「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

「地震は予知できない」ロバート・ゲラー氏の言葉の独り歩き<2024.1.15

2024-01-16 20:23:18 | 自然災害・気候変動

ロバート・ゲラー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B2%E3%83%A9%E3%83%BC
スタンフォード大学地球物理学科助教授
1984年、東京大学の初の任期無し外国人教官(理学部助教授)
1984年、東京大学の初の任期無し外国人教官(理学部助教授)
2017年3月に定年退職
現在、東京大学名誉教授

※論文では地震予知研究の問題点を指摘し続けている。
2011年8月には、日本語による初めての一般書
『日本人は知らない「地震予知」の正体』
を出版

※正確には著書を読まなくては、言えません。
しかしロバート・ゲラー氏の『地震は予知できない』のこのフレーズだけが、独り歩きして都合のいい方にも悪い方にも利用されているようにも見えます。

ロバート・ゲラー氏が東大の助教授に採用されたのが1985年です。これは、かなり異例の人事だったようです。
記述の乏しい内容から推測すると、どうもその当時の旧式の地震学会に対して問題提起しているように見えます。

日記で指摘した通り非常に曖昧で怪しい根拠により現在ですら昔の地震発生確率が、政府の地震調査委員会により公表され、それがまた独り歩きしています。
『読むと驚く南海トラフ大地震の発生確率計算の根拠とは❓<2024.1.14』
https://smcb.jp/diaries/9208940

「全国地震動予測地図」を2002年から発表し始めましたが、あまり意味のない情報です。
但し書きがあり❓
文部科学省の担当者
『地震調査委の事務局を務める文部科学省の担当者は「予測地図は確率の高低は示しているが、低い地域に『安全宣言』を出しているわけではない」とし、「全国どこでも地震が起きる可能性があることも同時に伝えている」と説明した。 』

この説明によると「全国地震動予測地図」は無意味であることになります。無意味なものを何故、税金を使って大々的に公表しているの❓大いに疑問ですね❓

誰だって「全国地震動予測地図」の色を見て地震の発生確率を考えると思います。
実際に能登半島では地震に対してリスクが少ないと解釈して多くの工場が誘致されていました。その多くは、現在操業停止中です。
「全国地震動予測地図」が無ければ能登半島に工場が集中することは、なかったと思います。

ロバート・ゲラー氏が言っていることは、このような事は無駄だと言っているのだと思います。
旧来の地震学の無意味を指摘しているのだと思います。

その理由は❓
「全国地震動予測地図」の確率予測の根拠です。
南海トラフ型巨大地震の発生確率の根拠となっているのは、江戸時代に書かれた土佐藩の港湾の記録です。
しかも、その記録が当時港湾工事が頻繁に行われていて全然当てにならない代物です。
それを根拠に・・・・
『70〜80%という確率は1980年に島崎邦彦東京大名誉教授(地震学)らが提唱した「時間予測モデル」を使って算出され、次の地震を2030年代中ごろと予測している。このモデルは、地震により地面が大きく隆起すれば、それだけ地震のエネルギーが多く放出され、次の地震のエネルギーを蓄えるため長く時間がかかるという仮説だ。』

不確かな数字をもとに1980年に提唱された仮説により計算された数字を「70〜80%という確率」として❓

「全国地震動予測地図」に採用して、政府の「70〜80%という確率」として通説的に公表していることになります。全然、当てにならない数字が事実であるかのように徘徊している現状があります。
つまり❓
従来の地震学と言うのは、このようなはっきり言って科学的根拠に欠ける、いい加減な学問であったことになります。

ロバート・ゲラー氏は、『そんなの全然、当てにならないだろ❓』と、ごく普通のことを言っているだけなのですね❓

そのような集団を「地震村」と呼ぶのだそうです。
原発事故でもありましたね❓
「原子力村」

従来の地震学会では、「地震村」です。
『国から年間平均で約100億円の予算を獲得してきた』
のだ、そうです。
https://gendai.media/articles/-/48492

「全国地震動予測地図」は、熊本地震でも今回の能登半島地震でも全く役に立ちませんでした。

つまり、ロバート・ゲラー氏はこのような事を指摘しているのです。
『政府の地震調査委員会』なる組織は、はっきり言って予算を獲得して消化するための組織でしょう❓

だって、文科省の役人の言い分
『地震調査委の事務局を務める文部科学省の担当者は「予測地図は確率の高低は示しているが、低い地域に『安全宣言』を出しているわけではない」とし、「全国どこでも地震が起きる可能性があることも同時に伝えている」と説明した。 』
分かりやすく言うと!
『「全国地震動予測地図」は無意味です』
と、言っているのと同じです。


※私は現在研究者が行っている「地震予知学」が無意味だとは、言っていません。
むしろ研究成果に期待したいと思います。

「地震村」が、無駄でダメだ!と言っています。
この点、誤解のないようにお願いします。

※また南海トラフ型巨大地震には一定の周期性があります。前回の発生時期を考えると将来起きるのは、ほぼ確実だと思います。発生確率30年以内の根拠が、ほぼ無意味だと言っています。

2011東日本大震災が、起きたように将来必ず起きると思います。ただ30年以内かどうかは、現時点で不明です。
15年後かもしれません。
50年後かもしれません。
現時点では不明です。
しかし、発生に対する備えは着実に進めるべきでしょうね❓

※熊本地震も能登半島地震も、ノーマークだった「全国地震動予測地図」の確率推測は、無意味です。むしろ確率推測などしないほうが、よほどいいと思います。

『地震調査委の事務局を務める文部科学省の担当者は「予測地図は確率の高低は示しているが、低い地域に『安全宣言』を出しているわけではない」とし、「全国どこでも地震が起きる可能性があることも同時に伝えている」と説明した。 』

※参考記事
「地震は予知できない」という事実を直視せよ 国の地震予測地図はまったくアテにならない
ロバート・ゲラー : 東京大学 大学院理学系研究科 東京大学名誉教授
2016/04/28 6:00
https://toyokeizai.net/articles/-/115836
「地震予知はムダ。いますぐやめたほうがいい」東大地球物理学者の警告
ロバート・ゲラー : 東京大学 大学院理学系研究科 教授
2016.04.21
https://gendai.media/articles/-/48492

 

 

※関連日記

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https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/82c08f2c08b0f7f48cd1f6e613d1c317
読むと驚く南海トラフ大地震の発生確率計算の根拠とは❓<2024.1.14
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/f543b05a00c01316b277f81f67508e2a

 



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