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国籍

2008年06月09日 | 企業と仕事 
最高裁が外国人母との未婚の子(非嫡出子)に国籍を認めていない現「国籍法(1984制定)」は、憲法14条”法の下の平等”に反して違憲、という判決を下した。
国籍取得の基本条件:
・母親が日本人であれば未婚でもOK
・母親が外国人のとき、結婚が条件(嫡出子)+胎児の間に日本人父が認知でOK

今回は日本人男性/フィリピン人女性の訴訟に対する原告10人の勝訴となったが、
同様の非嫡出子(数万人いるとか)については国籍法が改正されるまで適用されない。
これとは別に、日本人の父が養育・認知拒否のため、故郷フィリピンで極貧生活をさせられている”新日系人”が数万人いるという。(2007/4マニラ発News)
最盛期には年間8万人以上のフィリピン女性を歌手・ダンサー名目で風俗産業で受け入れてきた後遺症といえるものだ。1980年代の温泉観光地には外国人のショーが花盛りと言った感じだった。
今、各地の製造業の現場では、フィリピン人、ブラジル人、中国人、ベトナム人抜きには、生産が成り立たない状況だ。
プレス加工、メッキ処理など比較的条件の悪い仕事は、日本人若者が定着しないこともあり、外国人が主流になっている会社が目立つ。
とくに名古屋から静岡、関東周辺のメーカーでは大きな戦力として、地域産業を支えている。浜松市の鋳物メーカー:現場責任者はフィリピン人で日本人女性との間に家庭を持ち、現場を仕切っていた。他に会社に寝泊りする外国人が常時数名いた。小学校でも、日本語教育など、外国人対策に頭を悩ませているとの記事があった。
ここ数年は、中国人の研修生を雇う会社が多く、住居をあてがい、安い労働力として重宝している。(日本の大手メーカーの競争力を支える構造の一端でもある)
2007年末の外国人登録(3ケ月以上在日)で、中国人が約60.7万人と、初めて韓国・朝鮮59.4万人を抜いてトップとなった。以下ブラジル31.7万人、フィリピン20.3万人。中国人は1997からの10年間で約3倍にも増えている。
中国政府系シンクタンク(社会科学院'07report)の発表では、中国の移民は151ケ国計3500万人、世界最大の民族集団で現在も急増中という。
2000-05年にアメリカへの移住35.5万人、カナダ約30万人など、中国はmade in Cinaだけでなく、先進国を中心に労働現場でも存在感を増している。
移住先での摩擦も多い。
EU後進国ルーマニアでも、国内労働者の流出の穴埋めで中国人を雇用、賃金・食事などの改善要求でストライキ。
ロシア極東でも中国人流入で「事実上占領か?」と警戒感。
イタリア最大の商都ミラノでもチャイナタウン化している中国人への規制強化に「反乱」を起こしたNewsもある。中国人商店数500、移住者13,000人以上に膨れ上がっているという。中国人は夜昼なく働き、働かないイタリア人にもねたむ気持ちがあるとか。
日本でも同じような状況が進行しているように思える。
東北の会社でも、「中国人が川をせき止めて、勝手に鮭を取った/スーパーの小麦粉を中国人が買い占めた」など、顔をひそめる経営者がいた。
国家間の経済格差→工業製品・農産品の流入、労働力の移動、そして定住というグローバリゼションの急な進行が、島国日本でも現実のものとなっている。

政治や社会制度(法律、年金など社会保障含み)も、生活面からグロ-バリゼーションの波に目を向けることが必要だろう。
国籍法の改正もその一環になるといい。

後記:2008.12.6
「改正国籍法」が5日の参院本会議で成立した。
6月の最高裁大法廷での判決が、このきっかけになったが、これで、日本人父と外国人母の間に生まれた子は、未婚・出生後でも、父の認知があれば国籍が取得できる。
偽装認知の懸念もあるが、偽装結婚173件(5年間)に対し、偽装認知は3件と今のところ少ない。(警察庁報告)



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1 コメント

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Unknown (ベトナム大好き)
2008-06-12 00:30:07
べトナムでも労働者の定着は良くありません。
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