ご隠居さん:自我や世間の枠にとらわれず、社会の潤滑油となりたいものです。 AI時代は 人間らしい自由な発想がカッコいい

年を重ね、経験を積むにつれ、その時々の思いも変わっていく。その足跡を残しておくために

リーダーたちの使命感と多様性

2021年08月09日 | 政治 経済 社会 憲法
コロナ感染が拡大する中、東京オリンピック一色の2週間が過ぎ、8/8の閉会式を終えた。
虚飾に満ちた招致から会場決定、大幅な予算超過、そしてコロナ禍に依る1年延期など色々と問題が多いイベントとなったと思う。
言わば、生まれも育ちも悪い名ばかりの「平和の祭典」、、、
その中で、8月6日の広島の平和記念式典で、菅義偉首相が国を代表するあいさつの中で、大切な部分を読み飛ばし、意味の通じない内容となった。これは単なるミスではないと思う。
大切な部分とは、「わが国は核兵器の非人道性をどの国よりもよく理解する唯一の戦争被爆国」という下り。
これとは別に、「核兵器のない世界に向けた努力を着実に済み重ねて行くことが重要です」という部分も読まなかったという。
政府は、「1ページ分が糊でくっついていて読み飛ばしたミス」と言い訳しているが、下見もしているだろうし、第一読みながらおかしいと気が付かないはずがない。
続いて、8月9日の長崎の原爆の日への参加も遅刻したという。
そのあとの会見でも、全国的な感染拡大をよそに、「ワクチン接種が1億回になった。東京オリンピックの主催国として責任を果たせた」と自賛する感覚がいかにも了見が狭い。
一国を代表して原爆慰霊祭に参加しているという自覚、オリンピックの意義をはっきりさせコロナ感染のリスクを総合的に判断して全体に責任を負うという覚悟が欠如していると思う。個人を超えた使命感!
思えば、安倍政権の時も、感情丸出しの国会答弁やお友達優先の組閣や政策には眉ひそめるような稚拙なスキャンダルが立て続けに起きている。一個人としての思いとは別に、国家をどう導くのか、という大きな使命感(職業的良心)が皆無のように思えてならない。
自分にはそれが無理と思うなら、首相の任を降りて1個人に戻ればいいことだ。
いつからこんなリーダーが生まれるようになったのか?
小泉純一郎首相の時、年金未加入が露見した際、「人生いろいろ、首相も一人の人間だ」とうそぶいていたのが印象的だった。
それを言っちゃオシマイ!
人生いろいろというのは他人事、自分はその中で責任を持って一つを選ばなければならない。
首相という使命をよく自覚していたら言えない!
今回のオリンピックでは、多様性とくにジェンダー(社会的性差)問題がクローズアップされた。



森会長の女性蔑視発言、大会関係者の女性ギャグやユダヤ人虐殺を揶揄した表現など、これまで見過ごされてきた日本社会の問題点があぶりだされた感じだ。
また東京OL.では、性的少数者(LGBTなど)の選手172人がカミングアウトしているという。(前回のリオOL.の3倍)
内訳は米国35人、カナダ17人、英国16人はじめ30ケ国に上るが、日本はゼロ。
今後、大きな課題となっていくだろう。見て見ぬ振で終わらせたくはない。



世界的に人間を含む自然界、生物全般への多様性の理解が進む中で、政治とは何か?とヒントになることが多い。多様性は「知ること、相手とコミュニケーションをとること」である程度の理解が進む。
政治とは、国内外のいろんな立場、相反する利害関係、進歩とリスクなど、矛盾する課題に対して科学的なアプローチ(普遍性)で情報を収集・分析して一定の方向性(客観性)を示すこと、それを国民に納得のいく説明(透明性)をしたうえで実行すること。そのためには、対立する主張とキチンと対話する姿勢が求められる。
なぜなら、政治の結果が悪かった場合に誰も責任を取ることはできないから、せめてある程度の普遍性、客観性、透明性を果たすことが責任であるからだ。
身近には、敗戦による莫大な生命・財産の被害・損害、福島原発の将来に続く被害・損害の原因とその責任の取り方を考えてみれば分かる。
所詮、政治の結果責任は何人と言えども取り返せるものではないのだ。
そういう意味で、安倍ー菅政権の説明と納得いかない独りよがりの権力行使は暴政と呼ぶほかはなく、これ以上許してはならない。
先日も安倍派の会合で「20円で一万円札が刷れるんですよ、皆さん」と積極財政をけしかけている。
また、首相在任中のプライマリーバランスの黒字化目標設定は「国際的約束ではなく、コミットメント:決意だ」と低レベルの言い逃れまでしている。
政治の堕落を思う時、ふと高校時代のことが頭に浮かんだ。
明治の学舎創設者(M10 西南の役に加担し服役の後、有志で私学舎を作る)たちの世界観、使命感に溢れた綱領が胸を打つ。

一、倫理ヲ正シ 大義ヲ明ラカニス
一、廉恥ヲ重ンジ 元気ヲ振フ
一、知識ヲ磨キ 文明ヲ 進ム
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