女性の品格 装いから生き方まで
板東眞理子
PHP新書
昭和女子大学副学長である板東眞理子さんが、装いから生き方まで広い方面で、あるべき女性の品格について述べた本。こういう言い方ができようか。いわゆるマナー本である。しかし、マナーだけに留まらない面白さがある。
ラジオの番組で紹介されていたこの本を、面白そう、読んでみたいと思って、書店に出かけたものの、タイトルと内容で買うのをためらってしまった。こういう気持ちは、「オニババ化する女たち」(光文社新書)以来である。やはり、男が買うには恥ずかしさが伴う。ところが、不思議なことに文中でその違和感はほとんど感じない。確かに身だしなみや服装については女性向けなのだが、男の私が読んでも、ほとんど自分に当てられたメッセージのように読める。
女性の品格について書いたつもりたが、結果的に、人間の品格とは何か、品格ある生き方とは何かについて考えざるを得なかったと、筆者は記す。 「国家の品格」(新潮新書)が大きなヒントになっているのだろう。品格ある国家は品格ある個人の存在が前提だと、筆者はいう。その意味では本書は「国家の品格」への筆者のアンサーでもあろう。だが、書名で成功しているともいえる。この本を女性に薦めると、「私には品格がないからか?」と必ず反応がある。品格という言葉には、誰でも敏感だから、手にとってしまう、読んでしまうという方程式が出来上がる。
仲間だけで群れるなというくだりがある。群れているうちに自分自身で判断しなくなり、正しいことは何か、自分は本当は何をしようとしているかに向き合わなくなるからだという。ウン、スバラシイ。複数のグループに属すと、自分が一つのグループの中だけで生活しているより視野が広まり、自由度が増すと。ナルホド。
花の名前を知っているということは、自然をいとおしむ態度に繋がる。花や木の名前を知っている人は、自然を丁寧に観察している人だ。アンマリ花ノ名前ヲ知ラナイモンナ。
同様に、食べ物でもファーストフードやコンビニのパックものが増えた。でも時にはそうしたできあいのお惣菜ばかり食べるのではなく、素材から下ごしらえをし、単純な味付けで野菜や山菜を食べ、季節感を味わいたいもの。ソウイヤ食ベ物デ季節感ッテ感ジニクイヨナ。 家族の愚痴を言わない。ソウイウ人ヲ私ハ知ッテイルゾ。友人知人の悪口を言わない。ドキッ。(((-_-;)
「…しましょう。」という表現が多く、何となく口うるさい母親に説教されているような気分になる部分もなくはない。マナー本であるから仕方ない部分であろう。しかし、ページを繰りながら、うちの生徒に読ませたい。先生方にも読んでもらいたい。家族にも読ませたい(妻とは言っていない!)と思わせるところが、「女性の品格」の魅力。
余談だが、PHP新書は、ページあたり14行で構成されている。文字のポイントも大きく、行間も広く、読みやすい。例えば、講談社現代新書は16行である。どこも同じというわけではなく、各社、読みやすい行数を探しているのだろう。新書サイズも高齢化を受けてか、行数は少なくなりつつあるように思う。
板東眞理子
PHP新書
昭和女子大学副学長である板東眞理子さんが、装いから生き方まで広い方面で、あるべき女性の品格について述べた本。こういう言い方ができようか。いわゆるマナー本である。しかし、マナーだけに留まらない面白さがある。
ラジオの番組で紹介されていたこの本を、面白そう、読んでみたいと思って、書店に出かけたものの、タイトルと内容で買うのをためらってしまった。こういう気持ちは、「オニババ化する女たち」(光文社新書)以来である。やはり、男が買うには恥ずかしさが伴う。ところが、不思議なことに文中でその違和感はほとんど感じない。確かに身だしなみや服装については女性向けなのだが、男の私が読んでも、ほとんど自分に当てられたメッセージのように読める。
女性の品格について書いたつもりたが、結果的に、人間の品格とは何か、品格ある生き方とは何かについて考えざるを得なかったと、筆者は記す。 「国家の品格」(新潮新書)が大きなヒントになっているのだろう。品格ある国家は品格ある個人の存在が前提だと、筆者はいう。その意味では本書は「国家の品格」への筆者のアンサーでもあろう。だが、書名で成功しているともいえる。この本を女性に薦めると、「私には品格がないからか?」と必ず反応がある。品格という言葉には、誰でも敏感だから、手にとってしまう、読んでしまうという方程式が出来上がる。
仲間だけで群れるなというくだりがある。群れているうちに自分自身で判断しなくなり、正しいことは何か、自分は本当は何をしようとしているかに向き合わなくなるからだという。ウン、スバラシイ。複数のグループに属すと、自分が一つのグループの中だけで生活しているより視野が広まり、自由度が増すと。ナルホド。
花の名前を知っているということは、自然をいとおしむ態度に繋がる。花や木の名前を知っている人は、自然を丁寧に観察している人だ。アンマリ花ノ名前ヲ知ラナイモンナ。
同様に、食べ物でもファーストフードやコンビニのパックものが増えた。でも時にはそうしたできあいのお惣菜ばかり食べるのではなく、素材から下ごしらえをし、単純な味付けで野菜や山菜を食べ、季節感を味わいたいもの。ソウイヤ食ベ物デ季節感ッテ感ジニクイヨナ。 家族の愚痴を言わない。ソウイウ人ヲ私ハ知ッテイルゾ。友人知人の悪口を言わない。ドキッ。(((-_-;)
「…しましょう。」という表現が多く、何となく口うるさい母親に説教されているような気分になる部分もなくはない。マナー本であるから仕方ない部分であろう。しかし、ページを繰りながら、うちの生徒に読ませたい。先生方にも読んでもらいたい。家族にも読ませたい(妻とは言っていない!)と思わせるところが、「女性の品格」の魅力。
余談だが、PHP新書は、ページあたり14行で構成されている。文字のポイントも大きく、行間も広く、読みやすい。例えば、講談社現代新書は16行である。どこも同じというわけではなく、各社、読みやすい行数を探しているのだろう。新書サイズも高齢化を受けてか、行数は少なくなりつつあるように思う。
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