新型コロナのせいで,例年より3か月遅れで,プロ野球が開催されることになってた。
広島カープは、雨天で30分遅れの試合を戦い、どうにか勝利した。試合は、無観客で行われた。観客なしの試合は違和感があるのではないかと思っていたが、以下のような感想を持つことになった。
鳴り物入りの応援は無用だった。例年のような応援がないと試合の実感がわかないかと思ったら,さにあらずで、一向に気にならない。むしろ,真剣、神聖な勝負を見ることができて,感動した。無観客でも、無音ではない。ベンチにはチームの仲間がいて声援を送るし、アナウンスもある。特に、選手の息づかいや打球音の響きは,日頃聞き慣れないもので,極めて新鮮であり,臨場感もあった。そもそも、MLBに比して,日本のプロ野球観戦は騒音が大きすぎると考えていたので、私には,静かな試合が快適であった。
テレビ中継は、しかし、相変わらず饒舌で,せっかくの静寂な空気が台無しであった。得に,解説者の発言は,もう少し控えるのがよい。解説者として招かれて沈黙しているわけにもいかないのはよく分かるが,ラジオ放送でないのなら,放送局側も柔軟に対応するのがよい。解説者は、見れば分かるようなことにコメントは不要。
無観客のスタンドに、ファンの写真パネル5000枚が置かていた。これを作成するのに,どれほどの費用と時間がかかったことだろう。また、並べるのに,どれほどの人手と時間、費用がかかるのだろうと考え込んでしまった。観客ありの試合への未練であろう。球団関係者の気持ちは分からないではないが、思い切りが悪い。
職業野球である限り、財政面での不安を除かなくてはならないので、はなはだ気の毒ではあるが、無観客試合を余儀なくされる間は,無観客という制限・限界を受け入れて,その良さを発見し,実感するようでありたい。昨シーズンのような賑やかな試合観戦ができるようになるのはいつのことか分からないが、今年のことを思い起こして、静かに試合を楽しんだこともあったが,あれも捨てたもんじゃなかったねと回想するのも悪くない。