ぶろぐのおけいこ

ぶろぐ初心者は書き込んでみたり、消してみたり…と書いて19年目に入りました。今でも一番の読者は私です。

倚松庵

2012-09-26 07:59:02 | PiTaPaで歩く

 夏に訪れたものの、平日は休館で入ることができなかったので、彼岸の声を聞いて再度挑戦しました。
 実は、中に入るのはこれで2度目です。前回はデジカメの記録によると5年ほど前。次男と歩いていた時にたまたま見つけて入ってみたのでした。それが谷崎潤一郎のかつて住んでいた屋敷だとは入ってからわかったのでした。


 今回は、暑い夏を通り過ぎた後ということもあるのでしょう、風が気持ちよく感じられました。二階の畳の上に腰を下ろしていると、ついウトウトとし始めました。それくらい気持ちがいい。今回気づいたことのひとつは、この建物には風が通る仕組みがあるということ。和室には、窓や障子の上にもうひとつ、障子のようなものが作られていて、熱い空気が抜けていく工夫がされていたことに気づきました。倚松庵は、もともとはここよりさらに海に近いところにあったそうです。海風や陸風が心地よく吹く土地でしょうから、風をうまく利用するようにできているわけですね。二階の8畳の部屋にも同じ仕組みがあるのですが、雨戸を閉めても、上の窓から光と風を通すことができます。


 もうひとつ気づいたことは、窓は光たっぷり採ることができるように工夫されていること。また、窓の数も多くて、とても室内が明るい。今風にいえばとてもルーミー。この建物が建築されたのも阪神間モダニズムの定義に入る時期です。当時の「モダン」を取り入れた建築なのかもしれません。しかし、谷崎はこの家を借りた人ですから、谷崎のアイディアではないようです。


 小林一三氏は阪急神戸線沿線を開発し住宅販売をする時に、完全な洋式の家屋はこの土地では喜ばれないと言ったそうです。この倚松庵も和風の家屋ですが、洋室が二間作ってあります。
 この建物の中で谷崎が松子婦人と生活をし、執筆活動をしていたとして、気になることが一つあります。そんなに豪邸といえるほどの広さもないのですが、収納スペースが意外に少ない。この建物とは別に収納用の建物なり小屋なりがあったのでしょうか。それとも、昔の人は、今の人ほど「ものもち」ではなかったということでしょうか。


  帰りがけに係の方に、とても気持ちがよくとウトウトしかけたと言ったら、「今が一番いい季節なんですよ」と教えてくれました。


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