ご隠居さん:自我や世間の枠にとらわれず、社会の潤滑油となりたいものです。 AI時代は 人間らしい自由な発想がカッコいい

年を重ね、経験を積むにつれ、その時々の思いも変わっていく。その足跡を残しておくために

患者さま

2007年09月02日 | Weblog
病院でも「患者さま」という言葉が使われている。医療ミスをめぐる訴訟で、医者もびくびくしながら、日々の業務に追われて疲れ、それがまたミスを引き起こす。
同じことが、学校教育の場でも起きているようだ。
医者と教師は、少し前まで聖職などと呼ばれ、外部から信頼され、高度な専門・倫理家集団として世間で通用していた。
それが、「患者のため」「生徒のため」という大義名分で、マスコミや世論の批判の的になってきた。
これらは、ビジネス界の顧客重視(市場主義)の流れの延長線にあると言えよう。
先日も、ある会社の経営方針で「お客様の声は天の声」「顧客のニーズを・・・」という外部を意識したアッピールを掲げていた。そして、「まじめにやれば報いられる」と社員の尻をたたくことも忘れない。
多分、本音は商売相手の“客“の求めそうな製品(サービス含む)を提供して、儲けを大きくしたい、という経営者の気持ちの表れだろう。
 この目的のために、社員は粉骨砕身して努力せよ!それに失敗すれば、競争に負け、会社存続も社員の生活も成り立たないのだ。→ 顧客重視を、経営者の論理に利用している?
 スーパーの深夜営業、宅配の時間指定も、社員にムリを強いているのでは?
顧客と経営者に支配(?)されながら、毎日汗水たらして働く社員(労働者)の立場は、これ以上持ちこたえられないくらいひどくなってきている。
その一つが、内部告発という形で悲鳴を上げて出ているのだろう。
お菓子の賞味期限切れ、食肉加工会社の表示詐欺など企業の不祥事の火元は、内部告発が絡んでいると言われる。
 つまり、大企業はもちろん、小規模企業でも、内部の社員が待遇面だけでなく、道義上も不満足な状態に置かれていることが十分に考えられる。
 このことは、家電、PC火災など頻発するメーカーのクレームにも関係しているかもしれない。
最近、この行き過ぎた「顧客重視(市場主義)」の反動なのか、「従業員満足」「働きやすさ」などの指標で企業のランキングを出すような動きがでてきたことはとてもよいことだ。
 内部で働く社員が、会社の方向と仕事のやりがい(使命感)に誇りをもてることこそ、大きな意味で顧客満足にもつながると信じたい。
会社は株主だけでなく、利害関係者Stakeholder(もちろん従業員も)のものという日本的経営が見直されている。これが持続可能な普遍的な考え方のはずだ。

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