特急きのさき おっかなびっくりe5489(2)

　 いよいよお出かけの日。寝坊をせずに予定の電車に乗って京都駅に着きました。改札機に例の特急券と乗車券を通して無事に入場。山陰線ホームではきのさき１号がスタンバイしています。朝ごはんがまたでした。乗車の前にうどんを食べましょう。

　なぜか、電車で遠くへ出かける時にはうどんを食べたくなります。そばではあかんのです。ホームの横のうどん屋さんできつねうどんを注文。7時半ごろのことですが、店内は女性のかたが案外目立ちます。そういや、近鉄の京都駅の改札口の内側に麵屋さんがありましたが、今朝はシャッターが下りたままでした。7時台では開店前なのかなと思いましたが、小さなショーウィンドーに品物も見本がないのが不思議な気もしました。

　きのさき１号は本日増結で7両。朝からたくさんの人が城崎方面へ出かけるのかと思っていましたが、私の乗った車両は20人ほどの乗車でした。その大半は外国人のように見えましたが、話し声もあまり聞こえてこないので、どこの国の人かよくわかりません。優等列車なんてめったに乗らないものですから、珍しくてきょろきょろおのぼりさん状態です。

　287系電車は窓が広くていいですね。前席の背面、つまり私の目につくところにチケットレスサービスの案内パンフが置いてあります。合理化で窓口どころか切符すらもなくして座席を売ろうという魂胆ですね。ただ、やはりこの案内を念入りに読んでもe5489とWESTER会員の違いがよくわかりません。二つ折りのパンフレットを開いてみると「チケットレスサービスを早速使ってみよう」ですが、サービスの入り口で躓く人が多いのではないかと推測します（自分がそうだったからといって、世間の人もそうだと決めつけるのも悪いけれど）。

　ふと、窓辺に置いた切符を入れる封筒？が目に入る。「JRのきっぷは、ネットでカンタン予約！」と封筒に書かれているのが嫌味にしか思えません。

　車内アナウンスは生の男性車掌のものと録音音声の女声とがありました。生のほうでも日本語の案内のあとに英語案内。外国からのお客さんが多いということでしょうね。この列車は特急券がないと乗れないというようなことを何度も聞いたように思います。嵯峨野嵐山方面に向かう慣れない外国のお客さんが乗り込んでしまうということなのでしょう。

　京都盆地を抜けて保津峡のトンネルに入るまでは滑るように走る電車ですが、トンネルに入った辺りからほんの少し横揺れを感じます。

　八木あたりから濃い霧が出てきました。ロングレールではない、あのガタンガタンという音が懐かしい。もちろん遮音性の高い車両ですから、耳に障るということはありません。京都を出て約1時間で綾部到着。衣料のグンゼ発祥の地だということを、2014年の夏に通ったとき覚えました。もう10年も前のことのようです。このブログにも記事を書いていました。その記事を読み返してみると、平日に18きっぷでやってきて、京都から園部まで221系で約45分、約30分の乗り継ぎ時間の後、園部から綾部まで223系5500番台で約1時間と記しています。とすると、やはり特急料金はエライもんですね。綾部到着前のアナウンスが、「今日も特急きのさき号をご利用いただきありがとうございました。まもなく綾部、綾部です。」「今日も」と言っても、私はきのさき号に乗るのはまったく初めてなんだけどと、苦笑いをしてしまいました。

　福知山駅到着直前で、福知山城が見えます。これも霧の中。やや幻想的。綾部から先、列車に乗るのは何十年ぶりだろう。ネガの記録を確認すると1982年2月6日に京都から竹野まで普通列車に乗っています。竹野の民宿でカニを食す親戚一同に合流するために京都から旧型客車（機関車はたぶんDF50）に乗りました。4時間くらいかかったのでしょうか。今は福知山駅は立派な高架駅です。昔は広い敷地に線路がいっぱいあって気動車や客車、機関車がたくさんいたような気がします。鉄道管理局が置かれた福知山ですからね。隣のホームには北近畿タンゴ鉄道。特急の2両編成。ん？どこかで見たような車両。

　JR東海のキハ85がタンゴ鉄道に再就職していたのでした。私が乗った車両からは海外からと思しき10人ほどのお客さんが下車。タンゴ鉄道に乗って、それもキハ85改めKT8500の特急丹後リレー号に乗って天橋立に向かうわけですね。京都駅から特急を乗り継ぐと天橋立まで2時間。JAPAN RAIL PASSを持っているお客さんは福知山までは特急料金もかかりませんから天橋立も京都から日帰り圏というわけです。

（つづく）