べ、広く大きく、やや低め。
2階席までしかないけれど、800人くらいは入るのだそう。

声がとてもよく通る。
オーケストラのような、まるく、やわらかく、ダイナミクスのある音楽にやはり適しているのですねぇ。
建築もやはり文化の一端を担っている。


お客さんはとても静かでした。

難解な舞台に臆していたか、
パワーに圧倒されていたのか、
その前に来ていたという日本の劇団の舞台がつまらなかったらしいので、冷ややかだったのか、
はたまた、土地柄がいくつかの民族が集まる地域なので、穏やかな反応だったのか。

基礎的な技術の至らなさが自分としては目につきましたが、
(単にそろえるっ!とか、きちんと位置取りをする、とか、品よくリズムを維持するとか)
特に2幕!
ケイさんの照手姫のシーンの語り(紗矢さん!)は今までになくのびやかで、目を(耳を)みはるものがありました。


舞台上に居ながら、いろんな事かんがえたなぁ。


まわりのメンバーの感想は、とても高いテンションで充実していた!とのこと。
ま、その分ミスも多かったけどね。


たしかに、
生まれている、
成長している、
という実感は、あり、です。


来年、この公演の録画が放映されるそうです(ルーマニアの「芸術劇場」みたいな番組らしい)。



クルジュ・ナポカに来てから、ずっと霧のお天気でしたが、
公演を終え、お呼ばれした打ち上げから、夜中に帰ると、
雲が晴れ、星空がっ!

まわりが暗いので、オリオン、カシオペア、北斗七星、スバル?が見え、
おーっ、と眺めていると
流れ星が2つ!!



おおいなるものを感じた日でした。
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バカウ:バコビア市民劇場

2009-11-22 01:29:14 | 小栗判官・照手姫


やっぱり舞台開演の合図は、銅鑼3つ。
ブレイラよりも小さめだけど、やはり3階まである客席にかこまれ見下ろされてる。
けれど、舞台の奥行きは深く、立ち位置や向きの演出の変更が。


それが幸いしたのか。

緊張と一体感が、今までになく持続した回に。
こなれてきた手応えあり。


客席は前回よりもやや静か。
とても集中して見てくれたのかしら。
そして、
終演と共にっ、
スタンディングオベーション!



気持ちいいですね~



劇場を出て、不思議な味のするルーマニア風中華料理屋へ。

そこでの話し。

劇場の名前「バコビア」は劇作家さんの実名を冠したものらしい。
かなり作品はシリアスな重たいものが多く、当初は劇場も多く取り上げていたのだけれども、
革命後は、それまでの生活が厳しかったからか、明るく陽気な作品が好まれるようになったとのこと。
それで、バコビア市民劇場はコメディー作品の路線が最近続いているそうな。

そこに我らが「小栗と照手」の公演。
なるほどな、お客さん戸惑っていたのかもな~

けれども現地の方からは、逆に新鮮な刺激になったのでは、とのこと。


劇場のスタッフの方が、お土産に劇場企画コメディー・ワンマン・ショーの記念マグカップをくれました。
あっ、
そういえば、
ロビーに「Morio Kazama」の写真があった!!
来てたんだ~



トランシルバニアの山々を越え、
クルジュ・ナポカのマジャール劇場に到着。
ありました~
巨大なカラーの「OGURI&TERUTE」の10m超えポスター!

明日は初めてのオフです~。
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ブレイラ:マリア・フィロッティ劇場

2009-11-20 00:42:43 | 小栗判官・照手姫


ひと頃はヨーロッパの小麦の価格を牛耳るほどだったそうだ。
接するドナウ川には大型の船舶も停泊でき、
他国の文化を入り交じらせてきたブレイラの街。




一つ目の公演、終えました!


開演前には劇場支配人の女性の挨拶。
ベルではなくて、銅鑼を三つ叩く。これが本ベル、即開演。

シリアスなはずのシーンで笑い声がきたり、
役の者がはけるたびに拍手がきたり。
言葉の伝わらない中で、何を見に来ようとしてるのかが、つかめず新鮮で面白い。

客席には豪華なシャンデリア。
三階席まである客席は300人ほどの収容で、
高い天井、
近い客席、
見下ろされる快感と、
見上げ・見下ろす気持ち良さ!

声もどこにいてもよく通ります。
響きはマットなのに、舞台の音は全部聞こえる。
うまくできてる!
こんなところで、うたい・かたり・おどる事が出来るのは表現者冥利につきるだろな~



会場の前の方で始終クスクスと笑ってる一団が。
後で聞くと、演劇学校の生徒達(高校生!)だそうな。

ルーマニアでは音楽よりもなによりも、まず、演劇。から文化を育成しているらしい(オーケストラは地方ではお金がかかるそうだ)。
自国の文化の表現としての演劇、他国の文化を知る術としての演劇。



自分が表現者としてどう振る舞うべきか。



そのために、「若者の育成」が最も重要な課題なのだそう。


自分を知り、人をしる。
相手に伝え、相手から伝えてもらう。
しっかりとそこに演劇を見据えています。


終演!
カーテンコールとともに、スタンディングオベーションの嵐!
いや~っ、表現者冥利につきましたっ!!




そして、今日はランチに、
ドナウ川のほとりで、ナマズスープを食べました。
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ウィーンを経由して

2009-11-17 21:35:05 | 小栗判官・照手姫


ブカレストへ。
ルーマニアの首都です。


雨と曇り空のどんよりまさに東欧気分。
でも食べ物は美味しいですっ!

スーパーマーケットのお惣菜は豊富
ビールやワインは安い!(飲み比べはまた後ほど)
ハム・サラミ・ソーセージは食べ飽きず
スープの前にかじる青とうがらしは、辛さで味が引き立ち、
からだもぽっかぽか。さすが、寒い国の美味しさの知恵っ。


旅の2日目。
今日は最初の公演地であるブレイラに移動します。

地元の新聞にはプレビューが載って、
劇場の前には、なんと10m超えの巨大な看板が出ているそう。
ついでに国営テレビの中継も入るそうです。


さすが!日本〓ドナウYEAR!
はやくドナウ川、見てみたいな~。
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