棋楽庵の九州将棋ふまわり日記

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■早咲World-No.007 大分県将棋選手県大会A級決勝-対村谷一文戦(S63.11.13)

2006年09月11日 | ◆早咲World
★早咲World-No.007
 大分県将棋選手県大会A級決勝-対村谷一文戦
 (昭和63年11月13日)

[自戦解説:早咲誠和]

▲村谷一文
△早咲誠和


▲7六歩    △3四歩  
▲4八銀    △4四歩(A:第1図)  
▲6八玉    △3二銀  
▲7八玉    △4二飛(B)  
▲5六歩    △6二玉  
▲5七銀    △7二玉  
▲5五歩(C) △8二玉(D)  
▲5六銀    △7二銀  
▲6五銀    △4三銀(E:第2図) 



(A)まだ昭和の時代の対局。早咲さんは中学3年生(15歳)。村谷さんは大分
   の大会に出始めて間もない頃。今であれば△4四歩では△8四歩だが,当時
   は振り飛車の採用が多かった。
(B)やはり今だと居飛車にしたいところ。先手の玉の移動が早すぎる。
(C)早い5筋位取りはかまいたち模様。しかし,当時大分県でかまいたちを指す
   人はいなかったところをついた村谷さんの作戦勝ち。
(D)この手が緩手。△5ニ金左▲5六銀△6四歩として先手の▲6五銀を防ぐべ
   き。
(E)悪手。まだ△4五歩▲4八飛△3三角としておくところ。


▲5八飛    △5二飛  
▲5六飛    △3三角  
▲6八銀(F) △3二金  
▲5七銀    △2四角  
▲6六銀(G) △4五歩  
▲9六歩    △9四歩  
▲7七角    △5一飛  
▲7五銀    △3三角  
▲5九金右   △4四銀  
▲6六銀    △4三金(第3図)


(F)飛車の転換で後手の飛車をくぎ付けにしての駒組。こうなっては後手から手
   が出せない。先手ペースに。
(G)この二枚銀で後手の動きを止める働きがある。


▲6八金右(H)△1四歩  
▲1六歩(I) △5二飛  
▲8六角    △5一飛  
▲8八玉    △2四角  
▲7八金上   △4二角  
▲7七角    △3三角  
▲9八香(J) △5二飛  
▲9九玉    △8四歩  
▲8八金    △8三銀  
▲7八金右   △7二金(第4図)


(H)金が縦横に並ぶ形は堅い。
(I)端歩は大きな手。この歩が突けるかどうかは精神的な余裕にもつながる。
(J)先手は穴熊に。ますますやりたい放題。


▲7五銀    △6二飛(K)  
▲5四歩(L) △5二飛  
▲5三歩成   △同 金  
▲5四歩    △4三金  
▲6六銀    △2四歩  
▲5五銀(M) △同 銀  
▲同 角    △同 角  
▲同 飛    △4四銀
▲6一銀(N:第5図)



(K)やってこいという手。
(L)それならと開戦だが,ここは▲3六歩~▲3七桂と右桂馬を跳ねておけばそ
   れまでだった。本譜は右桂が使えないことから後手にも楽しみが生じてき
   た。
(M)勢いのよい手。ただ,▲3六歩~▲3七桂としておけばほぼ終了の形だっ
   た。
(N)急所の割打ち。当時の観戦記では▲6一角も有力と書いてある。


        △1二飛  
▲7二銀成   △同 銀  
▲5九飛    △4八角  
▲5八飛    △3九角成(O) 
▲5三歩成   △同 金  
▲2三角    △1三飛  
▲5三飛成(P)△同 銀  
▲3四角成(第6図)




(O)馬ができて後手にも楽しみがでてきた。
(P)好手。いじめられるのは目にみえているので捌いたほうが得。


        △5九飛(Q)  
▲2三金    △同 飛  
▲同 馬    △6一金  
▲2二飛    △5七馬(R)  
▲2一飛成   △6九銀  
▲3三馬    △7八銀成 
▲同 金    △7九金  
▲8八金打   △7八金  
▲同 金    △2九飛成(S) 
▲7五桂(第7図)


(Q)攻防の飛車打ちで難解に。
(R)この馬の位置が穴熊崩しの急所。
(S)緩手。当然△7九金から千日手を狙う所。


        △7九金  
▲8八馬    △7八金  
▲同 馬    △5一歩(T)  
▲2二竜    △6二銀  
▲8八金    △8五桂  
▲5三銀    △7五馬  
▲6二銀成   △同 金  
▲7五歩(U:第8図)




(T)△7九金は詰めろにならないので当然の受け。
(U)疑問手。▲同竜△6一金▲同竜△同銀▲7五歩(参考1図)で先手優勢。















        △6一金打 
▲8六歩    △7七銀  
▲8五歩(V) △7八銀成 
▲同 金    △4四角  
▲6六角    △同 角  
▲同 歩    △8六桂  
▲8八金    △7九角(W:第9図) 





(V)▲同金△同桂成▲同馬で先手優勢。
(W)後手の猛追で詰めろがかかった。

 
▲8七金打   △8八角成 
▲同 金    △7八金  
▲8四歩(X) △8九竜(Y)  
▲同 金    △8七桂(最終図)  
まで、142手で早咲さんの勝ち







(X)敗着。▲8七銀(参考2図)でも残っていた。
(Y)夢のような逆転劇。しかし序中盤の課題が残った将棋である。















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