ご隠居さん:自我や世間の枠にとらわれず、社会の潤滑油となりたいものです。 AI時代は 人間らしい自由な発想がカッコいい

年を重ね、経験を積むにつれ、その時々の思いも変わっていく。その足跡を残しておくために

井の頭自然文化園

2016年07月09日 | 私生活 雑感
一昨日、友人に誘われ、初めて井の頭公園に行った、
一度行ってみたかったが、花見シーズンは大混雑とかで敬遠していた。
思ったより広大で、動物園、水生物園、湧水の池があり、まさに都民のオアシス!
江戸時代、7つもの湧水があり、七井橋というのも残る。家康が鷹狩りの際、点茶の水につかったという御茶ノ水池と呼ばれた池もある。ここの水は神田川に引かれ、江戸の飲み水として利用されていた。

最寄り駅の吉祥寺が、人気スポットとして、賑わっている理由が分かったような気がした。
動物園のお目当は、6/26日69歳で亡くなったゾウの花子さん。1949年戦後の混乱の中で、2歳でタイから贈られ、子ども達を励まして来た。不幸にも、折に入った人と飼育係を殺してしまったという事故も。
役目を立派に果たして、惜しまれて去って行ったとのこと。



思いがけない感動があった。
公園の一角に、彫刻館が整然と佇んでいる。A/B館に分け、素人目にもただモノではない石こう・ブロンズ像が並んでいる。
屋外にも、惜しげもなく重厚な彫刻が立つ。見出されたという3部作

B館の出口の案内で、「北村西望」という文化勲章受賞者の専属展示館だと知った。
道理で、見ごたえのある作品!
長崎の平和公園の祈念像の作者といえば、一番ピンとくる。
その制作アトリエが、当時のまま保存され、北村氏の考案した「石こう直付け法」の現物による説明付きで展示されていた。
一流の彫刻家、鋳造専門家のプロジェクトを組んで、1/20模型など、何回も修正を加えながら、2年間かけて完成。
祈念像の高く掲げた右手は原爆を、水平に伸ばした左手は平和を、目は被災者の冥福を祈る。
作者の言葉「是 人種を超越した人間、時に仏 時に神、長崎始まって最大の英断と情熱、 今や人類最高の 希望の象徴」とある。
制作中には、いろんな誹謗中傷や迫害、脅迫があり、長崎市からの予算が打ち切られそうなこともあったとか。
この1/20原型を、そういう目で見ると、北村氏の平和への強い思いが伝わってくる。
1987年102歳で逝去。
制作過程で出る余り木を組み合わせて、装飾作品として楽しんでいたという。アイディアマンでロマンチストだったようだ。

これだけの内容なのに、観客はほんの数人、しかも無料とは! 実にもったいない話ではないか。

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