ぶろぐのおけいこ

ぶろぐ初心者は書き込んでみたり、消してみたり…と書いて19年目に入りました。今でも一番の読者は私です。

万葉と沙羅  中江有里 文春文庫 

2024-06-24 15:18:55 | 読んだ本
 女優、その他多くの肩書をもつ中江有里さんの小説。通信制高校に通う一橋沙羅は、その学校で幼馴染の近藤万葉と出会い、本を通して二人が成長していくというお話。
 遠い記憶に、山田洋次の『学校』という映画のシリーズがあります。その一作目、夜間中学を舞台にした作品の中で、中江有里という人が生徒として出演していたことを覚えています。可愛らしいけれども、暗い感じの生徒だった記憶があります。もちろん役柄上のことで、今回の作者自身のことではありません。映画(『学校』は1993年公開だったらしい)のなかで見た女優さんの小説を、およそ30年後に自分が読んでいる不思議。
 中江さんは、芸能活動との関係で4つ目の高校で卒業したそうです。この小説の中で書かれている通信制高校は4つ目、彼女自身が卒業した都立の高校がモデルだと記しています。
 通信制高校ってどれくらいの生徒がいるのかと検索をかけてみたら、昨年5月の時点で約26万5000人が在籍しているそうです。同じ調査で高校生の数は約292万人だと書かれています。ということは全高校生の約9%が通信制高校で学ぶ生徒。ぐっと大雑把にいえば、この国の高校生の10人に一人は通信制高校生。へぇ、どうりで車内の広告にも新聞の広告にも通信制高校がたくさん出てくるわけです。でも、通信制高校といっても「通信」のみではなくて登校もするらしい。不思議なものです。
 小説のストーリーは…、あまり書かないほうがいいのかな。「通信制高校に通う生徒」のストーリーでありますが、通信制高校がどうとかこうとかという話ではありません。
 文庫本としてはこの度の出版ですが、単行本としては2021年に上梓されているそうです。文庫本で200ページあまりの一冊です。どなたさまも途中でへこたれずに読めますよ。





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