ぶろぐのおけいこ

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切符が買えない おっかなびっくりe5489(1)

2025-03-09 18:07:07 | PiTaPaで歩く
 そもそもきっぷ一枚が買えないというところからこのお話はスタートします。
 私は自分があの分厚い時刻表が読めるということがちょっとした誇りでした。今の人たちはスマホで検索をかければ、何時に家を出てどこで乗り換えて運賃がいくらで…とすぐに調べがつきます。それは便利だけど、同時に地図が頭に入らないことでもあります。いろいろな可能性を考えながら、ルートを決めるという作業自体が楽しいのではないかと思っている口です。
 時代は平成になり令和になり、気づけば「切符を買う」という行為がなくなってしまいました。日常、電車に乗ってもPiTaPaを使うので、行き先を確認して切符を買うという動作がありません。今乗った区間の運賃も知らないまま過ぎていくのです。PiTaPaは関西人ですが、名古屋圏に行っても首都圏に行っても同じように使えますから券売機というものに近づくことがなくなっていました。新幹線に乗るときはたいがいご主人様が切符を用意してくれるので、自分で切符を買うことはありません。JRのどこかの会社がみどりの窓口を削減して批判を受けたという話題もありましたが、他人事でした。
 このたびカニを食することになり、城崎の少し向こうまで日帰りで出かけることになりました。冬場のこと、雪の心配もあるので電車かバスで一往復しようと思いました。おいしいものを食べるのに、「ビールの一杯くらい飲みたい」という欲望もあります。まだ少し先の話なので、見当だけつけておこうと調べ始めると、自宅からだと大阪を通るよりも京都経由のほうが近いということが、まずわかりました。そして京都から城崎へ往復する高速バスはないらしい。じゃJRの特急ね!と調べたら、そんなに本数があるわけではないことがわかって、選択肢はない。きのさき1号に乗るしか食事時間に間に合う方法はない。しかも特急「きのさき」は全席指定。在来線特急にも自由席はあまり残っていないみたいです。

 じゃ、早く座席を押さえなければと思い、作業を始めてみました。Webサイトを開いてみる。JR西日本がいう、e5489とEX予約とスマートEXの三種類があるようなのですが、どれを使ったものかわかりません。WESTER会員って何よ?チケットレスサービス?このあたりのことを理解するのにほぼ一日かかりました。JRの側からすれば窓口の業務を減らしてコストカットしようという目論見だと思うのですが、客側はそれについていくためには相当の力量が求められます。WESTER会員の登録をして、個人情報やカードの情報を入力して、切符が無事に取れたら、発車までに駅の券売機で発券をしてもらうこと。どうもそういうことらしい。
 私の場合、年齢が年齢なので「おとなび早特」というサービスが受けられて2割引きだそうです。そういう企画乗車券ですから制約もあるらしい。

 数日後、駅まで行って券売機で切符をもらってめでたしめでたしだったのですが、よく考えると結局、駅まで切符を取りに行く手間がかかるわけでしょう。駅の窓口で「向こうにこの時間くらいに着きたい」と言って切符を売ってもらえれば初心者もラクなのにね。スマホで予約とかチケットレスとか、日ごろから普通に使う人にとっては慣れるほどラクでお安くなるのでしょうが、年にいっぺん使うかなくらいの頻度の者には、スタート地点に立つまでにとても時間とエネルギーと集中力を必要とします。林望さんも『節約を楽しむ』(朝日新書)のなかで、「サービス業の世界で、サービスする人間がいなくなってしまって、すべては機会と人工知能が代行する、というまるで二昔前のSF小説じみたことになってしまったという現実は、本当に私どもの為になっているのであろうか。」と疑問を投げかけています。断言してもいいけど、私が次回きっぷを予約する時、きっとまた初心者に戻っていますよ。

(つづく)



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