右足の膝から下を固定されているので病院では車椅子が日常の足です。毎日使っていれば操作も慣れるし、トイレやシャワー、売店に行くにもラクチン。不自由な松葉杖よりずっと使いでがあります。こぼれるものは無理ですが膝の上に置けばモノの持ち運びも楽(残念なのは売店ではコンビニのようにカップ式のコーヒーを売っているのですが、車椅子では持ち帰れないことです)。その点、松葉杖はモノが持てません。事故から入院まで自宅で二晩過ごしましたが松葉杖を使うときはズタ袋を首からさげておかねばスマホも小物も持てません。装具をつけてもらい、「杖で歩けるように練習を」と言われても、完全に車椅子をさよならはできないのでした。
車椅子生活をしてみて病院は車椅子の患者のためにはできていない(いやいや、言い過ぎだ)、車椅子患者のことを考えていないわけではないけれども、まだまだ進化が必要だという感想を持ちました。オストメイトを兼ねた車椅子用のトイレは作ってあります。通常の患者用のトイレにも小便器の左右に取っ手のついたトイレがあります。車椅子患者も小便器の前まで行って取っ手につかまり用を足せばいいのです。便利なようにトイレの入り口に一番近い小便器に設定してあります。がしかし、その車椅子が通路を邪魔してしまうので、他の患者の出入りを邪魔してしまう。たぶん、この取っ手は松葉杖の人やふらつく患者のためのものなんでしょう。さらに、使用後手を洗おうとする。手洗いのボウルの下は収納できるようになっていて、いわば一般の家庭の手洗いと同じ。車椅子の人が手を洗おうとすると、車椅子の足置きが邪魔して蛇口まで手が届きづらい。車椅子の車軸から足置きの先までは1メートルくらいありますから。その足置きの当たる位置に傷がたくさんついているということは、過去にも多くの車椅子患者が、この手洗いを利用しようとした証拠です。手洗いのボウルの下を車椅子用にえぐった構造にしておいてくれれば車椅子でも使いやすいのにね。杖で行動するようになって気づいたのですが、このトイレの手洗い場は車椅子のことを考えていないわけではないのです。鏡がわずかに下を向いて設置されていて、背の低い車椅子患者にも見えやすいようには作ってあります。また洗面所では、車椅子でも利用できるものがひとつ作ってあります。流し台がやや高く作られていて、その下に車椅子の肘から下がすっぽり入る。そして鏡はかなり傾斜がつれてあります。だからまったく考えてないわけではないのですが。
じゃ、病室の手洗いで洗おう!と思って帰ってくるとやはり、手洗いのボウルの下に収納用の扉があって車椅子使用者の手から蛇口までが遠い。トイレのほうは車椅子生活者のためのトイレが作ってあるのでそちらを使うにしても、病室の手洗いはその部屋の患者が使うことを考えると改善の余地はあるのではないか。
病院の飲料自販機は外部の業者が設置したものでしょうが、車椅子でもボタンが押せるように高さの工夫がしてあります。一番上の段の飲み物がほしいときにも押せるように低い位置にもボタンがつけてあります。
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