「北の山・じろう」日記

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5月17日バフムトの戦闘の変化<ウクライナ紛争2023・5・17

2023-05-19 09:50:45 | ウクライナ紛争

ワールド
2023年5月17日1:01 午前1時間前更新
ウクライナ軍、バフムト近郊で前進 激戦続く=国防次官
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-bakhmut-idJPKBN2X71E1

これまでは、攻めるロシア軍と守るウクライナ軍の構図でした。だから欧米の軍関係の専門家は、バフムトには戦略的な価値は、ないと言ってきました。

ウクライナ軍は、西にコンスタンチノフカ・北にスラビャンスクと言った拠点都市があり、防衛と言う意味ではバフムトの戦略的な価値は、ないと言っていいと思います。

数日前からウクライナ軍が部分的に反撃するようになりました。その結果?

守るロシア軍と攻めるウクライナ軍の構図に変化しつつあります。

つまりロシア軍がバフムト市街に迫るためにバフムト郊外から占領地を拡大しながらバフムト市街を攻略しました。バフムト(地図上アルチェモフスク)の地図を見ると分かりますが、郊外の面積はかなり広いです。ロシア軍は、まず南の郊外を制圧し、東~北と包囲を狭めてバフムト市街の大半を制圧しました。

西のコンスタンチノフカに至る西の郊外に抵抗線を作りウクライナ軍は、際どい防衛を続けてきました。

数日前からは、防衛戦を戦ってきたウクライナ軍は、主に南から攻めていたロシア軍を後退させつつあります。これでウクライナ軍の補給路は確保されました。

もう一つ別に新たな戦線が形成されました。バフムト市街北東の郊外にあるソレダルです。ここは、スラビャンスク方面から新しい部隊が攻撃していると思います。バフムト西の郊外にいるこれまでのウクライナ軍が、そこに移動するのは不可能だからです。その中間のバフムト市街付近にワグネルとロシア軍が、いるからです。

北東にある郊外のソレダルが、バフムトの戦場の要となる地域です。ワグネルは、ここを制圧してから優勢となりバフムト市街の大半を制圧しました。

ソレダルを今、ウクライナ軍が攻撃し始めたということは、ワグネルがやったのと逆の事をウクライナ軍がやっていることになります。

南・東・北をロシア軍が制圧してバフムトを3方向から包囲してバフムト市街を制圧しました。ロシア軍とワグネルの攻撃が止まり、ウクライナ軍が逆攻勢をかけると逆の動きが出てきます。逆包囲の体制をウクライナ軍が築きつつあるのが、今の戦況です。

そうするとバフムトの戦略的価値は、全く違うものになります。

西の拠点都市のコンスタンチノフカからドネツク州の州都ドネツク市までは、幹線道路H20を南に下るとドネツク市まで遠くありません。ドネツク市のすぐ北にあるウクライナ軍の軍事拠点アウデイーイウカとの交通路が、より安全に確保されます。

そしてバフムトからは、ロシア軍の支配するドネツク市北のゴルロフカが南東方向にあり、そこを攻めることが出来ます。コンスタンチノフカからも部隊を送れます。

今の状況でウクライナ軍がバフムト方面を奪還すると、ゴルロフカ~ドネツク市に至る進撃路が開けます。

その意味でバフムトは、ロシア軍にとっては戦略的価値は低いと言えますが、ロシア軍が攻略に失敗すればウクライナ軍にとっては、南のゴルロフカ~ドネツク市への攻撃路が開けるという意味で大きな戦略的価値を持つことになります。

ウクライナ軍は、元からドネツク市北のアウデイーイウカと西のマリンカに軍事拠点を持ちドネツク市を両方からけん制しています。それが牽制ではなく攻撃の拠点に変化します。

ドネツク市北のゴルロフカをウクライナ軍が奪還すると、ドネツク市は、北・西・東の3方向から包囲されます。ロシア軍がバフムトの拠点を失うのは、ロシア軍の防御が弱体化するという意味で大きな意味があります。

もちろんここだけでウクライナ軍の反撃作戦が行われるのでは、ないと思います。しかし、バフムトでロシア軍が劣勢になれば、結果として州都ドネツクが危うい状況が発生します。

ウクライナ軍が無駄とも思える犠牲を払ってバフムトの防衛を続けてきた意味は、ここにあると思います。

ウクライナ人道危機救援金 - 日本赤十字社
https://www.jrc.or.jp/contribute/help/ukraine/



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