「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

南部ドネツク戦線、ヴフレダル方面、ロシア軍の作戦は中風呂敷か大風呂敷か❓<ウクライナ紛争2024/09/04

2024-09-04 19:28:33 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

ウクライナ軍のクルスク侵攻作戦は、致命的な大失敗でした。クルスク方面を少々荒らそうともロシア軍は、大した痛くありません。
この無理な作戦のためにドネツク戦線の各戦場から精強の機甲旅団(攻撃力の強い部隊)を引き抜きてクルスク侵攻作戦に転用しました。
これでドネツク戦線のウクライナ軍は、単に弱体化しただけではありません。
まずウクライナ軍は、予備兵力が枯渇しました。
次に各戦場で機会を見てロシア軍に反撃する手段を失いました。ロシア軍が攻めてきた場合、ひたすら守るだけで反撃の手段がありません。その上、増援部隊が来る見込みがなければ、撤退も早くなります。これまでのようにその戦場を死守するような激しい戦い方は、しなくなると思います。
それがはっきり出たのが、ポクロウシクPokrovsk戦線です。もう、どうにもなりません。

最近、ロシア軍が活発に攻撃を始めたのが南部ドネツク戦線のヴフレダル方面です。
マリンカMar'inkaからヴフレダルVuhledarにかけてのエリアでロシア軍は、西に進撃しつつあります。

最近攻撃を始めたのがロシア軍が支配するパヴリウカPavlivkaから西のプレチステイフカPrechystivka方向です。
2024.09.4
ロシア軍が前進するドネツク州ヴフレダル方向、急速に状況が悪化
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-troops-advance-towards-vhledar-in-donetsk-region-situation-rapidly-deteriorating/

プレチステイフカPrechystivkaは、ほぼロシア軍が制圧したようです。航空万能論によると8日間で10km進撃していますから、かなり速いスピードです。この方面も補給事情は悪化していると思いますし、部隊が引き抜かれているかもしれません。相当、ウクライナ軍が弱体化しています。
昨日の記事では、ここから北にあるノボウクラインカНовоукраїнкаに激しく砲撃を加えているようです。
ロシア軍は、ここから2方向の攻撃を選べます。

(1)『中風呂敷作戦⇒遠くからウーレダーVuhledarを包囲する』
マリンカMar'inka南のヴォデイアン方向にロシア軍が進撃しています。この動きと呼応してプレチステイフカPrechystivka』にいるロシア軍は、ここから北方向のノボウクラインカНовоукраїнкаを目指して進撃し、2方向から遠巻きにウーレダーVuhleda包囲を目指す作戦です。

(2)『大風呂敷』
これでは、かったるい!と考えた場合は、『大風呂敷』も可能です。
この作戦は、もっと広範囲な包囲を目的にします。
プレチステイフカPrechystivkaにいるロシア軍は、ルートT-0509を西に進撃し西にある拠点のヴェリカ・ノボシルカVelyka Novosilkaを目指して進撃します。
ヴェリカ・ノボシルカVelyka Novosilkaを制圧した後、進撃路をルートT-0518に変え、ここから北上します。

このような進撃が成功するとマリンカMar'inkaの遠い西に出ます。マリンカMar'inkaから大きな東西に長い貯水池の南側を西に進撃するとマリンカMar'inkaから進撃してきた部隊と、プレチステイフカPrechystivkaから西回りで北上してきたロシア軍が合流します。

こうすると南ドネツクのかなり広範囲なエリアを大きく包囲することが出来ます。このエリアにいるウクライナ軍の兵力数とロシア軍の兵力数に大きな差があれば、このような『大風呂敷』も可能です。

どうしてこのような好き勝手な作戦が可能かと言うとウクライナ軍には、増援に送れる予備部隊がほとんどありません。そして各戦場にいた戦闘力のある部隊を引き抜いているため、どの戦場でも反撃が出来ません。

ロシア軍の好き勝手な攻撃が可能だと言うことです。
戦況略図を見ると、プレチステイフカPrechystivkaから西にヴェリカ・ノボシルカVelyka Novosilkaまで進撃し、そこから進撃路を北にとってルートT-0518を北上すると、マリンカMar'inkaから西に来るルートN-15と交差する付近までウクライナ軍の拠点があります。バハテイルBahatyrです。
略図を見るとプレチステイフカPrechystivkaの次に小さな集落のソロタ・ニヴァZolota Nyvaがあって、その次がヴェリカ・ノボシルカVelyka Novosilkaです。
ヴェリカ・ノボシルカVelyka Novosilkaの北の途中には、やはり小集落のロズドルネRozdol'neしかありません。その次が交差点付近にあるバハテイルBahatyrです。

つまりロシア軍の現在地であるプレチステイフカPrechystivkaから西のヴェリカ・ノボシルカVelyka Novosilkaまで行き、そこから次に北のバハテイルBahatyrに行くルートには、小集落が2か所あるだけで、他にウクライナ軍の拠点になりそうなところは見当たりません。
距離は相当長いですが、その間にほとんど抵抗拠点がありませんので比較的簡単にロシア軍は進撃できるのではないか・と思います。

どうもロシア軍の戦闘地域の広がり方を見ると西のヴェリカ・ノボシルカVelyka Novosilkaを目指している気配があります。
(2)『大風呂敷』を計画しているのかもしれません。
そうした方が、広いエリアをまとめて包囲できますから簡単ではあります。

ロシア軍がこのように好き勝手に作戦を選択できるのは、ウクライナの参謀本部がクルスク侵攻作戦を実行したからです。南ドネツクのウクライナ軍は増援部隊も来ませんし移動するロシア軍を見ても攻撃が出来ません。
南ドネツクは、年内に大体のメドが付くのかもしれません。

一気に中部ドネツクと南部ドネツクが崩れ始めたのかもしれません。

ロシア軍の現在地であるプレチステイフカPrechystivkaから西のヴェリカ・ノボシルカVelyka Novosilkaまで突破するのは、それほど難しそうではありません。ここまで突破してしまうと完全にウクライナ軍の防衛ラインの内側に入り込めます。
完全に防衛ラインの内側に突破されると守る方は、守りようがなくなるのはポクロウシクPokrovsk戦線の例を見れば、よく分かります。
ロシア軍が狙っているのは、こっちでしょうね❓


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


独裁者は「裸の王様」になり、やがて・・・<ウクライナ紛争2024/09/04

2024-09-04 19:26:47 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

ウクライナ閣僚4人が辞任、内閣刷新に向け
By ロイター編集
2024年9月4日午前 7:18 GMT+96時間前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/IGZ6M2YBINJ65LQW3TAMEBQXS4-2024-09-03/
4人の閣僚が辞任
内閣の3分の1以上が空席
カムイシン戦略産業相
ステファニシナ副首相
司法相
環境保護・天然資源相
解任
シュルマ大統領府副長官
※今月の米国訪問の際、ロシアに対する「勝利計画」をバイデン大統領に提示する予定。

ゼレンスキーは、これまで自分に逆らう者や嫌いな者を排除してきました。代表的な例は、ザルジニー前総司令官です。他にも多々あります。
首を切るたびにイエスマンと置き換えてきました。
そして5月20日に大統領の任期が切れた後も大統領の座に居座っています。
国会議員も同じです。昨年の秋の総選挙を延期してそのままです。だからウクライナには現在正式な大統領も国会議員もいません。

今回、シュルマ大統領府副長官は解任となっています。
他の4人の閣僚は辞任のようです。退任を強制されたのかもしれません。

ゼレンスキーの周りからは、これまでゼレンスキーを支えてきた人間が次々と解任や辞任で去っています。ウクライナ政府や軍の人事を全部知っているわけではありませんが、ニュースになるだけで実に多いです。
最初から残っているメンバーの方が少ないでしょう。

ゼレンスキーは独裁者になり今は、「裸の王様」になったという状況を表していると思います。

最新の情報では、ウクライナ・プラウダの報道ではドミトロ・クレバ外相が辞任したようです。
外務大臣の重責は分かると思います。
アメリカなら国務長官です。
ゼレンスキーに代わって外交を担当します。
まともな人間は、ゼレンスキーに解任されたり辞任して去っていきました。

ゼレンスキーは、単なる人気テレビドラマの俳優にしかすぎません。その前は、コメデイアンです。
要は、政治も軍事も外交もド素人だと言うことです。
ド素人がブレーンなしで、これが全部出来ますか❓
いるのは無能なイエスマンだけです。

キエフ政府は、頭脳を失ったと言えます。

聞こえてくるのは、ゼレンスキーの奇妙な寝言ばかりです。「寝言は寝て言え!」の世界です。

下記の記事が「ゼレンスキーの奇妙な寝言」の一部を取り上げています。
2024.09.4
ゼレンスキー大統領、ロシアが交渉に応じるまでクルスクから撤退しない
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/zelensky-wont-withdraw-from-kursk-until-russia-agrees-to-negotiate/
一番奇妙なのが・・・・・
①「戦争を終わらせる勝利計画=Victory Planにおいてロシア領の保持は不可欠な要素」
②「プーチン大統領を交渉テーブルに着かせるため占領したロシア領を無期限に保持する計画だ」

①は、その後どうするのかが分からないと理解できません。その後は明らかにできないそうなので意味不明です。
②は現状認識を完全に間違えています。
ロシア領を占領したとしてもウクライナが戦場で優勢を築かなければ、ロシアが交渉に応じることはあり得ません。
交渉したければ、ゼレンスキーがロシアに申し入れるしかありません。
現状認識が出来ているのかどうか分かりません。

最近ゼレンスキーの発言を聞いていると、自分の空想論ばかり話しているようで中身がありません。
実現不可能なことばかり発言しています。

バイデンさんに「勝利計画」を提示する話もそうです。
現在、ウクライナがロシアに勝利する可能性は限りなく低いと言えます。
その中で「勝利計画」など立てようがありません。
そんなものがあるなら、とっくにウクライナ軍が戦況を挽回しているでしょう。
バイデンさんも机上の空想論を聞かされても困ると思います。ハリスさんやトランプにも提示するのだそうです。

今、ウクライナがするべきことはロシア側の条件を受け入れて停戦交渉を申し入れることだけです。
勝つ見込みのない戦争を続けてもウクライナが疲弊し戦死する兵士が増えていくだけです。

もう完全にゼレンスキーは国の指導者としての頭を失っています。正常な思考が出来ない状態でしょう。
そうであるならばウクライナ軍が、何らかの行動を起こすべき時だと思います。
理由は、クルクス作戦の発動で十分すぎると思います。
ウクライナ軍が投入できる精鋭部隊は、クルスクに閉じ込められました。ゼレンスキーがいる限り撤退も出来ないと思います。
そのためにウクライナは、ドネツク州中部と南部を失いつつあります。
それはやがてドネツク州北部、隣のドニプロペトロウシク州や北のハルキウ州へと拡大していきます。

もう6月にロシアが示した停戦受け入れ条件ではロシアが停戦交渉に応じる見込みは、ありません。
時間が経過するほどロシア側の条件は、引き上げられると思います。

ゼレンスキーを排除して誰か代わりを臨時のウクライナ大統領に据えてロシアとの停戦交渉を始めるべきだと思います。
大統領交代を実行できるのは、ウクライナ軍だけです。
ウクライナのためウクライナ国民のためを思うなら、なすべき行動は、一つしかないように思います。

※航空万能論の記事を読みに来る人は比較的冷静で中立的な人が多いです。要は事実を知りたいという人が多いです。これほどゼレンスキーに白け切ったコメントが並ぶのは珍しいと思います。
流石にゼレンスキーを取り換えろ!と言うコメントはなかったです。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


ポクロウシクPokrovsk市街は、ロシア軍が砲撃中との情報<ウクライナ紛争2024/09/04

2024-09-04 19:25:14 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

航空万能論のコメント欄を読んでいたら、二つ気のになるコメントがありました。
コメント欄の引用はしないでくれとの管理人の要請がありますのでハンドルネームだけ書きます。
コメント欄から、そのコメントを探して読んでください

①ロシアがウクライナ中部へミサイル攻撃、49人死亡・219人負傷…教育・医療機関被害
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240903-OYT1T50176/
他のメデイアも全部、同じ内容です。
情報元が、ゼレンスキーのSNSだからです。
そのまま垂れ流しているから「教育・医療機関被害 」となっています。
サンケイ
https://www.sankei.com/article/20240903-TZQ2TTV4CZLHZO2IQSNNXOIDQM/

「MD」さんによると軍事大学が標的になったようです。
これは、ウクライナの方も新兵訓練の現場にミサイルを撃ち込んで200人くらいロシア軍の新兵が犠牲になったことがあります。
慰問会場にミサイルを撃ち込みやはり200人くらい犠牲になった事もありました。

どっちもやっていることであり、相手を非難するほどのことではありません。
非難するならウクライナも止めるべきでしょう。
ロシア軍が完全に民間人をターゲットにするケースは、ほとんどありません。
ウクライナの方は、時々民間人をターゲットにします。
このような攻撃では、ウクライナの方が悪質です。
しかし西側がウクライナを非難したのは聞いたことがありません。

単なる普通の人が情報を探してもミサイルが撃ち込まれた建物か敷地は軍事大学であったと分かったようです。
ゼレンスキーは、よく噓をつきます。
(最近は、嘘の方が多いです)
もう少し調査するくらいは、するべきでしょう。
私は情報を歪められて報道することを問題視しています。
またウクライナが明らかに民間人をドローンで攻撃したケースでは、せいぜい小さく報道したらマシな方で民間人攻撃を非難する報道は見たことがありません。
ウクライナを支持するしない以前の話として、事実は出来るだけ正確に報道するべきだと思います。

そもそも話を聞いた段階でおかしい点があります。
ロシア軍が純粋に民間人を攻撃した例は、ほとんどありません。それを知っていれば、普通の「教育・医療機関」を攻撃することは、ないと推測できるはずです。
数か月前にあったキエフの小児科病院へのミサイル落下事件も同じです。ロシア軍が、軍事目標でない小児科病院を攻撃することは、普通ないです。
そうなると一番可能性が高いのは、ウクライナ軍の迎撃ミサイルが目標に命中せず落下したケースが考えられます。
キエフ政府は、この時は国連安保理まで持ち込んでロシアのテロ攻撃だと非難しました。しかし、その後この話はウヤムヤになり消えました。
ウクライナ軍の迎撃ミサイルをロシアの攻撃ミサイルに胡麻化すのは、流石に無理だったからだろうと思います。

昨日かおとといもハルキウの民間住宅にミサイルか滑空爆弾の残骸がそれて落下したのをテロ攻撃と非難していました。
このようなゼレンスキーの嘘は聞き飽きていますので、聞くと腹が立ちます。

ついでに言うと、報道の自由度が日本よりましなウクライナの新聞は、記者会見でポクロウシクPokrovsk戦線でのウクライナ軍の敗走のような退却について追及されていました。
2024.09.3
ウクライナメディア、ドンバスからの敵戦力撤退は達成出来なかった
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-media-evacuation-of-enemy-forces-from-donbass-unsuccessful/
統制色の強いウクライナですら、ゼレンスキーは非難されたり追及されたりしています。
このようなことを、日本のメデイアは報道していますか❓
(報道の自由度70位の実力❓が、分かるでしょう❓日本のマスコミは、どこかの独裁国家並みです。第2次大戦中とほとんど同じです。ウクライナ紛争に関しては・・)

(2)この記事のコメント欄にもう一つ気になるコメントがありました。
「す」さんのコメントとです。
情報元は現地で避難の支援活動をしている日本人ボランテイアのようです。その人が実況報告をしているようです。
Pika中條秀人
(ひと)中條秀人さん ウクライナに渡り「戦災孤児」たちの支援を始めた
2022年7月3日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S15342942.html
誰かは、私が調べました。この人のようです。

それによると現在ポクロウシクPokrovsk市街の軍事目標に榴弾砲による砲撃が激しいようです。避難を急いでいるようですが、巻き添えになる人も出ているようです。
もう何日か続いているようです。
8月末を目標に現地の行政責任者は、避難を勧告していました。やはりロシア軍から通告が来ていたのだろうと思います。
期限が過ぎたので砲撃が始まっているようです。

こんな報道もメデイアではありません。
何とも情けなくなります。
個人の軍事ブロガーのコメント欄に書いてあるのですよ❓
それを伝える日本のメデイアは、皆無です。

『フィナンシャル・タイムズ>ポクロウシク戦線>ロシア軍がデイミトロフ他主要拠点に進撃中<2024/08/31』
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/41eb296ae6272418b90b3249011a3260

8月30日の報道時点でロシア軍は、デイミトロフМирноградから1・5km地点まで進出しています。
ポクロウシクPokrovskまで10km以内です。

ついにポクロウシクPokrovskとデイミトロフМирноградのウクライナ軍の塹壕や陣地、軍事目標に対する砲撃が始まっているようです。

だからゼレンスキーは、ウクライナの軍人、議員、アナリストから猛烈に批判されています。
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-troops-enter-seridav-city-military-and-experts-criticize-president-zelensky/

ともあれ、ついにポクロウシクPokrovskとデイミトロフМирноградへのロシア軍の砲撃が始まったようです。
ロシア軍が市街に接近している情報は、統制されていたようです。
ゼレンスキーが約束した増援部隊が到着していることを祈っています。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑥
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


(ドイツ)「欧州の病人」⇒「ドイツ一人勝ち」⇒次は❓<2024/09/04

2024-09-04 19:23:55 | ヨーロッパ

東西ドイツ統一は、旧西ドイツには大きな重荷になりました。経常赤字は転落に転落し、その後長く経済不振に苦しみます。旧東ドイツを吸収した経費は、ドイツと言えども簡単に負担できるものではありませんでした。
この時期のドイツを「欧州の病人」と俗称しています。

その後労働改革や財政健全化政策などを経てドイツ経済は徐々に回復していきます。
劇的な回復をもたらしたのが「単一通貨ユーロの導入」だそうです。
そもそもドイツが通貨統合(単一通貨ユーロ導入)を受け入れたのには、以下の経緯があります。
通貨統合は、通貨を統合することによってドイツの影響力を抑え込むことを狙ったフランスなどが推進しました。ドイツでは反対論もあったようですが、東西ドイツ統一を認めさせるかわりに、通貨統合を受け入れたとのことです。

結果としてこれがドイツ経済の回復の特効薬になりました。本来であればドイツのマルクは、強い通貨です。
ところが単一通貨ユーロはヨーロッパの経済弱小国も含まれるため、マルクよりはかなり割安になりました。
日本なら円安の効果をドイツは何もせず手に入れました。これが長く続きます。通貨安効果を、こんにちまで享受しています。

ドイツの経済構造は、輸出依存度が非常に高くGDP(国内総生産に)占める輸出の割合は、50%近くあります。
貿易の動向に非常に大きく左右される経済構造です。
輸出先の60%近くを占めるEU域内、そしてアメリカや中国の景気減速には耐性が弱い性質があります。

2008年のリーマンショック時に、主要国の中で景気の落ち込みが最も大きかったのはドイツでした。
一方、回復が最も早かったのもドイツでした。
リーマンショック後の景気回復の恩恵を最大限に受けたのがドイツです。
その結果、2016年世界最大の経常黒字国になりました。
これを、「ドイツ一人勝ち」「一強他弱」などと俗称します。
イギリスがEU離脱を決めたのは、EU内でドイツの影響力が大きくなりすぎたのが、一番大きな理由だと思います。ドイツ第4帝国などと陰口が叩かれたくらい、ドイツは順調でした。

大きな貿易黒字は、アメリカとの摩擦を生みます。
アメリカの当時のトランプ大統領は貿易の不均衡を問題視して改善をドイツに迫ります。ドイツは、それを拒もうとします。また軍事費をサボるドイツに軍事費負担も求めました。これもドイツは拒否します。
この時代のドイツ首相がメルケルです。
メルケルとトランプの仲が険悪だったのは、これが理由です。

コロナショックで世界経済は急激に落ち込みました。
今もヨーロッパや中国は、回復したとは言えません。
アメリカとは、やはり貿易黒字削減に動かざるを得ませんでした。

このような事情がドイツ経済に大きくのしかかります。
輸出依存度GDP比50%の収益構造が逆回転し始めます。
輸出比率60%を占めるヨーロッパ経済は、トントン程度です。アメリカとの貿易黒字は減りました。
頼みの中国貿易も減少気味です。
加えてウクライナ紛争が勃発して、ロシア産の格安の天然ガスを失い割高なアメリカとノルウエーの液化天然ガスを長期に買わざるを得なくなりました。ドイツ始めEU各国はロシア貿易の利益を失いました。

こうしてドイツ経済は、現在やや水面下です。
「ドイツ一人勝ち」は、たまたま偶然好条件が重なっただけです。
おまけにこの時期将来への社会インフラ投資をケチりまくり、必要な投資をしていません。これも今、問題として浮上しています。
調子に乗って「脱原発」などをやったために電気代はバカ高くなって、安くしようがありません。将来とも高騰が続くでしょう。

「ドイツ一人勝ち」の時にあまりにも馬鹿げた政策を行い、わざわざドイツ経済の体力を失うようなことを続けてきました。脱原発は、ドイツの半永久的なボデイブロ-になると思います。今考えるとドイツ経済が不調になる原因を全部メルケルが政策として行っています。最大のものは、脱原発と無制限移民受け入れ政策です。

そしてGDPの60%を占める輸出が減少しています。

好循環が終わって、逆循環の時期に入りました。
今、フランスやほかの国方が景気が(いいとは言えませんが)ドイツよりは、マシです。

「ドイツ一人勝ち」⇒次は❓

とこう言うことです。
大量の移民受け入れも社会の問題として残ってしまいました。移民施策に対する不満と経済不振からくる不満が、最近の大きな選挙では、極右勢力と極左勢力の急激な政治手的台頭を招きました。
ドイツ社会は、非常に不安定になっています。

様々な面からドイツ経済には、困難が待っています。と言うより困難に突入したと言えべきでしょう。
「ドイツ一人勝ち」は瞬間風速的なものでした。
ドイツの象徴だったドイツ車。全然売れていません。
中国への輸出も不振です。今中国のEV車の方が輸出競争力が高いです。ますます、中国に食われそうです。
結局、極端に大きな貿易黒字(輸出)に頼る経済成長はダメだと言うことを証明しただけでした。

そしてEUの優等生のドイツが、こけてしまった以上世界経済に占めるEUの落ち目度合いは、ひどくなっていくと言うことです。
落ち目のヨーロッパを象徴しているようなドイツ経済です。
ウクライナ紛争のEUに対するデメリットは、既に何回も書きました。このデメリットは、今後長くヨーロッパ経済を苦しめると思います。
アメリカのロシア叩きの尻馬に乗ったら❓
ドイツとEUは、ド壺にはまって当分抜け出せないんでないですか❓
ウクライナ紛争をアメリカは、ドイツ叩きに利用しています。
日本も前に叩かれまくったでしょう❓
同盟国だろうと大きくなると平気で叩き落すアメリカ外交です。
ドイツは、当分ダメですね❓


※関連記事目次
項目「ヨーロッパ」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/70484af7010580642c91d2a502a7002d


2024MLB>9月3日>大谷翔平1三塁打1打点、ドジャースは延長戦勝ち

2024-09-04 19:22:11 | MBL & プロ野球

大谷翔平が移籍後初のエンゼルスタジアムで1安打1打点 シーズン長打数のキャリアハイを更新
https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/202409040000341.html
<エンゼルス2-6ドジャース>
翔平君
4打数1安打1打点1四球、ドジャースは延長10回勝利。
10回表の2死二塁のチャンスは、申告敬遠。
2番ムーキーがダメ押しの16号3ランで試合を決めました。
美味しいところは、ムーキーが持っていきましたがドジャースが勝利したから、これでいいと思います。一塁が開いていては、勝負してくれません。
翔平1番ムーキー2番の打順は、成功しています。
オホッピー18号、ウォード20号
懐かしい翔平君の元同僚が、意地を見せてくれました。

エンゼルスのジョイスが今季メジャー最速の169・8キロの剛速球披露 スタンドがどよめく
https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/202409040000307.html
大谷翔平、古巣エンゼルスファンから歓迎 第1打席を前に大きな拍手とMVPコール
https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/202409040000198.html

※ア・リーグ打率
ウィットJr 3打数2安打 打率.340
ジャッジ 5打数1安打 打率.324

ウィットJr君の打率が、3割4分から落ちません。
これで140試合189安打
200本安打は、ほぼ確定です。安打製造機で長打力を兼ね備えていますから、スーパー・ハイブリッド・イチローです。これでメジャー3年目です。どんなスゴイ!選手になるのでしょうね❓


※関連記事目次
項目「MBL & プロ野球」目次③
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/11328fcdd47caf7c999058799251da3b