キャノンAE-1ボディ、50mmF1.8、28mmF2.8、135mmF2.8(レンズはキャノン純正)、ケンコーテレプラス2×。この5点でいくらでしょう。買う話ではありません。いくらで引き取ってもらえるでしょうかという話題です。
古いフィルム式カメラ一式。結婚して使う機会がなくなり、やがてデジタルカメラの時代になり、眠らせておくだけの状態でした。自分では使う気もありませんが、まだ電池は生きている(不思議!)ようで、電磁レリーズもちゃんと作動します。
高く売って儲けたいという気持ちはまったくありません。極端にいえばタダでもいい。粗大ゴミになってしまうのが忍びないだけなのです。趣味的にフィルムカメラを使いたい人に、いえ、パーツを取り出して使うだけでもいいから、こいつらにはもう一働きさせてやりたいという願いです。
とはいうものの、うっかりお店に持っていって、「これだけ古いのはねぇ…」なんて言われるのが怖くて、何年も実行できずにいました。この秋、一大決心をして近所にあるカメラのキタムラへ行ってみました。
応対してくれた女性スタッフは開口一番、「カメラ本体はねぇ値段がつかないんですよ」いや、値段なんていいのです。「お引取りできません」とか、「置いていってもらっていいですけど、粗大ゴミとして回収業者に出すだけです」と言われなきゃそれでいいと思いました。
査定には少し時間がかかるということだったので、いったん帰宅して電話を待ちました。
AE-1を買ったのは1979年。大学に入った年の夏でした。肉体労働で貯めた5万円を持って、折込広告にあったオリンパスOM-1を買いに大手量販店に向かっていました。OM-1といえば、大場久美子が透明な傘の中で振り返るCMでしたね。あれを買う予定でした。ところが、駅から量販店に向かう途中に写真専門店があって、高校の同級生の女の子が働いていた。タイミングよく(悪く?)彼女に捕まってしまい、OM-1と同じ金額でAE-1を買うことになってしまいました。AE-1のキャッチフレーズは「連写一眼」
シャッター速度優先AEという、他のメーカーの同価格帯にはないAEでした。友人のカメラは絞りを自分で決めてシャッター速度がついてくるのに、私のはシャッター速度を自分で決める。
標準レンズ一本の一眼レフからスタートしたのでした。
(つづく)
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