
富山に行くことがあれば、庄川水記念講演というところへ行ってみたいと思っていました。「水記念」ってどういう意味なんだろう、水の何を記念しなければならないのだろうという疑問があったからです。
ちょっと不思議なこの名前の公園を知ったのは、これも火野正平さん。いつぞやの「こころ旅」でこの公園のどこかで視聴者からの手紙を読んでいたのを覚えています。番組サイトで確認をすると、2014年の5月のことのようです。へぇ、6年も前のことかと驚き。
鉢伏山から下界に戻って、庄川を上っていく。ほどなく庄川記念公園に到着したのでした。コロナ禍とはいえ、土曜日の昼ごろの話。駐車場はほぼ満杯。鮎を食べさせるらしい料理屋も満席の模様。
クルマを下りると、古びた感じのダムが目に入ります。庄川合川ダムといって、1939年に完成した歴史的なダムだそうで、登録有形文化財になっています。地図で砺波平野を眺めると、扇を開いたような平野の根元にあたる場所にこのダムがあり、ダムによって、平野の農業用水を潤沢に送れるようになったとのこと。それで水記念公園なのかと納得しました。
ダムから川を上っていくと、不思議な緑色のダム湖。そして、かつて火野さんがこの辺りでお手紙を読んだらしい場所にもたどり着きました。辺りには彼岸より1週間ほど遅いのに、彼岸花が見頃です。鮮やかな花と緑とダム湖の深い緑。いい色合いです。ダムによって作られた湖なのでダム湖と呼ぶしかないのですが、イメージは池に近い。
そしてびっくりしたのが鯉恋の宮という、これまた近代的な神社。打ちっぱなしのコンクリートとガラス、赤い色の幟。昨夜の、恋人たちの聖地モニュメントといい、カップルを呼び込もうとする意気込みがよく感じられます。
鯉恋の宮の派手さを除けば、どちらかという落ち着き気味の水記念公園でした。
(つづく)