「北の山・じろう」時事日記

内容は主に海外時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

各国の軍事パレードの女性兵士に見るお国柄とは❓<2024・12・15

2025-01-12 17:03:10 | アフリカと中東

※最近、中東の日記が多いです。そうすると、やたら「アル」が出てきます。これまで気にもしていませんでした。なんで「アル」か❓知らんよ。余りに「アル」多く調べてみました。
アラビア語で英語の「the」と同じ定冠詞でした。
アル・シャーム⇒ザ・シャーム
アル・アラビア⇒ザ・アラビア
やたら「アル」が出てくる理由を理解しました。
こんにちは⇒マルハバン(実際の発音はrが聞こえないのでマッハバンと聞こえます)
イスラム圏の人に、マッハバンと言うと喜ばれるかもしれません。
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これは、見ていてお国柄が感じられて面白かったです。
Youtube
『女性の軍事パレード(15カ国を比較)Wormen's soldiers in the world』

https://www.youtube.com/watch?v=GTaGdA06n3o

これで検索すると動画が出てくると思います。

北朝鮮 
文句なく勢いがあります。女性にこんな事をさせていいのかな❓と思います。

中国 
とにかく人数が多い。中に特殊な部隊が混じっています。全員、赤の制服❓
これは通称「ピンク部隊」、パレード用に素人さんで美人を集めて行進の練習した部隊と言うより集団です。
パレードの華と言うことでしょうね。

ベトナム
これは特殊です。独立戦争から南北統一までを表現しているのだろうと思います。
最初は、普通の制服。 これは最初にフランスに勝利した元々の北ベトナム軍を表しているのだろうと思います。
次の集団は、色とりどりのばらばらの衣装です。
これを見て、ピン!と来た人はベトナム戦争を知っている人ですね。
多分、農民に交じって戦ったベトコン兵士を表現しているのだろうと思います。
最後は、農民っぽい制服の集団です。これは統一された南ベトナムでしょうね。

パキスタン
やはりイスラムの国は違います。
ヒジャブをかぶっているのは当然として、小股で静かに歩きます。
大股で男みたいに歩くのは下品で女性らしくないから、ダメなんでしょうね。

ヨルダン
ヨルダンは尚武の国です。ヒジャブをかぶった美人の子が多いです。お化粧もバッチリです。中々、勇ましい!
ところが❓
行進が始まると、やっぱりイスラム風になりました。歩幅を小さくしてゆっくり歩きます。

ロシア
行進に慣れています。面白いのは、女性兵士の場合は行進曲に「カチューシャ」を時々使う点かもしれません。
美人が多いです。

日本
右手を方の高さまで上げます。左には小さなショルダーバックをかけています。これは、日本だけですね。

コロンビア
頭の羽飾りが特徴です。

アメリカ
単にあるいていました。探してみましたが女性兵士の行進の動画は見当たりませんでした。

こうして見てみると、ベトナム、パキスタン、ヨルダンには珍しいお国柄が見えました。
考えてしまいます。
男と同じように下品に行進するのがいいのか❓
女性らしくお化粧してきれいに静かに歩くのがいいのか❓

あるいは、アメリカ式にナシにするか❓

☆イスラム教徒が多いけれど違う宗教の子が混じっている場合は、どうするか❓
イスラム教徒の子はヒジャブをかぶりますが他宗教の子は、ヒジャブはかぶりません。


シリア反体制派、アサド政権打倒の準備を1年前から始めていた(CNN)<2024・12・14

2025-01-12 16:51:19 | アフリカと中東

CNN 2024・12・14
シリア反体制派、アサド政権打倒の準備は1年前に開始 指揮官が英紙に明かす
https://www.cnn.co.jp/world/35227316.html

このような記事があります。記事によるとシャーム解放機構が1年前に南部の反体制派(多分、自由シリア軍)と連絡を取り、統一戦線の形成を打診したようです。
その後、トルコ、アメリカ、イスラエルが何らかの関与をしていると思います。特にイスラエルは1年以上前からアルシャームと連携するような動きを見せています。イスラエルの関与は永久に明かされないかもしれません。しかし、今の状況を見るならイスラエルが一番深く関与していると思います。

約1年前の日記です。
①(シリア)テロを変えてしまったドローン<2023年10月
https://smcb.jp/diaries/9145526
②シリアとレバノンの民兵組織<2023年10月
https://smcb.jp/diaries/9150461
これが、2023年10月に私が書いた記事です。今とはシリア問題に対する理解度が全く未熟ですから相当認識を間違えています。ともあれ、②の日記のソース。
Newsweek  2023年10月13日
③『中東情勢、再び緊迫の時代へ......ハマース、イスラエル、シリアの軍事対立が示すもの』
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/10/post-102825_1.php

青山弘之・東京外語大教授の投稿記事です。かなり詳しく書いています。今、読み直すと興味深い内容が沢山あります。主にイスラエルのシリア攻撃について詳しく書いています。イスラエルがシリア領内を頻繁に空爆する理由は、イランがシリア経由でレバノンのヒズボラに武器や装備を供与するのを阻止するのが狙いだとの説が書かれています。
この当時は、イラン・ヒズボラ・シリア政府が「抵抗枢軸」を自称していたようです。

シリア政府は、以下のように述べています。
「シリア軍が北部で戦っている過激派テロ組織を支援するために続けている手法だと非難し、シリア軍はイスラエル政体の武装勢力になり下がっているテロ組織を追跡、打撃を与え、国から根絶すると宣言している」

この当時は、アル・シャームはアルカイダとみなされテロ組織に指定されていました。あくまでシリア政府は、テロ組織を攻撃するという構図です。

しかし、この当時からイスラエルとアル・シャームには何らかの関係があったことを示唆しています。そして、この当時にシリア内戦は、イランとシリア連合対イスラエルと過激派(アル・シャーム)の戦争に変化していることが伺えます。そして、今判明したところでは、この時点でアル・シャームとシリア自由軍の連携が出来上がっています。
ロシアは、単にシリア政府軍を支援しているだけで「抵抗枢軸」には、関与していません。

つまり、今回11月の末に始まった反政府勢力の総攻撃は、これら一連の動きの総仕上げであったことになります。
ロシアは、アル・シャームがアレッポを攻撃した時は、空爆で政府軍を支援しています。しかし、その後支援を止めました。

読売新聞 2024・12・14
『アサド大統領、側近や親族にも伝えず逃亡・・・軍幹部に直前まで「ロシア軍の支援ある」とうそ』
(ロイター)
「アサド氏は、大規模反抗開始の翌日11月28日にロシアを訪れ軍事介入を要請したが、ウクライナ侵略を優先するロシアに断られた。イランには軍事介入を求めなかった」
とこのような内容が書かれています。

その後の経緯を見るなら、アレッポ陥落後はシリア政府軍は、ひたすら退却を続けて反政府勢力とはほとんど戦っていません。推測ですがシリア軍の幹部は、戦闘停止と退却命令を出していると思います。

こうして過去記事とつなぎ合わせて読んでみると、確かに今回の反政府勢力の連携とイスラエル軍のシリア空爆は、1年以上前から始まっています。イスラエルの目的は、ヒズボラの弱体化です。
そしてイスラエルとヒズボラの短い戦争は、イスラエルの圧勝でした。
停戦が合意されるのを待ち、反政府勢力は一斉に政府軍の攻撃を開始しました。
これは、イスラエルとヒズボラとの戦争の終結を待っていたのだろうと思います。
手が開いたイスラエル軍は、シリア政府軍の軍事資産を全て破壊するために猛烈な空爆を開始して、ほとんど破壊したのだろうと思います。これもアル・シャームと密約があった可能性があります。

その攻撃は、反乱を起こしそうな政府軍の残党やシリア政府の支配地にいたイスラム過激派にも向けられたはずです。③の記事には、シリア政府について戦っていたパレスチナ諸派の民兵組織の名前が出ています。他には、イランの民兵、革命防衛隊、ヒズボラ、イラクの民兵、アフガン民兵、パキスタン民兵などがシリア政府側で戦っていました。
つまり、シリア政府軍はイスラム各国の過激派の集合場所になっていました。多国籍イスラム過激派軍団です。
これ全部は、とても反政府勢力の手には負えないでしょう。
なるほどイスラエルが空爆しまくる理由です。ゴラン高原にこれらの過激派が侵入するのを阻止するために、シリア側までイスラエル軍は進出したのであろうと思います。シリア軍は逃亡してしまい、シリア側の陣地が空になったからです。新政府が兵士を配置できるまで、イスラエル軍が警備を代行するのであろうと思います。
過激派民兵組織の残党が、どこにいるかは分かりません。結構、シリア全土にばらけて潜伏している可能性があります。

と言うような実に入り組んだ話のようです。(よく、わからない❓)


シリア新政府が活動を始めない理由(旧政府の金庫がカラ)<2024・12・14

2025-01-12 16:50:15 | アフリカと中東

新政府が誕生しましたから、さっそく活動を始めるのかと思いましたが、その後音沙汰なしです。
その理由を考えてみると資金の手当てが付かないのだろうと思います。新政府の暫定首相が旧政府の金庫を調べてみたらカラだったのはコメントがありました。その時は、ローンの残高を調べているところだと言っていました。ロシアは、新規の穀物輸送船を止めています。支払いが出来るかどうか分からないからです。

では、アサド政権は、どのようにして資金を調達していたのかを推測してみます。
(あ)支配エリアからの税金
(い)ロシアの租借地の賃料
(う)多分、ロシアとイランからの支援金
(え)東部油田から石油を密売(これはISもやっていました)
(お)麻薬密売(推定3000億円から経費を差し引いた残り)
これくらいしか思いつきません。このうち、(あ)と(い)は一応、引き継げます。
(う)(え)(お)は、新政府には無くなります。
新政府の公務員の給料すら払えないでしょうね。
【どうしますか❓】

つまり新政府は欧米や周辺のアラブ諸国が資金援助しなければ、政府を運営することは不可能だと思います。
こうなると新政府は政府の運営や方針を(仮称)シリア復興会議に示して、同意を得て支援を仰がなくてはならに事になります。
今、その交渉の前段階だろうと思います。

シリアの復興支援に関しては、ヨルダンが音頭を取ってアラブ諸国や欧米が参加して会議を開催する準備をしているような記事がありました。

どっちにしても新政府の内容や施政方針、特に欧米が求めている少数グループや宗教への平等な取り扱いは最低限の条件です。他にもアメリカの国務長官が条件を出しています。
アメリカは、この条件が守られれば新政府を支持し承認すると言っていますから、支援が得られる可能性は十分あると思います。イスラム原理主義的な主張は政策に盛り込まず、普通の国の普通の政策と政治制度で新政府に参加している勢力が合意できるかどうかが、焦点になります。

と言うような調子で、まだ欧米やアラブ諸国の支持を取り付ける前の段階なのでは、ないかと思います。

もし、支持の取り付けに失敗するとどうなるか❓
大雑把にアサド政権崩壊時の各勢力の支配エリアを、各勢力のエリアにして分割統治をするしかないでしょうね。
(A)大雑把に言うと西部(ダマスカス、アレッポ、ラタキアなど)と南部の西半分が、旧政府+シャーム解放機構+自由シリア軍 ⇒自由シリア軍はアメリカが支援
(B)北部の東の方 トルコ系勢力 ⇒トルコが支援
(C)東部一帯 クルド系勢力 ⇒アメリカが支援
大体、こんなエリア分けになると思います。これまでの支援関係では、アメリカは(A)と(C)を支援することが可能です。だからシャーム解放機構が、ほどほどの統治政策を打ち出せば、アメリカの支援が得られる可能性はあります。これが最大のポイントかもしれません。そうなれば、(A)と(C)の連立は可能だと思います。クルド人の自治を認めれば、クルド勢力はシリア政府にとどまるのではないかと思います。むしろ離脱しそうなのは、(B)のトルコ系でしょうね。
以上は、どちらかと言うと上手くいった場合です。(A)は既に3グループの寄り合い所帯ですから、ここがばらけると最大5グループに分かれます。このどこかに(多分ラタキア県)にイスラム過激派が入り込むと、再び内戦再発もあり得ます。

やはり新政府の統治の原則、統治方針、統治の具体的な方法が決まらないと動きたくても動きようがないのも事実です。
どうなるのか分かりませんが、再び内戦だけは止めて欲しいと思います。


ロシアがシャーム解放機構と直接接触、ロシアのシリア政変後のスタンス<2024・12・13

2025-01-12 08:39:02 | アフリカと中東

ロイター
2024年12月13日
『ロシア、シリア旧反体制派のシャーム機構と直接接触』

ネットの噂話を見ているとムチャクチャですね?
空想論か与太話のオンパレードです。
それは、不正確か既成概念しか書かないという意味ではメデイアも同じです。

ロシアは、シリアではアサド政府軍を支援してきました。
これは旧ソ連時代からのシリアとの友好関係が大きな理由です。二つ目にはロシアはシリアのラタキア県に軍港を租借しています。内戦開始後は、シリアにまともな組織が残虐非道であったとしてもアサド政府しかなかったのも事実です。民主化などを主張した反政府組織は腐るほどありました。しかし、その多くは山賊・夜盗の類でした。その最大のものがイスラム国です。もしアサド政権が崩壊していたらシリアで政府らしき組織は消えていたと思います。
現在、新政府の中心になるシャーム解放機構が結成されたのが2017年です。他に大きな組織はクルド系しかありません。
アサド政権が一定の評価を周囲から受けていたのは、最低限の秩序をシリア内戦の中でもたらしていたからです。イスラム国との戦いにしてもアサド政府が存在しなければ、手の打ちようがなかったと思います。

それから6年以上が経過して、やっとシリア内戦の勢力が集約されてその中からシャーム解放機構が力を付けてシリア自由軍と連携したようです。その上で旧アサド政府と折り合いをつけて、新政府に権力を移行する流れになりました。

この動きからは、ロシアとイランは除外されています。アメリカ、トルコ、イスラエルがどのように関与したかは不明ですし、今後も明らかにされることは無い部分も多いでしょう。程度の差はあれ、この3か国が関与していた可能性が高いと思います。ロシアが外されていた理由は、最初にシャーム解放機構がアレッポを攻撃した時にロシアは空爆して政府軍を支援しました。その後介入を止めました。どこかから連絡が行ったのであろうと思います。
ロシアは介入を止めて最後に前アサド大統領を秘密裏にロシアに移送して長きに渡ったシリア内戦は終わりました。

ロシアの立場とイランの立場は全然違います。
イランは、シリアを自国の政策の重要な道具として利用していました。イラン~イラク~シリア~レバノンに至る陸の回廊を作りイスラエル撲滅の手段であるヒズボラの強化に利用していました。だから何が何でもアサド政権が存続する必要がありました。シリア内戦の最後は、イラン対イスラエルの戦いの側面が強いと思います。この闘争では、イスラエルの完勝でした。イランは梯子を外されシリアから追放されました。イラン勢力を排除しなければ、シリア内戦は終わらなかったと思います。

ロシアは、潰れるアサド政権を支える心算はなかったと思います。関係するどこかの国から警告を受けて手を引きました。ロシアも2015年ごろからシリア支援に乗り出しています。経費自分持ちですからロシアにとっては資金的に大きな負担だったと思います。アサド政権が崩壊することは、ロシアにとってはその大きな負担から解放されることを意味します。ロシアの内心を言えば都合が良かったでしょう。
シリア作戦に投入していた戦闘機部隊はロシアに撤収しました。それ、どこに行きます❓更には大きな戦費負担もなくなります。全部、ウクライナ戦線に投入できるでしょう❓ロシアから見ると、差し引き「行って来い」程度かな・と思います。

ロシアにとって重要なのは、シリアに租借している軍港と空軍基地を今後も租借し続けることです。特にアサド政権が存続しなければ、ならない理由はありません。次の新政府が出来れば、その新政府と関係を結べば良いだけです。この点については、ロシアに有利な点があります。困窮しきったシリアに食料と肥料を提供してきたのは、ロシアです。これがなければ、シリアでは相当数の餓死者が出ていたでしょうね。
新政府の母体となるシャーム機構にしてもロシアに代わって食料や肥料を提供してくれる相手はいません。だからロシアの密かな要望に従って、ロシアの海軍基地と空軍基地は保護しています。

このようにロシアと新政権は、双方に相手を必要とする理由があります。そこでボチボチと話し合いをしようじゃないか・と言うわけです。

イランは、シリアを失うことで致命的なダメージを受けたと言えます。
ロシアは、シリア関連の費用負担が消えて空軍を撤収できた分、メリットがあります。
後は、海軍基地と空軍基地の租借が継続できれば、それほどデメリットはありません。
ロシアは、今後も海軍基地と空軍基地の租借を継続し、シリアはロシアの食料と肥料を(お値引き価格で)安定購入できれば、双方にメリットのある話ですから、過去のいきさつは水に流して折り合いが付くだろうと思います。

結局、一連が終わってみると迷惑者のイランが排除されました・と言う話のように見えます。
関与した全員がイスラム国の制圧では、一致して行動しました。
テロを支援していたのはイランです。
だからイランは排除されました。イスラム国制圧に協力したロシアは排除されないだろうと思います。
一番得をしたのは、イランに完勝したイスラエルでした。
50年に渡りシリアを支配した暴君を追放できたシリア市民も多分、勝利したのだろうと思います。


シリア・レバノン国境の風景、出ていく人と戻る人 中東を不安定にする国<2024・12・12

2025-01-12 08:38:00 | アフリカと中東

BBC 動画 2024年12月11日
(1)『シリア国境には出る人と戻る人 アサド支持者は軍服を脱ぎ捨て』
https://www.bbc.com/japanese/articles/c140jmvjykyo

記事 2024年12月12日
(2)『反佐々土勢力、前大統領の父の墓に放火 シリア首都には活気戻る』
https://www.bbc.com/japanese/articles/cn54x722qz7o

(1)の動画は、BBC記者がシリア・レバノン国境を取材したビデオです。
内戦やアサド政権の迫害や弾圧を逃れて避難していた人々は、帰国を急いでいます。一刻も早く家に帰りたいのでしょうね。その一方で出国を急ぐ人もいます。アサド政権に協力して報復を予告されている人々です。
街を弾圧支配していたシリア軍の兵士たちの中には軍服を脱ぎ捨てて逃亡したものもいます。
こんな兵士は、結構各地にいるのではないか・と思います。

(2)の記事は、アサド一族の故郷のラタキア県カルダハです。
一応、ラタキア県は新政府に従うことを約束しました。
しかし、先代アサドの墓は破壊されました。これがシリアの恐怖政治の創始者ですから墓を破壊されるくらいは、仕方ないでしょう。ラタキア県で報復の大量虐殺が行われないだけ、マシと言えます。

アサド家の弾圧支配の原因が、ここにあります。
一応スンニ派に分類されますが、アラウイ派(宗派名)は特殊な宗教です。ほぼ信者は、このラタキア県に集中しています。人口がシリア人口の約10%の少数派部族です。この少数派部族が、90%を支配する構図が生まれました。恐怖による弾圧支配が始まりました。アサド一族の弾圧支配は、ラタキア県のアラウイ派の権力を守るためでもありました。当然、政府や軍などで支配階級になっているのは、この部族の出身者が多いと思います。

今のところ懸念された大規模な混乱は起きていないようです、首都ダマスカスでも最初の日は、略奪が起きたようですが、市内にシャーム解放機構の兵士が治安維持で展開すると治まったようです。大規模な報復行為も今のところはニュースになっていません。
ただし、これは都市部でのことであり地方や農村部での様子は不明です。

クルド系組織が旧政府軍が撤退した後、石油資源の豊富な東部の都市デリゾールを占拠しました。
新政府とクルド系の衝突を心配しましたが、クルド系は新政府軍に街の支配を引き渡したようです。
と言うことは、クルド系は新政府と武力衝突する意思は今のところないようです。話し合いで折り合いが付くかもしれません。

問題はトルコ系とクルド系で、これは北部の方で散発的な衝突が起きているようです。
クルド人とトルコは、憎み合っていますからどうしても多少のことは起きてしまいます。

アメリカ軍は、ISの拠点を空爆で叩きまくっています。
旧政府軍の兵士がISに合流してしまえば、厄介なことになるからです。
以前、イスラム国が急激に支配地を拡大したのは元のISの勢力に世界中から集まったイスラム過激派とほとんど犯罪者のような食いっぱぐれのシリア人が大勢合流したからです。一気に人数的に大勢力に膨れ上がってしまいました。そうならないように芽のうちに叩いてしまおう・と言うことです。

更にどこにいるのか不明な危険分子がいます。旧アサド政権は、各国からやってきたイスラム過激派を民兵組織にして利用していました。前に日記に書いたことがありますが、アフガン・パキスタン・ウイグル・イラク・パレスチナなどです。イスラム過激派にはISに合流したグループと政府軍に合流したグループがいます。
知れば知るほどシリア内戦のハチャメチャさ加減が分かると思います。

だから、このような有象無象のイスラム過激派に比べると、アルカイダ系から発展してきたシャーム解放機構は正義の味方と言えます。他が極悪の犯罪者みたいな集団が多いからです。

このようなシリアを、これから統一して安定した政権を作り統治していくのですから、新政府は本当に大変だと思います。
大体、シリアでは民主主義を主張するのは犯罪者集団だと思えば、それほど間違いはありません。

(3)中東を不安定にする国
資料
『ガザ問題で報じられていないこと』 2023年11月30日
https://www.jfir.or.jp/studygroup_article/10209/

イスラエルとハマスの闘争は、今回触れません。
問題は、イランです。
イランの国是
「ホメイニ師はパレスチナにおけるシオニスト政権の樹立を悪魔の行為と批判した」
イラン憲法前文 「軍隊」の項目
「イラン軍は単に自国を防御するだけでなく、全世界で聖戦を戦い抜く」
これが、イランが国外でテロまがいの組織を支援する根拠です。
ホメイニ師とは、1979年イスラム革命の指導者です。

イスラエルの撲滅を憲法に規定し国是としているわけですからイスラエルがある限り、イスラエルとの戦いを続けると言うことです。イエメンの過激派のフーシ派を支援するのもレバノンの過激派ヒズボラを支援するのも、これが根拠です。シリア内戦でアサド政権を強力に支援したのは、イラン~イラク~シリア~レバノン=ヒズボラの陸の回廊を建設するためです。
イランがある限り、イスラエルがある限り中東には平和は訪れません。

イスラエルが、ガザ紛争ではパレスチナ人を大量虐殺して阿修羅のように振舞っています。
しかし、イスラエルとしてはイランの手先であるハマスを撲滅する決意をしているようです。

こうやって見てくると、やっぱりイランがイスラエル撲滅の国是を変えるべきだと思います。
イスラエルをこの世から消し去るという事ですから、これはいくら何でもメチャクチャでしょう❓

イランが、こうであるから欧米はイスラム過激派を極端に警戒するわけです。
どっちもどっちの部分はありますが、「撲滅」を国家目標に掲げては、他の国が支持することはないでしょうね。


追放された(シリア)アサド大統領の悪行、麻薬製造と密売<2024・12・12

2025-01-12 08:36:53 | アフリカと中東

CNN
2024・12・12
『アサド政権の薬物製造施設か、SNSに映像出回る』
https://www.cnn.co.jp/world/35227219.html

アサド政権と言えば、恐怖の弾圧支配が有名です。
政治犯刑務所での拷問と虐殺の一部が明らかになりつつあります。
内戦開始後だけでもどれだけの人々が虐殺されたのか、総数は分からないと思います。
(10万人を超えているのではないか・との見解もあります)
殺し方が惨いですね。拷問を繰り返した挙句、最後に殺す。
BBC 
2024年12月11日
【シリアの病院で発見された多数の遺体、どんな状況だったのか 反アサド政権勢力が説明】
https://www.bbc.com/japanese/articles/cdjgy7gnejko
 
これに似たような例は、カンボジアのポル・ポト政権しか知りません。
「おぞましい!」としか言いようがありません。
こんなアサド政権を利用していたロシアとイランは、極悪としか言いようがありません。

アサド政権の犯罪に麻薬製造と密売があります。
内戦開始後は、まともな税収などあるはずがありません。
ロシアやイランからの資金援助は、あったと思いますが財政規模からは到底不可能な軍隊を維持し内戦を継続してきました。当然、金が足りません。内戦以前からやっていたのかは確認していませんが、「麻薬カプタゴン」を大量に製造し、周辺諸国に密売していました。
記事によると中東諸国では「カプタゴン」が重大な社会問題になっていたと言うことです。
その倉庫と思われる映像がSNSに出回っていて、CNNが記事にしました。

近年の調査では、年間取り引き額が数十億ドルと推計されています。仮に20億ドルとするなら150円換算で3000億円です。もっと多い可能性も当然あります。これが戦費とアサド一族の収入になっていました。本当の「悪の帝国」と言えます。周辺諸国も悪の帝国の「大魔王」とも言えるアサドが追放されて胸をなでおろしている国も多いと思います。

アサド一族は、その金をどう使っていたか❓
アサド大統領の豪華な広大と言える邸宅は、見た通りです。

CNN>Video 2024・12・10
『フェラーリも、アサド氏の豪華コレクション』
リンクは書きませんので検索してください。高級車のコレクションです。
国民が飢えているというのに、この有様です。

読売新聞 2024・12・10
『ロシア亡命のアサド氏、モスクワなどに約20の高級マンション所有・・・経済制裁下で親族が資産移転か』

<英フィナンシャル・タイムス>
2013年から2019年に購入
当時の価格で4000万ドル(60億円)相当

銀行預金ではスイスであろうと不正が認められれば差し押さえられます。
(もっとも、アメリカが経済制裁を科していますので現金は無理かもしれません)
モスクワの不動産なら西側の追及は及びません。しっかり、将来に備えて不正蓄財していました。
こんなアサド氏にロシア下院議員には「市民権を与えるべきだ」と主張する者もいるようです。

新政府の暫定首相のムハンマド・バシル氏が旧政府の金庫を確認したところ、ほぼ無価値のシリア・ポンドしかなかったそうです。金庫は、からっぽ!トンズラする前にアサド氏が使い切ってしまったのでしょう。

アサド一派が追放されて、シリア国民と周辺諸国にとっては喜ばしい限りだと思います。
新政府が、どんな政府であろうとこれよりひどい政府は無いですから、少なくとも前よりは良くなります。

嵌められて追放されたイランは、歯ぎしりして悔しがっているようです。
これまでのシリアでのイランの「悪行」を考えると当然の報いだと思います。

ロイター
2024年12月11日
『アサド政権崩壊は米・イスラエルが計画、イランのハメイニ師が主張』

よっぽど悔しいのでしょうね❓
最高指導者のハメイニ師が直々に主張しています。
イランは、益々強くなるとも主張しています。
ヒズボラのレバノンでのボロ負けと言い、イラン勢力のシリアからの追放と言い・・・
(負け犬の遠吠え❓)
もう少し、(これまた極悪)イスラエルに叩かれた方が中東の平和のためには良いことかもしれません。
シリアには、極悪ばかりが集まっていたようです。

★私は中立の立場で日記を書いていますので、めったにロシアやイランを批判することはありません。しかし、シリアの1件は流石に批判的に書かざるを得ません。ひどすぎる!

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ロイター 2024年12月12日
『アサド政権の治安部隊解体へ、シリア反体制派指導者が表明』

<シャーム解放機構のジャウラニ指導者のこれまでの発言>
アサド政権の治安部隊を解体する方針を表明
軍の徴集兵に恩赦を与えると表明
政治犯刑務所を閉鎖すると表明
化学兵器を追跡し、安全確保のため国際機関と連携していると述べた
シャーム解放機構は、いかなる条件下でも化学兵器は使用しないと表明
暫定政権は、つなぎでその後テクノラートによる政権樹立を表明

※記事に書かれているのは以上です。
新政権の骨格が、少し見えてきました。
興味深いのは、イスラエルがシリア領内を空爆しまくっていますが、これに関しては何の言及もありません。
この点に関しては、別の日記で書こうと思います。まだ情報が少なく、もう少し情報を待とうと思います。


シリア新政府をアメリカが支持する条件<2024・12・11

2025-01-12 08:35:53 | アフリカと中東

CNN 2024・12・11
『米国務長官、シリア人に選ばれた政府を指示 「四つの原則守れば」』

アメリカがシリア新政府に言及したのは、これが初めてです。
新政府の予想される内容を調査していたのでしょうね。
これまでのアメリカの認識は、シャーム解放機構はテロ組織でありテロ組織に指定しています。
と言って現実に政権の主体をシャーム解放機構が担う以上、アメリカとしても対応せざるを得ません。
アメリカのシリアにおける最大の目的は、IS「イスラム国」勢力の抑え込みです。
だからアサド政権であろうと新政権であろうとアメリカに、その部分で協力する限りはアメリカも支持するでしょう。

問題は、新政府の母体であるシャーム解放機構の政策が見えないことです。
アメリカのみならずほとんどの周辺国は、議会と選挙を基本とする政府を望んでいると思います。
宗教独裁が始まれば、アサド政権と大した違いはありません。
イスラム過激派的政治は、ご免です!と言うのは、どこの国も同じだと思います。

国連安保理決議2254号に則った政治を要求しています。
①少数派の権利の完全な尊重
②必要とする全ての人への人道支援の流入の促進
③シリアがテロの拠点として利用されたり近隣諸国に脅威を与えたりすることの阻止
④化学兵器や細菌兵器の備蓄の確保と安全な破壊の保証

アサド政権は、大体これと正反対のことをしてきました。
一番、ネックになりそうなのが①です。
他の宗教や少数民族への差別と弾圧でしょう。
この条件を満たせば、アメリカは新政府を「承認し全面的に支持する」とブリケン長官が公式に発表しました。

つまりアメリカが、新シリア政府が国際社会に復帰する道を開いたと言えます。
後は、シャーム解放機構のジャウラニ代表が、何を考えどうするかです。
外国の干渉は排除したいでしょうがアメリカの支持があるのと、ないのとでは全然政権の安定度も今後のシリア復興事業でも大きな違いが出来ます。また、クルド人武装勢力と折り合うにはアメリカの仲介が必要でしょう。クルド人とどう折り合うかが、一番難しいと思います。クルド人は自治権を要求するでしょうね❓
そして、それに必ずトルコが反対すると思います。やっぱりアメリカの仲介が必要です。

旧政府から政権を委譲した前首相のジャラリ氏は、「自由選挙を行ってほしい」と言っていました。
シリアが普通の国になれるのか❓それとも宗教色の強い独裁的国家になるのか❓

シャーム解放機構は、支配地であったイドリブ県で地方行政の経験があります。
とりあえず新政府の首相には、救国政府(地方政府)の行政長官のムハンマド・バシル氏が任命されました。
その後、どうなるのかは今後にならないと分かりません。


シリア難民の一部の帰国が始まる、シリア国旗<2024・12・11

2025-01-12 08:26:57 | アフリカと中東

産経新聞 2024・12・11
『アサド政権崩壊でシリア難民に帰国の動き 長期の避難で海外に生活基盤築き様子見も』

内戦とアサド政権の恐怖政治を恐れ国外に避難していたシリア国民の一部が帰国を始めました。
もちろん生活のこともあり、帰国できる人は限られると思います。
避難民がシリアで生活できる環境を作り出すことが、新政権の最大の課題だと思います。
記事によると・・・
2011年のシリアの人口 約2100万人
国内避難民 約760万人
国外出国者 約620万人(国連の数字は、760万人です)
少なく見積もっても人口2100万人のうち1400万人が難民化しています。
(ISが、あれほど急激に拡大した理由は、ここにありそうです。食うに困った人たちが参加したのでしょうね❓)

特に貧しい人々は、帰国しても生活の当てがないと思います。

2020年の国連のデータでは・・・
トルコに357万人、レバノンに88万人、ヨルダンに65万人、イラクに24万人、エジプトに13万人。
合計549万人(83・26%)の人々が、近隣諸国で避難生活をしています。
これだけの人々に加えて国内避難民760万人を破綻国家である新シリア政府が養うのは不可能でしょう。

何とか新政府が成功して、国内の再建が始められることを祈っています。
それにしてもこれほどの人数を、豊かとは言えない近隣の国々が保護してきたことには感心するばかりです。
それを可能にするのは、イスラムの同胞意識でしょうね。
「困った隣人は助けなければならない」
欧米も日本も、どれだけこんな意識があるのか❓
欧米は、ウクライナ難民だけはやたら親切ですね。
欧米にいるシリア難民は、たったの94万人(14・26%)です。
ウクライナ難民は、ポーランドだけで同じくらいいます。

少々避難民や移民が増えたら移民排斥運動が盛んです。
民主主義とは、大層ご立派な主義だと思います。

まあ、そのような皮肉は止めにして・・・
ウイキペデイア
【シリアの国旗】
検索すると説明と国旗の図柄が書いてあります。
短い間に国旗も変化しています。
旧シリアの国旗は、1980年から使用されてきた国旗です。
シャーム解放機構が使用してきた国旗は、1932年~1958年、1961年~1963年にかけて使用された国旗です。
シリアの人々には珍しい国旗ではなく、フランスから独立した時に、初めて使用された国旗です。
「シリアはシリア人の国だ」と言う意味が込められているのでしょうね。

内戦の過程で「民主化もどき勢力⇒山賊みたいな集団」は、どこかにいなくなりました。
アルカイダから派生したイスラム原理主義勢力が勝ち残り、新政府の主体になるのは考えさせられる部分があります。
シャーム解放機構は、アメリカやヨーロッパの複数の国そしてトルコがテロ組織に指定しています。
テロ組織が、シリア新政府を作りました。
何か認識を間違えているように思えますが❓


そもそもシリア内戦の原因は何だったのか❓ 国外難民の受け入れ先国家<2024・12・11

2025-01-12 01:23:33 | アフリカと中東

「シリア大干ばつ」
これについて記事を探しても、今はヒットする記事がほとんど見当たりません。
ロイターの過去記事にやや近い記事がありました。
ロイター
2015年12月2日
『コラム:シリアなど破綻国家に共通する要因、宗教にあらず』
https://www.reuters.com/article/opinion/-idUSKBN0TL08X/

この記事に2006年から2009年にかけて起きた、シリア近代史上最悪の干ばつについて書いています。
特にシリア北東部の農村の被害が激しく、「全農家のうち75%がすべての収穫を失い家畜の80%が死亡した」
「約150万人の農民が職と食料を求めて都市に移住し、パレスチナ、イラクからの難民数百万人と合流した」

一部の識者はこれがシリア内戦の大きな原因だと主張しています。
何でも「アラブの春」と結び付けたい人間は、すぐ民主化要求のデモが発端だと言います。

最初は、これらの国内難民がパンを求めてデモを行いました。
ところがアサド政権は、これを無慈悲に弾圧しました。
これが繰り返されて、その後様々な抗議活動が起きました。
主義主張で起きたのではなく、最初は食べ物を要求したのです。

国外からの難民を仮に200万人とするとシリア農民150万にを加えると350万人です。
これだけの人々が食に飢えた末に、デモが起きました。
民主化要求とは、相当違うでしょう❓

後から加えた記述は、アラブの春に影響された民主化要求が原因だとします。
しかし、私は違うと思います。
何故、シリア全土に内乱が拡大したかと言うと、シリア全土に飢えた人々が沢山いたからだと思います。
だから当時、アサド政権が何とかして飢えた人々に食料を与えれば、このような悲惨極まる内戦は、起きなかったと思います。
少なくともシリア全土に一気に拡大するようなことは避けられたと思います。

ここにイスラム過激派が参入してしまったため、誰にも手の付けられない事態になりました。
こうして支離滅裂の内戦が始まり、その後長く続くことになりました。
そのハチャメチャな状況を書いた記事。

時事通信
(日付がないですが、2014年1月ごろの記事だと思います)
『シリアに迫る飢餓の足音~封鎖都市の苦悩~』
https://www.jiji.com/jc/v4?id=syria2024040001

この当時は反政府組織と呼べるものはありません。
せいぜい盗賊集団と言うべき正体不明の組織が乱立していました。
全部、一応イスラム武装勢力になっていますが主な集団だけで29あると言うことです。
中小まで入れれば、数など知れません。
シリア政府の支配地以外は、ほぼ無法地帯と化していたわけです。
残虐無比のアサド政府を支えるしかなかったのは、このような事情によります。
そこから成長した最大の勢力が、イスラム国です。
当時は、どうにもならなかった理由が分かると思います。

アルカイダのシリア支部としてヌララ戦線が設立され、存在が公表されたのが2011年11月です。
その後、経緯があり2017年から他の組織と合併して、シャーム解放機構が創設されました。
政府軍と最も苛烈に戦闘を繰り広げたのは、アルカイダから派生したヌララ戦線であり、その後継組織のシャーム解放機構です。
生い立ちが、こうであるから他の国はテロ組織として扱ってきました。
皮肉にもシリア内戦の主力は、民主化もどき勢力ではなく、イスラム原理主義勢力であったわけです。
これを、「アラブの春」とは笑えるでしょう❓

もっとも私は、現在のシャーム解放機構を否定したり批判しているわけではありません。
やっぱりイスラム原理主義のままなのか❓
それとも国民政党に成長したのか❓
これは、シャーム解放機構を母体とするシリア新政府の政治を見ないと分かりません。

私の言いたいことは分かったと思います。
シリア内戦の原因は、「アラブの春」でも民主化要求でもありません。
2006年から2009年にかけて起きた未曽有のシリア大飢饉が、その大きな原因の一つです。

(2)シリア難民
2020年の国連のデータです。
国外難民673・5万人
受入国(千人以下切り捨て)
トルコ357万人(54・19%)
レバノン88万人(13・40%)
ヨルダン65万人(9・97%)
イラク24万人(3・72%)
エジプト13万人(1・97%)
5か国合計549万人(83・26%)
ヨーロッパ
合計94万人(14・26%)

他に国内避難民がいます。
UNHCRのデータで、637万人以上。

シリアの人口2023年 2323万人
つまり、難民でないシリア人は1000万人程度しかいないことになります。


シリア内戦のグチャグチャとシリア政変と関係各国の動き<2024・12・10

2025-01-12 01:17:23 | アフリカと中東

まず、政変以前のシリアに対する外国の干渉を見てみます。
途中経過は、難しすぎるので(良く分かりません)政変以前の状況です。

①旧アサド政府
ロシアとイランが支援、他に雑多なイスラム各国の過激派民兵
②シャーム解放機構
外国の関与なし、独立系
③トルコ系反政府組織
トルコが支援
④クルド人
アメリカが支援
⑤自由シリア軍
多分、アメリカが支援
⑥イスラム国(IS)⇒スンニ派超過激派
⑦イスラエル、アサド政府軍を空爆しまくり

と、このような外国勢力の関与がありました。主に6つあります。
相当、整理されてこの状態です。
それ以前は、無数の反政府勢力があり誰もそれを正確に把握することは無理だと思います。
内戦開始直後に、イスラム国の急激な勢力拡張が起き、それ以外の勢力が結束してイスラム国と戦い、やっとの思いでイスラム国の勢力を、シリア中部の砂漠地帯に押し込めました。まだ、います。

これがシリア内戦が、長く続いてきた理由です。
誰が見ても、なんだか良く分からない。一体、どうなっているんだ❓
外国が、どこを支援しようと優勢になれる勢力がいません。
そこで、アメリカ系、トルコ系、政府軍、民族系、イスラム国に集約されてやっと、一応のエリアが出来たのが、政変前のシリアの勢力圏です。
一時期は、この勢力圏で折り合おうという流れもありました。

しかし、それは内戦が下火になるだけで終わるわけでも平和が訪れるわけでもありません。

一応、内戦停止状態が生まれたのはトルコが、①と②の停戦を仲介したからです。
それが、2020年のことです。
アサド政権側は、内戦終了と見て自分のエリアの復興に取り掛かっていたようです。
しかし、シャーム解放機構は、その停戦期間を利用して自分たちの軍事力を強化していました。
「打倒アサド政権の」目的を捨ててはいませんでした。

その後の経緯は、現時点では不明です。
水面下の動きですので、外部からは知ることは出来ません。

イスラエルはアサド政府軍を、執拗に空爆して叩き続けていました。
これは異常に見えました。
今考えると、アサド政府軍とヒズボラの弱体化のために攻撃していたのであろうと思います。

反政府勢力の絶好のチャンスが訪れたのは、イスラエルとレバノンのヒズボラとの間に戦争が起きたことです。
ヒズボラは、一方的にイスラエルに叩かれて弱体化しました。ヒズボラの地上兵力がアサド政権を支えていたと言えます。
反政府組織は、イスラエルとヒズボラの停戦合意が成立するまで待って、その後行動を開始して、その後の推移はニュースで報道されている通りです。なぜ、そうしたかを考えるとイスラエルの手が空くのを、待っていたのでしょう。
イスラエルは政府軍とその関連組織を空爆で徹底的に叩く、その間隙をついて反政府勢力は進撃する。
このような密かな連携が見えます。

シャーム解放機構が行動を起こす前に、トルコ政府に連絡があったようです。
シャーム機構側の申し入れは・・・
「自力でやる。自分たちにやらせてほしい。介入は、しないで欲しい」
大雑把にこのような事であったようです。

一方で、今わかることはシャーム解放機構は自由シリア軍との共同行動も打ち合わせていたようです。
そして政府内の和平派とも打ち合わせていたようです。
おそらくシリア軍を掌握していたであろうシリア政府の和平派は、シリア軍に交戦禁止命令を出し同時に撤退命令も出したと思われます。
そうでなければ、急激な反政府勢力の進撃はあるはずもなく、あっと言う間に首都ダマスカスを掌握することもあり得ません。
結局のところ、敵味方のシリア民族派の勝利と言えると思います。
勢力の垣根を越えてシリアのために妥協して連携したと言うことでしょうね。

※この流れを見ると、排除された外国勢力があります。
ロシアは排除されたとまでは、言えません。梯子は外されましたが新政府が敵対できるような国ではありません。共産主義ソ連の時代からの長い外交関係があります。そしてシリアは、食料や肥料をロシアに依存しています。
「ちょっと、あっちに行っていてね❓」
大体、こんな扱いでしょう。

はい!わかりましたね!
排除されたのは、イランです。
完全に梯子を外されて、事実上シリアから追放されました。

イランがシリア内戦に介入した動機は不純です。
自分の目的のためにシリアを利用しました。
イランの目的は、イラン~イラク~シリア~レバノン(=ヒズボラ)の陸の回廊を作るためです。シリア国民のことなど一切考えていません。ひたすらイスラエル撲滅の自分たちの目的があるだけです。

だからシリア内戦の後半では、イスラエルとイランの戦争になっています。
他の国は、シリア内戦を終わらせたい目的があります。
イランは、自国のエゴがあるばかりです。

イスラエルは、相変わらずシリアの政府軍を叩きまくっています。
おそらく、新政府に対する援護でしょう。新政府に反対しそうな部隊がいるところを空爆しているのだろうと思います。
新政府にしても反乱分子をイスラエルが叩いてくれることは、メリットがあります。
特に叩いてほしいのは、アサド政権が招き入れた外国のイスラム過激派民兵です。
これが、かなり沢山います。国籍別だと、ウイグル・アフガン・パキスタン・イラク・パレスチナ・・・とテンコ盛りです。ここら界隈の過激派組織は、全部揃っています。
これを全部、シリア新政府が排除するのは大変です。
だからアサド政府には最後は外国の兵力が入り込んでしまい、シリア人の目から見ると外国の手先に見えていたと思います。

イスラエルは自主参加ですが、イラン系やイスラム過激派を叩く絶好のチャンスですから、新政権に援護射撃をしているように見えます。
イランとイスラエルの戦いは、シリアではイスラエルの圧勝でした。

今回のシリア政変には、様々な要素があります。
長年の膿やごみ掃除をするには、いい機会でしょう。
そうしたのち、シリアは普通の国になれると思います。
シリア民族派が、緩やかではありますが団結できたのが救いだと思います。


シリア政変>反政府グループの代表団とアラウイ派首脳が会談し合意を見る、新政府の骨格と部族社会<2024・12・10

2025-01-12 01:16:20 | アフリカと中東

ロイター
2024年12月10日
(1)『アサド大統領故郷のアラウイ派、シリア反体制派への支持表明』

今回、アサド大統領一派が追放されアサド政権が崩壊しました。
反体制派が主導する新政府が樹立されることも分かります。
しかし、メデイアが報道するのは、ここまでで新政府に参加するのが、どの勢力かは分かりません。
シリア内部で極秘に計画された政変であるため、外部に情報が出てこないためです。
外国からの内政干渉を極力避けるために、そうしているのだろうと思います。
それくらい、今回の新政府樹立に向けた動きは脆いものだと言えます。
戦闘を避けて反政府グループに政権を移行するのは確かに微妙な問題を含んでいます。
旧政府のどこかが反旗を翻せば、再び内戦が起こります。
後で書きますが、シリア西部の地中海沿岸は、ラタキア県です。
ここが旧政府の権力を握っていたアラウイー派(イスラム教シーア派の一派)が多く住む場所です。
反乱が起きるとすれば、ラタキア県を中心に起きることが予想されます。
シリアの宗教人口は、他の宗教を除くとシーア派が10%、スンニ派が90%です。
アサド政権が、恐怖の弾圧支配を行ってきた理由は10%が90%を支配するためです。
この構造が、50年にも及ぶアサド一族の恐怖支配を生み出し、最後はシリア内戦に至った理由です。

イラクのサダム・フセインが、やはり弾圧支配をしていた構造と同じです。
シリアもイラクも政党はバース党です。バース党が分かれて、それぞれが支配政党になりました。
最初は、社会主義政党です。その性質が旧ソ連的な弾圧政治を生み出し、そこに中東式の恐怖政治が加わったのが、旧アサド政権です。

それは脇に置いて、新政府代表団がラタキア県カルダハを訪れ、地域の宗教家や長老らと会談したとのことです。
共同声明に賛同し署名したとのことです。主要な部族が賛同したという意味です。
内容は、色々あると思いますが要は、新政府に協力し従うと言うことです。
戦争は、しないと言う意思表明でもあります。
一応、アラウイー派も新政権に賛成する方向が決まりました。

そして、やっとここに代表団の名前が出てきました。
シャーム解放機構と自由シリア軍です。
トルコ系組織とクルド系組織が参加しているかどうかは、依然として不明です。
しかし、これで新政権に参加するのは・・・
旧イラク政府
シャーム解放機構
自由シリア軍
ラタキア県アラウイー派
大雑把にシリアの西半分は、新政権に参加するようです。

政府を運営するには、官僚機構が必要です。
政府には膨大な文書や情報があります。
これらを平和的・協力的に引き継げるか、引き継げないかはその後に決定的な意味があります。
引き継げなければ、最初からやり直す膨大な手間暇が必要です。
官僚機構の人員を集めて編成するのも同じです。
これらを移行するのに成功すれば、新政府は成功すると思います。
シャーム解放機構は、イドリブ県の地方行政を何年か運営してきました。
行政の運営を知っている経験が、生かされていると思います。

時事通信
2024年12月10日
(2)『シリア、権限委譲で合意 反体制派の「救国政府へ」』

反体制側は、シャーム解放機構のジャウラニ代表を指導者にすることを決めているようです。
シャーム解放機構に自由シリア軍が従うと言うことでしょう。力関係から言って妥当な話です。
旧政府のジャラリ首相と会談し、権限移譲について合意したようです。
これについては、ジャラリ首相が8日からコメントしていますので、予定通りです。
旧政府の中心であったバース党も「国家の統一維持のためにシリアの(新政府)意向を支持する」声明を出しました。
大体は、中央に関しては事前に打ち合わせがあったことだろうと思います。

しかし、中央の合意が成立したからと言って地方が賛同するとは限りません。
今後は、地方の合意を取り付けなければなりません。
その最初の動きが(1)です。

ここまでが、今日のニュースで分かった部分です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、部族社会です。
シリアもそうですが、イスラム教の国には部族社会の残っている国は、結構あります。
アフガン、パキスタン、シリア、イラク、湾岸諸国、アフリカにもあります。
これらの国では、部族の意思決定が大きな意味を持ちます。
宗教指導者や長老が合議で部族全体の方針を決めます。
部族に所属する者の多くは、その決定に従います。
これを経て大きな地域、そして国の意思が決定されます。

アフガンのカルザイ政権の崩壊と、タリバンの戦争での勝利の過程を見ると良く分かると思います。
次々と政府軍に裏切りが起きて、続々とタリバンに合流が続き、あっと言うに政府軍は兵士がいなくなりました。
主だった部族が全部、タリバン支持に動いた結果です。

シリアは、アフガンよりは近代化された国ですから話し合いで権力の移行が決まりました。
それぞれの勢力が、外国の干渉を受けて内戦を続ける愚を認識したのでしょうね。
良い悪いは、別にして内戦の犠牲者は50万人以上と言われています。
600万人以上の国民が、避難民となって国外で貧しい生活を強いられています。
これを考えると、いつまでも無責任に内戦を続けて良いわけがありません。

しかし、旧アサド政権はアサド一族とアウデイー派の利益と権力の維持装置になり下がっていました。
極端な言い方をすれば、残り90%の国民など生きようと死のうと構わない考えだと思います。
やっとアサド政権がシリアを滅ぼす「ガン」だと多くの人が認識したのだろうと思います。

次にシリアの大雑把な地図を見てみます。
これは、古い地図を見ると地縁血縁が分かります。
<ウイキペデイア>
「アラウイー派」
この項目で検索するとウイキペデイアの記述が出てきます。
アラウイー派は、ある意味シリアの歴史を残している特殊な宗教です。
読んでみると、おもしろいです。
記述の中に「フランス委任時代」の地図があります。
オスマン・トルコ時代の行政区分がこの地図だろうと思います。
日本風に言うなら・・・
アレッポ州、ダマスカス州、アラウイー州、レバノン国・・・・
レバノンは独立しました。
北西部の小さな区画は、トルコ領です。それ以外が、現在のシリア領です。
現在のラタキア県は、当時はアラウイー州(または国)です。
アラウイーは、当時からちょっと毛色の変わった地域であったわけです。
それは、アラウイー派の宗教がイスラム教とも違う特殊な地域的な宗教であったためです。
現在は、シーア派に分類されています。

これがアサド一族の根拠地です。
だから現在のバース党の主要メンバーは、アラウイー派やシーア派が多いのだろうと思います。
旧アサド政権が、過酷な恐怖による弾圧支配を続けてきたのは、10%の少数派が権力を維持するためですし、宗派の違うスンニ派を弾圧して虐殺することに罪の意識が少なかったのであろうと思います。
更には、バース党は社会主義(共産主義)の政党でした。
共産主義的独裁制と弾圧性が、加わって恐怖の残酷なアサド独裁が出来上がったのだろうと思います。

等々多少の資料を読んだだけで、メデイアの報道は、ほんの一部であることが分かります。
そしてシャーム解放機構を、イスラム過激派にしています。
シャーム解放機構の前身は、アルカイダのシリア支部であるヌララ戦線です。
しかし、2016年アルカイダとは絶縁しています。
2017年ヌララ戦線を解散して、他の反政府組織と合流して現在のシャーム解放機構が作られました。
今もイスラム原理主義的な主張は残っています。
しかし、それではシリア国民の支持は得られませんし、他の組織が従うこともありません。
全国組織になるために、かなり主張や政策は変化しています。
シャーム解放機構が、イスラム原理主義なのか、それとも現実的な性質に変化したのかは、今後の新政府の政治を見なければ判断できません。

シリアの平和を願うなら、外国勢力は内政干渉を控えて新政府の政治を見守り、時に少しだけ手助けするのが望ましいと思います。

★AFPBB
2024年12月10日
『シリア反政府勢力、首都郊外で拷問遺体40体発見』
https://www.afpbb.com/articles/-/3553208?cx_part=top_topstory&cx_position=3

BBC
2024年12月9日
『シリア刑務支所から大勢を解放、子供の姿も』
https://www.bbc.com/japanese/articles/clyn720ndg1o


シリアに統一政権は誕生するのか❓<2024・12・09

2025-01-12 01:15:16 | アフリカと中東

どの記事を読んでも独裁者アサドが権力を失った事しか書いていません。
今後のシリアでどのような政治の流れが生まれるのかは、誰も分からないようです。
11月の末までは存在したアサド政権が、これほど脆く崩れ去るとは誰も考えていなかったでしょう。

落ち着いてみると今回の政変は、事前に何らかの合意があったと思います。
その合意の当事者は、アル・シャーム(シリア解放機構)と旧シリア政府内の和平派(ジャラリ首相のグループ)だろうと思います。
これ以前の話としてシリア政府内で宮廷革命が起きていたはずです。
カチンコチンのアサド派を外して、ジャラリ首相が他の政府閣僚や有力者を仲間に引き入れて政府内の実権を握らなければ、こうはなっていないと思います。
ジャラリ首相のグループには、シリア軍、情報組織などの治安機関、警察などが全部参加しているはずです。

どうしてかと言うとアル・シャームがアレッポを攻撃した時は政府軍は戦闘をしたようですが、それ以降は政府軍がまともに戦闘した形跡がありません。それどころか武器や装備を放棄して撤退しています。それを捕獲したアル・シャームの戦闘員が武装を強化して更に進撃する構図が見えます。
最後の数日は、1日30km~40km進撃しています。これは進撃ではなくて進駐でしょう。
もっと遠い位置のホムスを7日に制圧したはずのアル・シャーム軍は、翌日の8日にダマスカス近郊に進出し、即市内に入場しています。ホムスからダマスカスまでの距離は200km以上あります。しかも7日には、一部のアル・シャーム軍の先遣部隊がラジオ放送局とテレビ局を占拠しています。

アサド大統領抜きのシリア政府とアル・シャームの何らかの合意がなければ、このようなことは不可能です。
8日のダマスカスでも政府軍は一部の部隊を除いては、アル・シャームの部隊と戦闘はしませんでした。
そしてジャラリ首相は8日に政権移譲への協力を表明しています。

このような流れを考えるなら次に出来る政権は、「旧シリア政府の和平派とアル・シャームの連立政権」に近い性質になると思います。よくよく見てみるとアサド大統領一派が追放されただけです。アル・シャームと政府軍の力関係から、次期指導者はアル・シャームのジャウラニ代表が就任するのも既定路線だと思います。

このような流れが、いつ頃出来たのかは分かりません。
あるいは、今年に入ってからかもしれません。
単なる口約束程度のものではなく、かなり綿密な打ち合わせがあるように見えます。
そう考えると今回生まれる政権は、旧シリア政府和平派とアル・シャームの連立政権と見るのが、一番近いように思います。

と言うことは、アル・シャームと他の反政府勢力の間には合意は、まだないことになります。
今後、トルコ系反政府組織(シリア国民軍)、クルド系反武装組織(シリア民主軍)、南部方面の自由シリア軍などとの統合が待っています。
ISまで蠢動し始めましたから、まだまだ安定には程遠いものがあります。

クルド系は、どさくさに紛れて政府軍が支配していた原油地帯を占拠しました。
新政府は、これを認めないと思います。貴重な収入源を放棄はしないでしょう。
トルコ系とクルド系が、さっそく小競り合いをしているような話もあります。

自由シリア軍は、中小の組織の寄り合いです。すんなり意思統一をするのは無理でしょう。
日本で言うなら旧シリア政府とアル・シャームの連立が成立して西日本と京都は、新政府の支配下になりました。
東日本の3大組織と戦いますか❓折り合いが付きますか❓
大雑把に、このような話だろうと思います。

どうするのかは、新政権の形が出来てその後の交渉次第でしょう。
話し合いが決裂すれば、武力による統一を目指すことになります。
まだ、シリア全土が平和になるには時間がかかりそうです。

☆なぜ、シリアの人々は「アサド政権打倒!」で団結したのか❓
BBC
2024年12月9日
『シリア刑務所から大勢を解放、子供の姿も 多数がまだ地下房に閉じ込められてる恐れ』
https://www.bbc.com/japanese/articles/clyn720ndg1o

『【解説】アサド政権崩壊後、シリアと周辺のパワーバランスはどうなるのか』
https://www.bbc.com/japanese/articles/cx2vk330xv2o


独裁者はシリアを去り新時代へ、その経緯と各国の反応<2024・12・09

2025-01-12 01:14:17 | アフリカと中東

2024年12月8日は、シリアにとって歴史的な日になりました。
長く続いたシリア内戦は、一応の終結を見ました。
シリア人権団体の推計では計約46・5万人が犠牲になりました。
また500万人以上の人々が内戦を逃れて国外に避難民として脱出しました。
こんな状況が、いつまでも続いて良いはずがありません。
と言うわけで主だった勢力が話し合いを持ち、新政府の樹立の運びとなりました。
その話し合いの部分は、外部には秘匿されていたのでいきなり反政府勢力が政府軍を破ったように見えますが、実際には政府軍もほとんど戦っていません。政府軍は、反政府勢力の進撃に合わせて戦闘せず撤退するだけでした。
当然、話し合いにはシリア政府も参加しています。アサド大統領が、どの程度関与していたかは不明です。
反政府勢力の中心と思われるアル・シャームの部隊がダマスカス市市内に進駐して、市内を掌握したところで一応内戦に区切りがつきました。
日記ではロイターの「ヨタ記事」を引用して、アサド死亡説を書きましたが、アサド大統領はロシアに亡命して無事が確認されました。
アサド大統領がダマスカスを出たのは、7日の夜だと思います。
イランの大使館員や革命防衛隊の隊員、ヒズボラの戦闘員は、7日のうちにレバノンに退避しています。
(南の国境付近にいた一部は、イラクに退避したようです)
また7日の時点でアル・シャームのメンバーがラジオ放送局とテレビ局を占拠しています。
つまり、7日に時点で全部終わっていたと言うことです。
8日は、アル・シャームの部隊がダマスカス近郊と市内に進駐し、治安維持を引き継いで全てが終わりました。
早速、イラン大使館が襲撃されていました。かなり、イランは憎まれているようです。

停戦に向けた話し合いはトルコが主導したのだろうと思います。トルコから水面下で周辺のアラブ諸国には根回しがあったと思います。ロシアとイランに通告されたのは、かなり後だと思います。多分、6日でしょうね。ロシアは、もう少し早いかもしれません。
停戦合意に反対するに決まっているイランとロシアは、梯子を外されました。
7日夜のアサド大統領がシリアを出国した時点で、全てが終わっていたというわけです。

記事
ロイター 2024年12月9日
『中東の転換点に、反体制派が首都掌握 アサド氏はロシアに亡命』
BBC 2024年12月9日
『シリア脱出のアサド大統領、家族とモスクワに到着 当局がロシアに亡命許可』
(詳しい記事)
2024年12月8日
『シリア反政府勢力の代表、首都で演説 大統領は逃亡』 
https://www.bbc.com/japanese/articles/cp833759120o

激しい戦闘は避けて話し合いで権力の移行が決まったのは、後のためにも良かったと思います。
外国の反応は歓迎する見解が多いです。
これだけ長く内戦が続いて特に周辺諸国は、迷惑この上なかったと思います。
地域の不安定要因が一つなくなることは喜ばしいことです。

ロシア外務省
産経新聞 2024・12・09
『アサド氏が内戦当事者らと交渉し辞任を決断と声明 ロシア外務省 動きを注視』

イランのアラグチ外相(やや、愚痴っています)
2024・12・09
『イランのアラグチ外相、シリア軍を批判「やる気なし」 アサド大統領は「軍の状況に動揺」』

このコメントを見るとイランは、完全に「蚊帳の外」でしたね。

イスラエルは、ヒズボラと政府軍を大分前から、せっせと空爆してヒズボラ叩きをやっています。
読売新聞 2024・12・09
『イスラエル軍、ダマスカスのシリア空軍基地を空爆・・・ネタニヤフ首相「歴史的な日だ」』
(ゴラン高原の防備を固めて、半信半疑です)

権力の空白を突いてISが蠢動しようとしています。
アメリカは、「思いっきり!」の空爆でIS叩きをやっています。
ISも周辺を攻撃しています。
産経新聞 2024・12・9
『バイデン氏、アサド政権崩壊は「歴史的好機」 過激派実権を警戒 75超のIS拠点空爆』

などなど色々ありますが、新政権の枠組みが決まり、スタートするのはこれからです。
ベースとしてはイラク方式が考えられますが、成否のポイントは議会制度を採用することと、将来の自由選挙の採用だと思います。これで、アル・シャームが独裁すれば、また同じことの繰り返しになります。

※一つになる点は、今姿が見えるのはアル・シャームの代表者のジャウラーニ氏だけです。
もう一人は、シリア首相のジャラリ氏です。
これだけでは、旧シリア政府の主権者がアサド大統領から、ジャウラーニ氏に代わるだけです。

反政府勢力には、①トルコ系勢力、②クルド人系勢力、③自由シリア軍などがあります。
新政権に①②③が参加しなければ、旧シリア政府の代表が変わっただけになります。
新政権がシリアを代表する政権になるには、①②③の参加が不可欠です。
まだ、アル・シャームが首都ダマスカスを掌握しただけですので、その後どうなるか現時点では不明です。
権力の空白を突いてISが蠢動しています。
アメリカが抑えていますが、いつまでもは出来ないでしょう。
まだ、新生シリアは始まったばかりです。

※何が本当かは分かりません。トルコの関与についてのロイターの記事
2024年12月9日
『焦点:シリア政権崩壊、反体制派の電撃作戦を可能にした「完璧な条件」』


どうやらシリア政府内でクーデターが成功した模様、シリアは新時代へ<2024・12・08

2025-01-12 01:13:00 | アフリカと中東

※一応説明
やや誤解するかもしれないので説明すると、アサド大統領は逃亡したため政治権力を失いました。
これとは別にシリア政府があります。シリア政府は、そのまま残っていて業務を続けています。
シリア政府の中からアサド大統領と(多分)側近が逃亡したという話です。
ただ、事実上政治的な権力は反政府グループに移行したと言えます。
政権移行の正式な手続きを、これから行う必要があります。
ジャラリ首相は、そのことについて発言しています。
シリア政府の行政を管理しているのは、現在はジャラリ首相です。

時事通信
2024年12月8日 16:26
反体制派、「首都解放宣言」 アサド政権崩壊かー大統領の所在不明・シリア
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024120800305&g=int
BBC
2024年12月8日11:53
シリア反政府勢力、大統領は逃亡し国は「自由になった」と主張 首都ダマスカス掌握と
https://www.bbc.com/japanese/articles/cp833759120o

両方の記事を読むと、他の記事は反政府勢力の急速な進撃が中心ですが、ここではシリア政府内の動きも報道しています。
シリア政府内の和平派の動きです。
ジャラリ首相のメッセージは、政権移行への協力を伝えています。
シリア政府軍は、各地でほとんど戦闘していません。
ひたすら武器や装備を捨てて、ダマスカスに撤退しています。
それは首都ダマスカス市街でも同じで、一部の部隊は散発的に戦闘しているようですが、ほとんどの部隊は戦闘していないようです。
反政府側の兵士たちは、既に市街地に立ち入り治安の引継ぎをしている様子が見えてきます。

つまり反体制各派の連携が形成されるとともに、シリア政府内の和平派とも事前に協議がなされていたことを示しています。
政府軍は撤退する、その後に反政府勢力が進駐するのは事前に予定されていたことのようです。
シリア軍、シリアの治安組織、地元の警察組織などにも中央から戦闘を避けるように指示があったのではないか・と思われます。
そうでなければ、たった10日少々でシリア政府が支配していた地域のほとんどを反政府勢力が奪取することは不可能だと思います。

アサド政権のカチンコチンの強硬派やロシアとイラン抜きで(極秘裏に)内戦停止と政権移譲の話し合いが、事前になされていたのだろうと思います。

つまり、アル・シャームが進撃開始した時点で、全部終わっていたと言うことです。
シリア軍には、おそらく武器・装備も放棄するよう命令が出ていたでしょう。
反政府勢力は、その武器装備を押収して武装を強化して更に進撃を続けた様子が見えます。
何しろ1日で30km~40km進撃していますから、政府軍が全く抵抗しなかったことが分かります。
反政府勢力が政府軍に入れ替わる形で進撃と言うより、進駐しました。

そしてアサド氏の動静です。
シリア政府は、何も発表していないようです。
時事通信の記事には・・・
米ニュースサイト「アクシオス」
『アサド氏を乗せたとみられる軍用機はダマスカス(空港)を離陸後、離陸後北西方面に向かい、中部ホムス上空で進路を変え(Uターンし)た後、高度を下げて行方不明になった(レーダーの画面から消えた)』
他の記事にも書いてありますが、これが一番詳しいです。
もうこの頃には、ホムスは反政府勢力(アル・シャーム)が掌握していると思います。
反政府勢力は、途中で対空ミサイルを鹵獲して装備しています。
大体、流れが見えますね。
軍用機が向かったのは、西部のロシアの空軍基地だろうと思います。
Uターンしたのは、受け入れを拒否されたためでしょう。
そして、何故かアサド氏の軍用機の飛行ルートは、ホムスの反政府勢力に伝えられていたのでしょうね。
その後の政権移譲や、アラウイー派の暴発を抑えるためにも「誰か」は、居ない方がいい訳です。
「ゴタゴタの種は、消えてもらおう」と誰かが考えたのかもしれません。

ロシアは、ウクライナ紛争でもうこれ以上の関与は無理です。
部分的に部隊を撤収しているかもしれません。
イランの関与はレバノンのヒズボラが主体です。
イスラエルとの衝突で大きな損害を出したヒズボラに、シリアに援軍を送る余裕はありません。

ほぼ全ての反政府組織が同時に行動を起こしたと言うことは、事前に全部に小火器程度の武器は配備されているでしょう。
支援したのは、北部はトルコで南部はアメリカでしょう。
シリア全土を敵に回した、アサド一派とロシア&イランはシリアから排除される運命だったと言えます。

過酷すぎる内戦を通じて反政府勢力は、外国に内政干渉される愚かさを悟ったのではないかと思います。
そしてロシアとイランの援助を得て多くのシリア国民を虐殺したアサド政権はシリアの政府ではないと言うことを、シリア政府の内部の人間も思ったでしょう。

これらを考え合わせるとシリア政府内のシリア民族派が、アサド一派にクーデターを起こした部分もあります。
記事を読む限りでは、少なくともシリアのジャラリ首相が率いるグループとアル・シャームのジャウラニ代表が率いるグループには、事前の打ち合わせがあるように見えます。

アル・ジャラリ首相の発言が象徴的な意味を持っているように思います。
「シリアは近隣諸国や世界と良好な関係を築く、普通の国になれる」

やはりアサド政権はシリアから追放されるべき政権であり、アサド政権を支援したのは今となっては間違いであったろうと思います。しかし内戦が始まった当初は、反政府勢力の方も未熟であり、あるいは内部で権力闘争をしたりハチャメチャでした。長い内戦の間に反政府勢力も政治力を身に付けたのだろうと思います。
アル・シャームは以前はアルカイダの別派です。
しかしフランスのジャーナリストが取材したところでは、2016年にアルカイダと決別しています。
理由は、アルカイダの首脳がイランに匿われていることです。
アサド政権の虐殺を助けているイランがアルカイダ幹部を匿うなら味方では、居られないという理由です。
その後、イスラム原理主義的主張は弱めて他の民族や宗教も受け入れるような主張に変わりました。
アル・シャームの勢力がアサド政権と最も激しく戦った勢力です。大きな犠牲も払いました。

その経緯を考えると新シリア政権では、アル・シャームが中心となり政府が形成されるのであろうと思います。
少なくともアル・シャームと旧政府の和平派が、新政権のコアな部分になるでしょう。
そこに他の勢力も参加すれば、内戦は取り敢えず停戦になりそうです。

また、ぐちゃぐちゃの内戦に逆戻りする・と言う無責任な意見を言う人がいます。
それが嫌だからシリアの人々は、折り合いをつけて新政府を作る試みを始めたことに気が付いていません。
散々、戦争して大勢の人々が犠牲になりました。また外国の関与を許して内戦を始めたいシリア人は、ごく少ないと思います。
普通に誰だって、イヤでしょう❓

だからシリアの人々は新政権樹立に向けて努力もすると思いますし、折り合いも付けようとすると思います。
何とか内戦が終わるといいですね❓


シリアの独裁者はダマスカスを去り消えた、シリアは今後どうなるのか❓<2024・12・08

2025-01-12 01:11:34 | アフリカと中東

☆詳しい記事
BBC
2024年12月8日 11:53
『シリア反政府勢力、大統領が逃亡国は「自由になった」と主張 首都ダマスカス掌握と』
https://www.bbc.com/japanese/articles/cp833759120o
※これが最新の記事で、詳しく書いています。(16:35追記)

メデイアは、アサド政権の危機を報道していますが、既に独裁者であるアサド大統領は首都ダマスカスから脱出したようです。
家族や政権幹部の弟は、ロシアとカタールに脱出したとの情報もあります。
つまり、アサド政権は崩壊しました。

航空万能論の昨日の記事を見ると・・・
「反政府勢力はダマスカスに到着していないものの市民らはアサドの肖像画を破壊している」
「治安当局も市民の暴動を阻止する様子はない」
これが、ロシア側軍事ブロガーのRUBARの報告です。
既に昨日の段階でアサド氏は脱出していたようです。もっと早いかもしれません。
政権不在になったダマスカスの治安当局は、市民の反政府的行動を放置しているようです。

そして今日、ダマスカス近郊は反政府組織が制圧し、市内にも一部の部隊が進出しているようです。
ダマスカスのすぐ南まで進撃しているのは、南部ダルアー県を制圧した自由ロシア軍の別派です。
市内に入ったのは、この部隊ではないかと思われます。
アメリカ軍支配地方面から急激に進撃を開始した自由シリア軍は、ホムスの東まで進撃した後、三方向に別れ、その一部が西南方向のダマスカス方面に進撃中です。と言っても政府軍が、ほぼ無抵抗状態ですので反政府軍は、1日に30~40km進撃しており、既にこの部隊もダマスカス郊外まで進出しているかもしれません。

また航空万能論の記事の中に、このような記述があります。
「シャーム機構は、ダマスカスのラジオ局とテレビ局を制圧したと発表」

ここまで来ると昨日の段階で、反政府勢力がダマスカス市内の主要な部分を制圧していたのかもしれません。だから治安当局も何もしないのでしょうね。うっかり市民を弾圧すると「反逆者」にされてしまいます。こんな調子では、多少はいたはずのヒズボラの部隊も、すぐ西のレバノン領に逃亡しているでしょう。
と言うわけで事実上、アサド政権は崩壊しました。
メデイアの記事は、数日前の状況を報道しているケースが多いです。
ピンボケ新聞は、今日になっても政府軍のホムス防衛を伝えています。
もう、とっくにシャーム機構が制圧しています。(今日の話)

一応、補足情報
アサド政権の中枢を担ってきた勢力
西部地中海沿岸に多いイスラム教アラウイ派
アラウイ派は様々な宗教が入り混じった独特の教義を持つようです。
一応、シーア派に属すると認識されているようです。
ウイキペデイアの「アラウイー派」の記述の中に説明があり、更にフランス統治時代の地図が添付されています。
この地図の中の紫のエリアが、アラウイー派の居住区です。今もそれほど変わらないでしょう。恐怖の独裁者のアサド一族の根拠地と言えます。
大体、今の勢力図と重なる部分も多いです。
(イ)フランス統治時代の地図
①State of Aleppo
②State of Damascus
③Alawite State
Greater Lebanon
④Jabar al-Druse State

最新の戦況図
航空万能論 2024・12・8
『シリアの首都を反政府組織が3方向から包囲、アサド政権崩壊は時間の問題』

①が、アル・シャーム機構、トルコ系反政府組織、クルド人
②が、自由シリア軍とダルアー県の別派
③が、アサド派 現在のラタキアやバニヤース、タルトウースなどの都市のある地中海岸

これを無理やり恐怖政治で支配していたのが③のアサド派である構図が見えます。
1963年シリア・バース党がクーデターで政権を握ります。
その権力闘争の中から1966年、再度クーデターが起きます。
権力闘争を繰り返すうちに台頭したのが、恐怖の独裁者ハーフィズ・アル=アサドです。
これが1972年で、以後シリアでは苛烈な独裁政権が政治を握ってきました。
2000年初代アサドが死去した後、跡を継いだのがバッシャール・アル=アサドです。

色々な記述を見ても、シリアの政権抗争は主義主張の部分から記述されています。
歴史的経緯や宗教、部族社会の部分から記述したものは、見ていません。
しかし、こうしてフランス統治時代の地図を見て、現在の戦況図を見ると、かなり重なる部分が多いです。

つまりシリア内戦の本質は、宗教と部族社会(地縁・血縁)に大きく影響されていることが見えてきます。
と言うことは、(イ)フランス統治時代の地図にある地縁血縁関係を踏まえた権力バランスを考えなければ、上手くいかないと思います。
「血は争えない」
今、昔の地縁・血縁関係に似た勢力図が出来つつあります。
①アレッポ・エリア②ダマスカス・エリア③アラウイー・エリア
④を入れるなら、今のスワイダー県でしょう。

現在の勢力関係なら・・・
アル・シャーム機構、トルコ系反政府組織、クルド系組織、南部の自由シリア軍連合
ここにこれまでの支配層だと思われる③アラウイー・エリアの代表を参加させた政権樹立協議会(のような会議)を持つことが出来るかどうか・です。

今は、「アサド政権打破」で取り敢えず共同歩調を取っていますが、各勢力が好き勝手な主張を始めれば、また分裂して内戦が始まると思います。

例えば、イラクでは・・・・
南部シーア派親イラン・グループ
南部シーア派民族派(反イラン)
北部スンニ派(旧・政権派閥)
東部クルド人
大雑把にこの4グループが何とか妥協してイラク政府を形成しています。
4グループともイラクが分裂して自分たちが得をすることは無い・と認識しているからです。

シリアでも、この方式が成立するかどうか・です。
シリアの反政府勢力のバックにいるのは、トルコとアメリカです。
イランとロシアは、排除されたと言っていいと思います。

シリア内戦をこれほど残虐なものにし、長期化させたのは、大国のエゴです。
特にロシア・イランという独裁色の強い2国が、元から残虐なアサド政権を支えたのが事態を酷くしたと言えます。
アサド政権が崩壊し、ロシアとイランが事実上、排除された今は、トルコとアメリカが主導すれば、仮称シリア国民会議を創設することが可能だと思います。シリア国内の勢力だけでは、話し合いはまとまらないように思います。
トルコとアメリカが、シリアの平和を主導できるかどうか❓

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(情報操作の疑われる怪しい記事が混じっています。12月13日・追記)
☆シリアの独裁者はダマスカスを去り(消えました⇒動静不明)
AFPBB
(ア)『アサド政権崩壊か 反体制派「新たな時代」宣言ーシリア』
2024年12月8日 13:33
https://www.afpbb.com/articles/-/3552917

『シリアのジャラリ首相は、国民が選ぶ」いかなる指導者とも、またいかなる政権移譲プロセスにも「協力」する用意があると述べた』
『反政府勢力も同日、アサド氏が国外に逃亡したと主張。海外在住のシリア人に「自由なシリア」に帰還するよう呼びかけるとともに、ダマスカスは「暴君」から解放されたと宣言した』


既に旧シリア政府は崩壊し、以後のシリアの国政運営について旧政府を代表してジャラリ首相が、各勢力に話し合いを呼び掛けている模様です。
西部の地中海岸のアラウイー地域以外は、大体反政府勢力の傘下に収まるのではないかと思います。
そうなれば政府軍はいなくなり、後は戦後の話し合いです。
すんなりまとまるとは思えませんが、内戦続行は止めて欲しいと思います。

★独裁者は消えた(ここからが怪しいです)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ロイター 2024年12月8日
(イ)『シリアのアサド政権崩壊、反体制派がダマスカス掌握 大統領は首都離脱』
URK省略
文字通り消えました。
フライトレーダーのデータによると、首都ダマスカスが反体制派に制圧されたと伝えられる時刻に、シリア航空の飛行機がダマスカス空港を離陸。
アサド派の拠点のある地中海沿岸部に向かっていましたが、突如Uターンして数分間反対方向に飛行した後、(レーダーの)地図上から消えたと言うことです。
(ロイター)
このシリア航空の飛行機にアサド大統領が登場していたと確認された分けではありません。
一番、それらしいと言うことでしょうね。
問題は、消え方です。おそらくロシアの基地のあるラタキア方面を目的地にしていたと思います。
ロシアのフメイミム航空基地でしょう。
Uターンしたと言うことは、受け入れを拒否されたのだろうと思います。
その後、(機影が)地図上から消えたのは事故か撃墜かどちらかです。

アサド憎しの地元勢力が撃墜したのか❓
(反体制派も、地対空ミサイルを入手しています、進撃の途中で政府軍から分捕りました)
口封じと面倒解決に、●●●が撃墜したのか❓
それとも、偶然の単なる事故か❓

(ハ)BBC 2024年12月8日
『シリア反政府勢力の代表、首都で演説 大統領が首都を逃亡』

(イ)と(ハ)の両方を引用
①NGO「シリア人権監視団SOHR」
ダマスカス空港からプライベートジェットで空港を離陸

②ロイター シリア政府高官2人の話(又聞き)
8日午前3時59分 ダマスカス空港からシリア航空の貨物機L-76Tで出発、目的地不明
航空機追跡サイト「フライトレコーダー24」
午前4時39分ごろホムス上空・西約を飛行中トランスホルダー信号が失われた⇒行方不明

★BBCにないロイターの記事
「ロイターは搭乗者を確認できていないが、シリア情報筋の2人は、飛行機が事故にあった可能性が高いとし、撃墜された可能性もあると述べた」

★ロイターの記事が怪しいです。
ロイターの記事を読むと、アサド大統領の搭乗機は墜落した可能性が高いことになります。
実際には、アサド大統領はロシアに亡命したことをロシア外務省が8日に発表しています。

※関連記事
ブルームバーグ 2024年12月8日
『シリア政権崩壊、大統領はロシア亡命ー「暴力と混乱」警戒の声相次ぐ』
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-12-08/SO5QUTT1UM0W00
タス通信
ロ大統領府 アサド氏と家族にロシアが亡命認める

この記事によるとロシア外務省が、「アサド大統領の辞任とシリア出国」を声明で発表しています。
こうなると、ロイターの記事はすごく疑問でしょう❓
あえて、アサド氏死亡説を流しているのと同じです。