安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

静かな願い

2013年02月05日 | 月刊ブログ
 今年の節分は日曜日だったこともあり、何年かぶりに夫と息子と三人で豆まきをしました。大人ばかりの豆まきは、なんとなく照れくさくて、でもちょっとだけ幸せな気分になりました。今年も1年、無病息災、お願いします!
 立春を過ぎてもなかなか春は訪れません。
 写真のチューリップは、一足早く私たちに春を感じさせてくれます。高貴で凛々しくて、なおかわいらしい、みんな大好きなお花です。
 早く春が来ないかと待ち遠しい気持ちになります。

 先月末に、長崎校の卒業論文発表会が行われました。会場は、長崎ロイヤルチェスターホテル。
 学校では、在学期間の約4割を実習に当てて、より実践に即した授業を行い、卒業後は即戦力になれるよう指導をしています。その実習を通して学んだことを、それぞれの言葉で発表しました。
 私は、この学校の学生ほど密度の濃い学校生活を送る人は、他にいないのではないかとこの毎年の論文発表を聞いて、思うのです。現場での体験は、学生たちをぐんと成長させてくれました。現場で接する人はその道のエキスパート。叱られたり、悩んだり自己嫌悪に陥ったりは日常茶飯事。また、ある時は、お客様から「ありがとう」と言ってもらえてとてもうれしかったこと、それらすべてが、学生たちの血となり肉となって成長させてくれたのです。
 
 発表を聞きながら、目頭が熱くなりました。実習での出来事が手に取るようにわかるのです。「緊張で足がすくみました。」そんな言葉には彼女の実習に対する真剣さが伝わってきます。この学校の実習は、ブライダルも葬祭もすべて本番だからです。
 
 論文発表会では、サプライズがありました。昨年卒業して、「長崎ロイヤルチェスターホテル」に勤務している先輩たちから、発表した後輩にお花を用意してくれていました。発表した2年生は、次の1年生にいろんなことを教えて伝えてきたのですが、その彼らも、1年生のときに先輩から教えられ励まされてきました。教えるということは、自分がちゃんとできてはじめてそれを伝えることができるのです。それに自分の心に余裕がなければ他人のことなど指導できるはずもありません。この体験も、自分自身を大きく成長させていくきっかけになったに違いありません。
 1年生のときに教えてもらった先輩が用意してくれたお花は、「2年間お疲れ様でした」の意味が込められていたのです。先輩後輩ずっとつながっていっていたのですね。
ここで体験したこと、学んだこと、これからそれぞれの仕事に生かしてくれることを願っています。
 プレゼントされたお花の中には、真紅のチューリップも入っていました。春が少し近づいてきたようでした。
 

 実家の母は、先月から近くの介護施設のデイサービスに出かけるようになりました。一日中一人でテレビばかり観ているよりも、温泉を利用したお風呂に入って、みんなと昼食をとって、ゲームをしたり歌を歌ったりするのがどれだけいいかわかりません。
 しかし、母自身が無理をして行っているのではないかという不安はいつも私の頭から離れずにいたのですが、先日、母とゆっくり話す時間が取れて、お茶を飲みながらあれこれと昔話などしていると、突然母が、「行ってよかったよ」とポツリと言ったのです。私は、その言葉を聞いて、やっとほっとしました。無理やり我慢して行っているのだったらかわいそうだと、誰にも言えずに心の中で思っていたからでした。
 元来、陽気であどけなさが残る母でしたが、このところその表情が曇っていることが多いのが気になっていたので、この私をこの世に送り出してくれた母が、元気を取り戻して、以前のように私を叱り飛ばすくらいになってくれたらと思ってしまうのでした。
 
 1月生まれの母は、早速、施設でのお誕生会で、いい香りの水仙の鉢をいただいてきていました。
 もうすぐ春が来るよと教えてくれる、冬の終わりがけの香りでした。
 
 photo by mizutani

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